第36話:配信アーカイブ#452
「スパチャのお陰でギリ黒字だねぇ」
「本当よくやるわねぇ。助けても得が無いってのに」
「折角助けるんだから、そうした方が気持ちいいじゃん?」
:数億を気持ちいからってので手放す判断取れるのが凄いよ
:スパチャ投げちゃうわこんなん魅せられたら!!
:人間の死体放り込んだら今までの稼ぎ全部没収ってペナルティ重すぎるよな冷静に考えたら…人道的には当然じゃんそんなん
:仕分け作業員のメンタルに悪いからね……人の死体って……
:にしてもウルタールさんのがそこら辺の価値観ドライなのね
:まあ趣味が大半とはいえ、仕事で潜ってた人やからね。そこら辺の価値観はどうしてもドライになってまう
「……ウルタールよりAのが、人の命や尊厳を大事にしているのか」
「いんや? 助けるなら全部助けた方が気持ちいいってだけで、見捨てる時は見捨てるよ?」
:まあ……普通に攻撃の盾にしたりするもんな、死体を
:助ける時は全部助けた方が気持ちいいってのはわかる
:良くも悪くもゲーム感覚なんだよな。作業の時は普通に見捨てるし
「そういうところが見ていて面白いのよね、Aって」
「……非合理的な判断基準じゃないか?」
「非合理を楽しむのが人間だよ。合理的な人間はこんなところまで来ないし」
:それはそう
:六層以降探索する人が少ないのって、実力以上に旨味が無いからだもんな……
:ガチで趣味で潜る人間だけが奥深くまで行けるんだもんなあ
:新素材とか色々あるんだけどな、日常生活を送る分には六層までで十分なんだよな
「そうそう。だから……っと、飴猿来たね」
「鼻が曲がりそうなくらい甘ったるい臭いね。ここまで来ると公害だわ」
「……キツい」
:うわマジでどろっどろだ
:泥に飛び込んだ犬ってあんな感じになるよね
:テッポウムシの体液を浴びている個体ほど大きな群れを形成する傾向にありますからね。群れの長を巡る戦いとなると、自然と臭いのキツい新鮮な個体ばかりが集まるようになり……すごく臭くなります
:もう一個の生物のように見えるもんなこれ
:こんなのが群れで襲ってくる訳だからなあ、マジでやってられない相手ぜこれ
「気を付けてA、長く生きた飴猿の毛は硬いわ。何重とテッポウムシの体液でコーティングされてるから!」
「硬いってんなら、こいつの試し切りに最適ってもんだよ」
:ロングソードって逆手に持つものじゃねえよ!?
:ニンジャスタイルやるには刃渡りが長すぎないかなあ
:カナちゃんが託してくれたBランクロングソード……どんくらいの切れ味なんだろうか
:ぶっちゃけ殺せる範囲がそこまで広がるってもんでもないけどな、武器を強くしたとて
「来るわよ!」
「飴の群れだねぇ」
:これ数どれくらいだ!?
:ざっくり見て20体はいるな
:おっ早速飛び出してきた!
:もはや真っ白い塊……常に新鮮なテッポウムシの体液を浴び続けた歴戦の個体ですね。酸素を遮断されているので腐らず乾燥されていますので、かなりの硬度を誇ります
:今までのAの武器だったら確実に通じてなかった相手だがはたして
「おいっしょー!!」
:一匹斬って、返す体で霊王の大腿骨(2個目)の一撃で装甲を砕いたか
:まだあったんかい霊王の大腿骨!!
:流石の切れ味だな。とりわけ装甲が厚く塗られている腹を一刀両断とは
「流石ね……A,一気に溶かすわ!!」
「りょーかーい! いいねえいいねえ!」
「太陽の手よ、世界を撫でろ……!!」
:Aのテンションがぶち上がってる
:避けながら斬りまくって寄せ付けないA凄いな、ロングソードとか使い慣れてないってのに
:割とどんな武器もオールラウンドに使いこなすんだよなAって……
「フィーバー・ウィンド!!」
:ウルタールさんが叫んだ瞬間射線から飛びのくことできるの本当意味わからん
:いつもより若干ゆっくり目とはいえあの乱戦の中声を聞くことなんて普通できるか?
