学校での生活
「ジェイ、学校へ行っても頑張るんだぞ」
そう言って送り出してくれたのは、父親だ。
僕のこれから行く学校は、貴族や金持ちが多い。
世間からはエリート学校と言われているが、実際金さえあれば誰でも行けるので、別にエリートではない
この学校は全寮制で全員寮に入ることになっている。そのため、家に帰れることはほとんどない。
「じゃあ、行ってきます」
そう言って家を出た
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学校についたが、迷子になった。
この学校は広すぎる!まじで広い!
「まいったな〜」
「初日に迷子とか洒落にならないぞ」
と長い長い廊下を歩いていると、、、
「おい、あいつどこへ行った?」
「知らねえよ!しっかり見張っとけよ!」
という会話が聞こえるてきた。
なるほどな。理解した。そもそも「入学生はこっちに来てください」とこんな広い学校で道案内をしない事自体おかしんだ。
つまり、これは試されている。今まですれ違った先輩は全員見張り役ということか。
あえて迷子にさせてどのような行動を取るかを見極めて、ランク別に分けるということか。
そもそもここは金持ちの子が多い、我儘で自分のことを自分で出来ない奴が多いからその辺を見極めるためかな?
「まートリックのタネさえ分かれば簡単かな」
とUターンをして、ずっと後をついてくる人から、地図を抜き取った。
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地図をとった後は簡単だった。
地図をバレないように見ながら行くべき教室に向かうだけだからね。
後ろにいた人はかなり驚いていた。そりゃ急に迷わずにここまで来れたら驚くよなと思い、地図をバレないように返しておいた。
教室には4人いた。しかも全員女子
すごいな、こんな早くにこんな人数がいるなんて。俺が1番だと思ったのに
「こんにちは」
と1人の女子が話しかけてきた。
「こんにちは」
と笑顔で返しておいた。挨拶は大切だ
「とことで君はどうやってここへきたの?」
と挨拶をした女子とは、また別の女子が話しかけてきた。
「いやー、それがだだ普通に歩いていたらついただけですよ 」
上級生から地図をパクったなんて口が裂けても言えない。
「ところで君たちはどうやってきたの?」
「ふふ、何を惚けているの?魔法を使ったに決まっているじゃない」
あーなるほど本来はそうやってくるんだ。
「ただ歩いているだけで着くなんて、面白いジョークね」
ジョークだと思われた。
「いや〜あははは」
誤魔化しておこう。その方が良さそうだ。
僕がこの教室に入ってから2時間が経過した。
今この教室にいるのは、僕を合わせて8人。
男子が3人、女子が5人
男子はなんか頭良さそうな見た目をしている(俺以外)
女子はみんな美人だ。そして何とは言わないが、みんなでかい。
そこにガラガラと扉が開いて、白い髭の男が入ってきた。
「こんにちはみなさん。私がこの教室の担任です。」
「名前をカリス・ジェンと言います。それでは皆さん1人ずつ自己紹介をしてください。」
といい1番右端の椅子に座っている人から後ろに1人ずつ自己紹介をするように言われた。
ちなみに僕は5番目だ。
「こんにちは、私の名前はキラス・ルメイドです。これからよろしくお願いします」
と漆黒の色をした短髪の少女が言った。
1番目は緊張しただろうな
「こんにちは!僕の名前はカイリス・ミスカルです!」
と、いかにも熱血系でモテそうな感じがした。
まー彼の第一印象はいいな。
とこんな感じで自己紹介が始まった。
3番目の子は、「カーネル・ジャン」短髪でブルーぽい瞳をした綺麗な人だ。
4番目の子は、「レイブル・タツヤ」身長が高く貴族っぽい服を着た。礼儀正しい男の子だ。
5番目は僕
6番目の子はなんか見たことがあるけど思い出せない。名前は「キイラ・デルイ・センツ」と言うらしい。センツと呼んでと言われたからそう呼ぶことにしよう。金髪の女の子だ。
7番目は、魔法使いという感じの服装に、杖っぽい物を待っている。「ジェンレス・フェリー」というらしい。
魔法は基本学校で習うものだが、家で魔法を教える家もある。僕も魔法の練習をしたけれど、センスのかけらもないらしく、ちっとも上達しなかった。
あとでコツを聞きに行こう。
最後はどうやら大物らしい、全く知らない顔だが。名前は、「シリアス・レール」と言っていた。
流石の僕でも「シリアス家」走っている。魔法の基礎を作り上げた家で、この国の王とも深く繋がっている。確か、2人の子供がいると聞いたことがある。長女は僕より2歳年上で、次女は同い年と聞いた気がする。すると、彼女がそうなのか、、、、、えっ、めっちゃ大物じゃん
と彼女の大物さ理解したのだった。
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この生活が始まって一か月が経過した。
前世にも嫌いな教科があった。多分、全人類嫌いな教科があると思う。
だか、今やっている教科はそこし違う。魔法は毎日授業に組み込まれている。つまり、どんな奴でもいつかは魔法ができると思っていた。しかし、一切できない。
なぜ?
