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『人気アイドル雀士』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『人気アイドル雀士2 ―ふたりで追いかける夢の続きを―』
23/35

第10話「夢の続きを、ふたりで」



――5月。

GRT48アリーナツアー・千秋楽。

8万人が詰めかけた東京ドームのセンターステージに立つのは、もちろん理恵。


そして、客席最前列。

黒い帽子を目深に被った観客が、じっとその姿を見つめていた。


「……来たよ、理恵。ちゃんと見てるから」


知恵の小さな声は、周囲の歓声に飲まれながらも確かに届いた。


■Scene1:ライブの熱狂、ステージの輝き


理恵のラストパフォーマンス曲は、GRT48の新曲『未来の軌跡』。

センターに立ち、マイクを握る姿は、かつての妹の面影を完全に超えていた。


(私は、ただの妹じゃない。

お姉ちゃんに“見られても恥ずかしくない私”として、立ってる)


曲のラスト、理恵がマイクを外して叫んだ。


「すべての夢に、ありがとう! そして――これからも見ててください!!」


会場が揺れた。


■Scene2:同時刻、対局後のサプライズ


ライブと同時刻、全国麻雀タイトル戦の授賞式会場。

知恵は前回大会優勝者として表彰を受け、インタビューでこう語った。


「私は、舞台には立てません。

でも、牌を通して“夢の形”を見せ続けていきたいと思います」


その直後、主催者の一人が壇上で発表を始めた。


「ここで、もうひとつ発表があります。

来年度の麻雀×エンタメ融合プロジェクト『Dream Stage』――

その、初代メインキャストに就任するのは……

安川知恵さん、そしてGRT48・安川理恵さんです!」


会場がざわめく。

知恵は驚いた表情で一度後ろを向き、深く息を吐いてから振り返った。


「……私たち、ふたりで?」


■Scene3:再会の控室にて


ライブ終演後の控室。

理恵がステージ衣装のままドアを開けると、そこに立っていたのは知恵。


「来てくれてたんだ……!」


「ライブの終わりくらい、ちゃんと見届けるよ。

……あんたの“勝負服”、見たことなかったし」


理恵は涙をこらえながら笑った。


「……ねぇ、“Dream Stage”の話、聞いた?」


「うん。まさか一緒にって言われるとは思わなかったけどね」


「やってみる? 初めて“同じ舞台”で、同じ時間、同じ景色」


「やってみよう。……理恵となら、怖くない」


■Scene4:プロジェクト発表会見


後日、記者会見。


知恵は淡いグレーのスーツ、理恵はステージ衣装に身を包み、ふたりで並んで登壇。


記者:

「異色のコラボですね。“プロ雀士とセンターアイドル”という」


知恵:

「異色かもしれません。でも、私たちにとっては自然な流れです。

理恵となら、牌の世界もステージの世界もつなげられる気がして」


理恵:

「夢って、いつもひとつじゃなくていいと思うんです。

お姉ちゃんが歩んできた道、私が立ってきた場所――

その両方を、見せていきたいです」


■ラストシーン:夜の帰り道


会見を終え、姉妹で歩く帰り道。

街灯の下、ふたりの影がひとつに重なる。


「……なんか、私たち、ここから“また始まる”って感じだね」


「うん。でも今度は、並んでいける。

“あんたのマネージャー”でも、“センターの妹”でもない。

ふたりでひとつの“物語”として」


ふたりは顔を見合わせ、微笑んだ。


その目の先には、まだ見ぬ新しい“舞台”が広がっていた。


■エピローグ

SNSではふたりの会見の様子が話題沸騰。


「ついに姉妹ユニット誕生!?」

「安川姉妹、泣ける…」

「夢の続きをふたりで追いかけるって、最高のエンディングじゃん」


エンディングは、次の始まり。

安川知恵と理恵――ふたりの“物語”は、これからも続いていく。



『人気アイドル雀士2 ―ふたりで追いかける夢の続きを―』完

次はシーズン3『Dream Stage編』をお送りします。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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