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ダンジョン配信に憑りつかれた男の娘~何万回死んでも潜り続ける、そこにダンジョンがあるから~  作者: プラン9


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第33話:配信アーカイブ#450

「うぷっ、おえっ、気持ち悪い……」

「そりゃそうなるわよね……魔力消費しても胃袋の中のものが消える訳じゃないもの……」

「大丈夫?」

「チチェロありがとう……うぷっ、ぷふぅ」


:すげぇ、あのカミキリムシのスタンピードめいた波乗り越えやがった

:多分だけど合計10匹分くらい食べたぞカミキリムシ

:わんこそばじゃねえんだからよぉ…いやわんこそばでも無茶な量だわ

:永久機関にはならなかったか……


「うぷ……ちょっと、カメラから隠してもらっていい? おふ、幽霊ちゃん、あの、チチェロの体で、っぷぅ、僕が隠れるように」

「えっ、ちょっとA本当に大丈夫?」


:ねえAの顔色が今まで見たことないくらい悪いんだけど

:カメラって配信者の意図聞いてくれるんだ

:冒険者がダンジョン内でヤりはじめたら自動で隠すようにするくらいはやってくれるからな配信幽霊

:まあそれでもBANされるんだけどな!!


「……ウルタール」

「なっ、なに? 水飲みたい?」

「……ちょっとの間だけ、僕を見ないで」

「わ、わかったわ……」


:なんかさ、NTRものみたいな台詞だよね

:借金とかのカタでNTRれる妻の台詞だよなこれ

:台詞だけならなあ


「おっ、ごっ、おぼぼぼっ」


:うわあ汚い声

:嗚咽するっていうの? こう喉から鳴っちゃいけないって感じるような音が聞こえるのさ……いいよね

:カミキリムシの体液ってぶっちゃけクリーム状だからさあ……あっ嘘だろ俺、マジかよ俺の俺!!

:正直興奮する

:チチェロちゃんが忖度なしに甲斐性が良すぎる


「A、気持ち悪いの全部吐いちゃえ」

「……何だろう。エロい気がする」


:ウルタールさん!?

:エメトフィリアは倒錯すぎてますよ!?

:いやでもさ、涙目で口から白い液体を吐き出してんだろ今のAって……

:うぅん、いやでも……

:ギリ無しかな


「おえっ、ぺっぺっ。ふぅーちょっとスッキリした。ウルタールさん水ちょうだい、うがいしたいから」

「……」

「ウルタールさん?」

「あっ、ええわかったわ。命育む恵みの水よ、ウォーター……えっと、飲める?」


:ウォーターって普通コップとかに入れるものじゃ?

:浮いた水をそのまま飲めと?飲んだわ

:なんだろうなこの、普段強い側の人間が弱ってるところを見ると興奮するの

:こういうのは別にダンジョン配信に求めてない……求めてない筈なのに……


「んくっ、ふう。ありがとうウルタール、助かったよ」

「このくらいお安い御用よ」

「テッポウムシの体液も落とした方が良い。今は落ち着いているが、このままにしていたらまた嗅ぎ付けに来る。あと単純に臭いがキツい」


:臭がっているチチェロちゃん可愛い

:白濁した白い液体にまみれてるもんなA

:スクショした

:見抜きいいっすか


「……そうね。落とした方が良いわね。目に毒だし」

「目に毒?」

「いえなんでもないわ」


:なんかさ、ウルタールさんの目が怖い

:Aのまぶしい笑顔と対照的にこう、にちゃあっとしてる

:チチェロちゃんが呆れた目向けてるよ……

:救助依頼出させてもらった身だけどさ、ちょっと怖くなってきたわ……Aじゃなくてウルタールさんが


「……さっ、先に進みましょ」


:ごまかした

:俺らリスナーの目はごまかせんぞウルタールさん


「しかし、この先どうする? 今のような対応をしていたら、また同じ目に遭うことになるが」

「そうなんだよねぇ……僕は体液まき散らさせるような戦い方しかできないし……勝てない相手ではないけれども、また吐くことになるのはちょっと無防備になりすぎるからなあ」


:気にするところそこ?

:いや確かに吐いてる時の人間って簡単に殺せそうだけどさあ

:十一層の鬼門なんだよなあ、テッポウムシって。突然飛び出してくる竹やりみたいな存在でありながら、切り殺すと大量の仲間を呼んでくる……素材も売れねぇしでマジで相手したくねぇ魔物筆頭

:炎魔法でも運が悪いとはじけ飛ぶぞ!

