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ダンジョン配信に憑りつかれた男の娘~何万回死んでも潜り続ける、そこにダンジョンがあるから~  作者: プラン9


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12/20

第12話:配信アーカイブ#306

「わあ、凄いところに飛ばされちゃったぞ……みんなにも見えるよう色調補正かけてくれる?」


:おっ画面が明るくなった

:なんか街っぽいな……?

:さっきの城とはだいぶ違うな。なんというか、俺達が住んでるビル街に似てる気がする

:うわ死体転がってるじゃん

:俺達が住んでるって田舎住差別かぁー?


「……とりあえず、こいつが起動するかテストしないとねぇ」


:これなんの死体だ?人間っぽいけど

:おいこれに鬼還の腕輪巻いていいのか!?

:もしここに飛ばされた冒険者だったら助けた方がよくはあるが…


「最初っから死体のに使う場合は自分の血を垂らさなきゃいけないのがねぇ、もうちょい痛くない方法でやってほしいものだよ本当」


:そもそも現代の科学で解明できてないテクノロジーですしおすし

:とか言いながら何のためらいもなく手首切って血を出すよねAは

:なんか手慣れてるんだよなあ……経験者?

:まあ自傷行為と言えば指を噛み千切るか手首切るかってイメージはあるが


「手の指噛んで血を出すのはお勧めしないよー、あれすっごい痛いから。漫画とか見てると憧れるけどね」


:あれ痛いんだ……

:わかる。俺も子供の頃影響されてやったことあるけど痛すぎて泣いた

:まあ、そうよね…痛いよね…

:一度はやるよねみんな

:ぶっちゃけ血を流すだけならあえて深爪した方が痛み最小限だし

:探索前に血のストック作っておかないもんなのみんな


「……その手があったか!?」


:多分だけどそうやってる人が殆どじゃねえかな

:流血するのは最小限にしないと駄目だよAちゃん!!

:血ってちょっとでも流れるとくらってするからな。採血だけでもああなのに

:多少立ち眩みしても支障が出ない人間じゃないと探索できないってのはそうなんだが、あえてやる必要も無いからな


「やっぱソロだと情報偏るねー……っと、よし。起動はするか」


:きらきらした光に包まれて消えるの本当やめてほしい、目立つ

:こんな暗いところでは特になあ……魔物からしたらいい目印になるわな

:配信で見てる分には綺麗だなー、で終われるんだけどいざ探索すると……ね


「……一応石ころとか納品しておこっか。多分かなり低い階層のとこだし」


:ダンジョン解明にマジで役立つからありがたい…

:いろいろな冒険者の配信見てるけど、マジで初見の場所だわここ

:そういやなんで現地民らしき死体に鬼還の腕輪使ったの?


「場所によっちゃ鬼還の腕輪が機能しないなんて階層もあるらしいから、念の為にね」


:あー……それで行方不明になった冒険者グループいたなあ

:なんだっけ生物の転送を封じる結界だっけ?今じゃ解析されて国会議事堂とかに施されてるやつ

:嫌な事件だったね…ラッキーストライク事件…

:配信であいつらの末路見てたけどまあ悲惨も悲惨だったなあ


「とりあえず機能するってわかったらある程度は気分楽に進めるからね。死ぬことくらいなら慣れてるし」


:慣れないで

:死ぬのを状態異常の一つだと思ってる節があるよなAって

:実際それのお陰でソロながら六層まで探索出来てる訳ではあるんだが…

:何十回と死んで相手して慣れるってのがAの戦闘スタイルだからな

:つうかよ、なんかここ静かすぎない?


「うん……? 生き物の気配がしないね」


:そういや魔物どころか原生生物すら見かけねぇな

:ちっちゃい虫とか、植物とか全く画面に映らない

:ゴーレムもリビングデッドもいねぇからなあ


「でもゴミはあるんだよねぇ。ほらこれとか」


:ポテチの袋に空き缶…?

:なんて書いてあるか読める?