:近距離でタンクに徹するってのならわかるんだけどなあ、がっつり前へ前へと上がっていってたからなA
:飴猿が溶けていく!?
:鎧系統の魔物を蒸し焼きにして倒す為の中位魔法!! そうか飴猿にも効くのか
:あれぶっちゃけ300℃くらいの熱あるからすっごい熱いぞ
「よし! 狙い通り、飴猿共の飴が溶けたわ!!」
「臭い……」
「うわあ熱そう」
:熱持ってへばりついた飴ってね、熱が逃げない上にまとわりつくからね……
:熱さにもだえ苦しんでる
:おーおー落ちていっとるわ、爽快爽快
:チチェロちゃんかなりしんどそうだな……まあ嗅覚鋭いから当然か
:……これ泥系の魔法に熱持たせたらとんでもないことになりそうだな
「あーあー、一気に数減っちゃったねぇ。残ってるのも、これだし」
「流れ作業で殺せて体力温存出来る方がいいでしょ? 少なく見積もっても四十階以上はありそうなダンジョンだもの、そのくらいでちょうどいいわ」
「Aは死闘を求めすぎる」
「まあそれが趣味で潜ってるからねぇ」
:死ぬくらいのダンジョン探索をするのって死闘を求めてたからなんだ
:死ぬのも含めて求めてそうなのが怖いわAは
:それはそれとして転がってる飴猿サクサク殺していくの草
:流れ作業すぎる……
「さっ、残ったのは君だけだよ……ボス猿君」
:飴細工が角みたいになってるのがボスか
:あれがボスの証なのか……ダサいな
:角付きが隊長ってそれガンダ──
「さて、んじゃ死んでもら──」
「A、油断大敵」
:なんだ咄嗟に下がったぞA!?
:何あの飴猿の腕!?
:ブレードみたいな……なんだ? 飴細工か!?
:木屑が混ぜ込まれたキャンディブレード、といったところですかね。いわゆるパイクリートと同じ原理です
「あれだっけ、あずきバーの原理? っとと、ちょっち切れちった」
「油断しないの! ったく……で、どうする? 加勢する?」
「相手は一匹だし、しかも的は小さいからねえ。ここは僕に任せて魔力は温存で。なんなら猿食べて眺めててもいいよ?」
「食べないわよ!!」
:さらっと猿食進めるんじゃないよ!!
:一応カニバにはならない……ならないけどさあ
:微妙なラインだからな猿肉食うのって!!
:っつうかよそ見してんじゃねえよ! 来てる!! エテ公来てるって!!
「その両腕とこの剣、どっちが強いか気になるしね」
:あーあー楽しんでる楽しんでる
:アッパー避けてぇ!!
:紙一重だからちょっと顎切れちゃってるな
:ケツアゴなっちゃう!!
:返しに死角から斬り上げた
:飴細工ごとさくっと!!ロールケーキみてぇに斬り落としやがった!!
:斬り上げた勢いのまま手元で回転させて斬り殺す。なるほど、そういうやり方があるのか
「あはっ」
「新しい武器ってのに随分とはしゃいでるわねーA……まあ、今まで型落ちの武器で潜ってたから当然でしょうけど」
:Aが楽しそうで何よりです
:冒険者ってのは新しい武器を持つとああいう風にはしゃいじゃうのよね、わかるわかる
:というか我流なのに動きがかなり鮮麗されてるのなんなん。我流特有の無駄ないきみとか無いし
:我流行っても、魔物とか動物の動きから着想を得ているって話は聞いたなAの場合は
「……回収できる分は回収しておいたが、これってお金になるのか?」
「お疲れチチェロー。耐火性の毛皮と皮膚だから、消防士の人達に需要があるんだ。なんでお金にはなるよー、安いけど」
:そう、安いのよね……
:ぶっちゃけここから先は研究用として需要があるというか
:一般人からしたら無用の長物なのが結構あるんだよなあ七層以降って、もちろん市場に出たらありがたい代物もあるけど
:素材とか冒険者に向けたようなもんしか取れないからな




