第22話:配信アーカイブ A死亡ダイジェスト#5
配信アーカイブ#319
「城の次がスラム街って……相変わらず繋がりが見えないねえ、ダンジョンってのは」
「ダンジョンの創造主の中にあるのよ、きっと」
:スラム街っていうか…戦火に巻き込まれたっていうか…
:ところどころ黒い煙みたいなの上がってるし、路上に死体転がってるし…
:時代としちゃ中世かしら?ファンタジーゲームやアニメでよく見かける服装してるわ
:この階層の魔物ってどんなんだったっけ
「どうなんだろうねぇ、ここにいるのはやっ──」
「ちょっ、A!?」
:わーおブービートラップ
:踏み込んだ瞬間、地面に仕込まれていた槍が飛び出るトラップ…チラシやゴミで見えないようにされてるのヤバいよねゲリラ戦
:うわー…ケツから入った槍が口からこんにちわしてる
:エッロ
:ここの連中って、魔物ってより人だからな……人間狩り専門の、だけど
:死体消えたってことは……これ全滅フラグ立った?
「チチェロちゃん! 撤退するから援護して!! Aを失ったら流石に進めないわ!!」
「了解」
:うおっ容赦ない!矢が飛んでくる!!
:矢も槍も飛び交うからな……しかも建物の影からだから狙撃もできない
:ゲリラ戦仕掛けてくるからなあここの魔物、というか人間
「……ああもう! 吹き荒れるは竜巻、トルネード!!」
:矢を跳ね返して、おまけに色々巻き込んだ竜巻で破壊!!
:血しぶきが小さくて見えないのが難点なんだよなあ魔法使いの配信って
:これで駆除できたらいいんだけどなスラム街の連中
:残念ながら無限沸きするからな、一定時間はロストしてるけど
:2日で元通りだもんなー
配信アーカイブ#328
:撤退していたウルタールと四層で合流ってとんでもないよなやっぱ
:普通数か月は置くもんだからな一度死んだら
:死んだ直後に即ダンジョン再挑戦するのってAくらいだもん
「よく合流できるわね、ダンジョン内で……まさか地上に戻ることなくまた七層へアタックできるとは思わなかったわ」
「言うてあれ即死だったからね、そこまでトラウマにならないでしょ」
「……するにしても、もう少し上の方で合流すると思ってた」
:チチェロちゃんもあんぐり口を開けて驚いてらっしゃる
:即死だったからですぐ動けたら冒険者の離脱数もう少しマシなんよ
:思い出し恐怖で潜れなくなるなんてよくある話
:俺もダンジョンで即死した後は日常生活も送ること難しくなってたからな…上の方に気配がすると、どうしてもね…
:階段とか使えなくなるからなトラウマ負って冒険者引退したら
「……罠を隠している障害物を焼き尽くすことってできる?」
「……ええ、もちろん。ちょっと離れてて。……吹き荒れるは炎、燃え上がるは竜巻……トルネード・フレイム!!」
:すっごいゴリ押し!!
:道も通路も全部焼き尽くす勢いで焼けば確かにトラップは見えなくなるけどさあ
:魔力消費えげつなくない?
:いや待ってここで炎使ったら
「……なんか、奥の方から爆発が──」
「……あっそういえばここって火薬がよく採れ──」
「流石にこれから守るのは無理」
:三人とも爆炎に巻き込まれたぞ!!
:そうなんだよな、ニトログリセリンとか黒色火薬とか取れるんだよな民家から
:精製されたガソリンとかもあるしなここ
:よく投げて焼かれるからなあ…
:A選手ウルタール選手チチェロ選手大きく吹っ飛ばされたー!!
:空綺麗ね
:これ鬼還の腕輪機能する?
:というか蘇生できるほど原型残るかこれ?
配信アーカイブ#329
:流石にウルタールちゃんはおやすみか
:今回は低い階層潜ってチマチマ稼ぐ感じかな
:チチェロちゃんとAとで二人きり、なんか久しぶりな気がする
「売った株買い直すためにも入用だからねーお金は」
「……やっぱりAはおかしい」
:チチェロちゃん顔真っ青
:流石に死んだ直後に探索はチチェロちゃんにも厳しかったか
:前死んだ時は2日くらい間を空けてだったからな…そうかAの連続アタック始めてかチチェロちゃん
:あ、明後日までにはなんとかメンタル持ち直すから…
:そういやここ最近特級魔物が外れの道にも出てくるって話だけど、今Aどこにいるの?
「ウルタールさん無理しなくていいよー。……えっと、今は二層の左側、かな? とりあえず奥に進んで、適当に採取してって感じ」
「……来る」
:うわあでっかい蛇!!
:一瞬でA飲み込んだぞ
:いや、飲み込まれる直前にナイフ抜いてたから普通にでて
:あっチチェロちゃん待って!尻尾で切るの不味い!!
「……あっ」
:……首、切っちゃったね……
:蛇の首も見事に切断されたな
:鋭い切れ味、きっと苦しまなかったでしょう
:たまにあるたまにある、切り替えていこうチチェロちゃん
:本当、ダンジョン出てから死が凄い軽くなったよな
配信アーカイブ#338
:ようやっとフルメンバーで七層潜れたか…
:道はちゃんとトルネードで綺麗にしたしで……流石にもう死ぬことはないだろうよ
:ただ本当入り組んでるな…どこからでも奇襲できちゃうぞこれ
:フラグ立てるから
「っとと、早速魔物のおでましかな」
「……何度見ても悪趣味よね、ここの敵は」
:ぼろきれ着た人間だよなあ、やっぱ……どう見ても……
:ぶっちゃけこの階層探索は見られないって人も多いからな
:小汚い子供でしかねぇもんここの敵
:割と七層で探索者の心折れるっていうもんな
:でもA全く容赦なく首にナイフ付き刺したぞ
:あの、やるなとは言わんがせめて躊躇いを…
:普通躊躇するもんだぞ!?
「そういうもんなの?」
「ここの魔物は、エンカウントした生物と同じ種族の外見に姿を変える。そうすることで安全に狩りをできるようにする……のだけど……」
「貴方が冒険者で本当によかったわ」
:本当そう
:いうてAって冒険者以外だとすぐ死んでそうだから冒険者以外の仕事やっててもそこまで被害出さないだろ
:今回のこれで割とマジで冒険者なる前なにやってたか気になったわ
:猿を殺して食べるのに抵抗無いし、生き返っても平常心ですぐアタックし直す、おまけにまんま人間な魔物を殺すのに抵抗が無い…
:俺元ヤクザだけども人間殺すのはともかく人の形した肉食べるのは無理だわ
:割と人間殺すのにもスイッチ入れないと駄目だからな…そーゆーの無しで殺せて、出来るだけ殺さない判断できるのが昇進していくもんだけど
:嘘だろ反社も見てるのかよ
「口座作れてるからカタギだよ?」
「カタギなんて一般人は使わない言葉よ?」
「……冒険者は、一般人の区分ではないと思う」
:それはそう
:チチェロちゃんいいこと言った
:えっカタギって一般的に使わないの?
:割と冗談っぽく使う事はあるけど
:ガチの言い方だったなAの口ぶり…
:そもそも口座持ってるからカタギって判断基準自体カタギじゃない気が
:あっ頭射られた
:ここ長距離狙撃もあるからな