:ダンジョン文字だとは思うんだが全く読めねぇ

:まだ解析されてない初見の文字だな

:いや待てこれ歴史的発見だぞ!? ダンジョンの奥地に俺達と同じような文明の場所があるなんてよ!!


「いったいどうなってるんだろうねぇ……こうして何もないところをただ歩いていると、ポストアポカリプスもの思い出すよ」


:あー、わかる

:核戦争とか核爆弾で荒廃した世界を歩いてるみたいに見えるよな

:ゾンビとか出てきそうな雰囲気

:しかしここまで何もないとは……本当にダンジョンなのかここ

:ビル内部に入ってみてほしい気持ちもあるが……トラップ仕掛けられてるか


「まずは道路周辺から見たいからね……ん、なんだろあの光」


:200メートルくらい曲がったところから紫色の光が漏れてるな

:ボス部屋かしら

:基本的に階段から降りて歩いて三日くらいの距離にボス部屋があるものだが……こんなに早くにあるか?

:ボス部屋近くに転送された?


「階段あったら嬉しい…ん……なにこれ?」


:なんか踏んだ?

:黒いスライムっぽいのが足元にあるね

:なんだこのヘドロ、肥溜めか?

:待ってなんでそれ納品するの!?

:貴重な資源ではあるけどさ!あるけどさあ!!


「初見のダンジョンでは出来る限り情報を持ち帰れ、が原則だよ?」


:それは…そうなんだが…

:すっごい迷いなく納品したからちょっとびっくりした

:普通の冒険者だったら触りもしないからな

:しかし歩きづらそうだな。ヘドロみたいにへばりついてきてるし

:俺もAの足にへばりつきたいよぉ


「もうそろそろかなー。さあ光とご対面……って、あれっ、見えない?」


:うわグロいグロいグロい!

:なになになになにが起こってるの!?

:Aの顔の皮膚溶けてるぅ!?

:ひえっ皮膚溶けて筋肉剥き出しなってる……


「いたっ、えっ痛い……なん、不味っ……!?」


:血も出てないし死んでないから鬼還の腕輪発動しねぇのか!?

:うわあ頭蓋骨見えてる……


「あっやばっ」


:筋肉無くなって皮膚剥き出しなったから鬼還の腕輪落ちた…

:血と油が潤滑油なっちゃったかあ

:配信柄内臓とかがぼろんするのはよく見るけどそれとは別種のグロさだぞこれ

:ただでさえちょっとぶかぶかぎみだったからそりゃね

:そうかこれAの足元にあるの、この光を浴びて泥になった奴らの末路か

:これもしかしてなんだけどさあ、死ねないんじゃねえの?


「これは不味いねぇ……グロ注意だよー」


:いや遅いわ注意喚起

:ねえ歯茎までどろっと見えてるんだけど

:トラウマなるトラウマなる!

:どうやって脱出するつもりだ!?

:鬼還の腕輪もヘドロん中だし

:あれっ、納品用アイテムポーチ?なんでそんなことに手突っ込んでんだ?

:右手にナイフ……投げても届かない気がするんですがそれは


「脱出するには……これしか、無さそう……!!」


:自分の首刺した!!

:うわ容赦なく抉る…絶対痛いでしょこれ

:待って待って待って待ってそっからスライドさせないで

:なんで魔物殺す時の感覚で自分の首も斬りさけるんだよこいつ!!

:ゲーム感覚で殺しやってるからな自他ともに

:うわ首半分まで斬りやがった…

:皮膚筋肉溶かしながらぶらんぶらんしてる……

:うおっ吸い込まれた!?

:納品用アイテムポーチだけに…そうか死んだら生き物じゃなくなるから…

:あの一瞬でそこまで判断して決行するのえぐくない?

:撮影用幽霊<アバヨ

:配信終了した

:いやあ、凄いものを見た…

:色々大発見があって満足、馬鹿みたいに長い配信追っててよかったぁ

:結局あの光なんだったんだろ

:光がまぶしすぎてようわからんかったわ

:考察班の意見待ちやね

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