プロローグ
東京・中目黒。
午後の光が落ち着いた街並みに差し込む頃、小さなビルの一室――GRT48のレッスンスタジオ前に、ひとりの女性の姿があった。
「……理恵、今日の練習は何時に終わるの?」
スマートフォンを耳に当てたその女性の名は――安川知恵、30歳。
かつて、GRT48の3期メンバーとして注目され、同時に“プロ雀士”としての実力も持ち合わせた異色のアイドル。
いつしかファンの間ではこう呼ばれていた――**『人気アイドル雀士』**と。
あれから数年。
アイドルとしての活動は一区切りを迎えたものの、プロ雀士としての活動は今も続いている。
そして今は、妹であり現役アイドル・安川理恵の“マネージャー兼姉”として、ステージの裏で支える日々を送っている。
スタジオの扉が開き、汗だくの妹が顔を出した。
「ねえお姉ちゃん、今度のイベント…雀荘でやるって聞いたんだけど、それって……あり?」
「むしろ得意分野よ?」
いたずらっぽく笑う知恵の目には、かつてステージでファンを魅了したあの輝きが戻っていた。
彼女の“再始動”は、まだ誰も知らない。
――これは、ステージと卓上。二つの世界を行き来する一人の女性と、その家族の物語。
“勝負”とは何か、“夢”とは何か、そして“守りたい人”のために、再び彼女は牌を握る――。
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