:ウィンナーの肉汁みたいに飛び散るからなテッポウムシの体液が

:叩き潰しても体液出るからなあ

:脳締め

:ウィンナー食ってる時にその例えすんな!!


「……脳締めってなんだ?」

「魚とか動物とかを、えっと……脳からの伝達腐敗を遅らせる為に、脳死状態にさせる締め方だね。確か」

「……テッポウムシの幼虫の脳を壊すって、そんなこと出来るのかしら?」


:そもそもの話、虫に脳みそってあるの?

:確かにそれなら体液まき散らすことなく殺すことができるがよぉ

:飛び出てくる虫の小さい脳みそをピンポイントで〆るなんて出来るか?

:一応虫にも脳みそはあるみたいだぞ。人間のものとは色々と違うらしいが

:でも魔物をただ倒すんならぶった切るとかでデカい獲物あればできるけど、ピンポイントで脳みそ潰せるような武器なんてあるか?

:ぶっちゃけナイフでもテッポウムシからしたら体液ぶちまけるのに十分な刃渡り……あっ


「一応できなくは無いね」

「……耐久大丈夫かしら。それ、ホームセンターで普通に売られている代物よね?」

「テッポウムシ自体は柔らかいからいける、か?」


:あったよ!アイスピック!!

:なんであるんだよそう都合よく

:Aは元々アイスピック愛用してただろ全配信見返せ

:確かにこれなら最小限の傷で倒す事できるな!倒せたらの話だが!!

:全配信(アーカイブ1つごとに12時間)

:レイピアとかの刺突系武器必要かもしれんなこの階層

:百均で魔物が殺せるかああああああ!!!!


「百均で人間殺せるんだしいけるいける」

「……でも体液が出るのは防ぎようがないわよね」

「少量なら問題ない筈だ。木の皮に引っかけて体液が出た程度であの規模の群れが動く、ような非合理的な進化はしていないと思われる」

「そうだねぇ、この木ってそこまで肌に優しそうって感じじゃないし……少量なら反応しないって可能性は高いかな」


:このパーティーで頭脳担当がチチェロちゃんってのがなんか、凄いな

:Aは死に覚えでウルタールさんは魔法ぶっぱすりゃ勝てるでしょの脳筋だからな……

:俺たちの知らないダンジョン知識も持ってるし、マジで頭脳担当として頼りになりすぎる

:ちょっと教官だけど十分優しいし……なんで俺の先輩にいなかったんだろう


「コメントで凄い褒められてるわね、チチェロ」

「……照れる」

「おーおー恥ずかしがってるねーチチェロー」


:あーこの絡みだけで無限に気ぶれる

:ズルい。チチェロちゃんズルいわー

:この、だらーっとAが全体重預けるの……チチェロとの信頼関係感じられて、いいよね

:犬みてぇだなAが

:獣要素はチチェロちゃんのが多い筈なのに


「……うん? この隆起している箇所……早速試してみようか」


:なるほど、ぽっこり出てるところを見たらある程度どこに潜んでいるか察知できるのか

:いやでも本当に出てくるか?

:出てきたぞ!!

:注意深く見たらある程度は分かるのか

:これ鷹の目持ちのが見分けるの難しくない?


「んじゃ早速試してみようか、な!!」


:よく飛び出して来た相手を頭狙って仕留められるな

:凄いピンポイントで脳みそ貫いた!!

:マジであそこ潰したら動かなくなるんだ…

:生物にとって脳みそは重要だからな

:やっぱ虫の脳みそって言い方凄い違和感あるな…なんか知らんけど

:ちょっとだけど体液でたが果たして


「……二人とも、どう?」

「……探知にかかる魔物の姿は無いわ」

「同じく。こちらに向かってくる気配も音もない」


:おおーマジで上手くいったー

:なるほど出血を最小限にして殺せばカミキリムシ呼び寄せなくて済むのか

:これ何気に新発見では?

:アイスピックで殺せるもんなんだな……百均の……

:ただ、炎魔法で体液蒸発させる勢いで殺した方が殺しやすいんだよなあ……新しい突破方法判明しても

:新発見だけど他に誰が使えんだよって技術なんだよな

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