だが、基礎的な魔法は出来る。ちょっとした火を出したり、少しだけ水を出したり、それくらいはできる。でも、このクラスはどうも優秀らしくどんどんレベルが上がっていっている。
そう、僕はこのクラスの足を引っ張っている。
と悩んでいるところに、
「ちょっといいかしら?」
と声をかけられた。
「ん?どうしたの、フェリー?」
この子は、魔法使いぽい服を着て自己紹介をしてくれた子だ。
「もう、時間よ」
「もうそんな時間なのか、わかった師匠」
僕は入学してからこの子の弟子になった。自己紹介後すぐに弟子入りしたのだ。
僕が基礎魔法がここまで出来るようになったのは、この師匠のおかげと言っても過言ではない。
が、修行は地獄だ。
師匠がぶっ放す魔法を自分の魔法で相殺するというなんとも頭の悪い修行である。
だが、この修行で基礎魔法が出来るようになったので文句は言えない。
「うわゎゎゎゎゎ!!!」
と叫び死にかけたら修行が終わる。
「ま、今日はこのくらいで終わりにするか。」
「あ、ありがとう。フェリー」
これで地獄(修行)が終わった。
「ところで貴方、来週テストなの知ってる?」
「テスト?知らんかった。まー余裕だろ。」
正直僕の成績はかなりいい。この世界の算数、理科、国語、地理、家庭科などは、前世にいた時よりかなりレベルが低く、算数なんか今割り算をしているくらいなんだ。
そのため順位は高いが、合計順位では平均的である。
なぜか?そう、魔法と社会が全力で足を引っ張っているのである。
魔法はあんな感じだし、社会は全くわからん。この国で有名な魔法使いや、掛け算を発見した人とか、まじで知らん。
「?何を言っているの?」
「ん?」
「魔法の実技テストに決まっているじゃない」
「俺、詰んだよね?」
「詰んだね。どんまい」
と言ってどっかに行ってしまった師匠であった。
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テスト当日僕はどうすればいいかずっと考えていた。
辿りついた答えは、僕の実力では無理ということ。そこでズルをしようと思う。
ここで、皆んなには内緒だが得意な魔法がある。
身体強化魔法だ。これは、自分の体力、反射神経、動体視力などをアップすることができる。しかし、身体強化魔法というものはこの世界には存在しないらしい。そのため、面倒ごとにならないように隠すつもりだ。(てか、なんでこれが使えるかというと、フェリーとの修行で自分の命を守るために咄嗟に出来るようになった。そのため師匠には頭が上がらない。)
まず、今日のテストは「防御魔法」のテスト。そのため、防御魔法の入った魔力玉を用意する。
これで準備は終わりだ。
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「これより、身体検査を始める」
と身体検査が始まった。これはズルをしないようにするためのものである。
そこで僕は、身体検査をしてきた瞬間、相手のポケットに高速で魔力玉を入れ、終わったらすぐに取り出し袖の中に隠すことに成功した。
そして僕の番。後ろにいるみんなは哀れみの目で俺を見ている。
が、そんな悲惨な事態にはならないだろう。
「よし、ジェイ!行くぞ!」
と言って大っきい火の玉が僕に向かって飛んできた。
(身体強化)
よし、3、2、、ここだ!
魔力玉の入っている袖を後ろに回し、後ろで魔力玉を手に取り、パリンッと手で割った。
その瞬間、僕の周りに防御魔法が展開され火の玉から身を守ることに成功した。
(よし!大成功!)
と思ったが体の後ろで割ったので、後ろにいたクラスメイト全員にズルを目撃されたのだった。
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「ほう?どうやら面白い方法で試験に合格したそうだな、ジェイくん」
「あはは、いやなんのこと?」
「惚けないで」と言って睨む
そこまでしなくても、と僕は今、センツに詰められている。
理由はあの件だ。
「みんなもおかしいと思うでしょ!」
と周りに共感を求める。
「私は面白い案だと思いましたけど、、、」
とカバーしてくれたのは、ジャンだ。
彼女は優しくいつも助けてくれる。
「俺もいいと思う。そもそも、身体検査をしたのに持っていたんだから悪いのは身体検査したけど気づかなかった試験官だろ。」
とタツヤもカバーしてくれた。
ルメイドは「ん〜〜〜。まー、いいんじゃね」
ミスカルは「いやいや、ズルはダメだろーが」
と許す派がジャン、タツヤ、ルメイドと3人
ズルはダメだろ派がセンツ、フェリー、ミスカルの3人
「3対3なら俺の表を入れて許す派の勝利だな!」
「黙って」とセンツに怒られた
「じゃあ、レールちゃんとか、どう思う?」
「「「「「「!!!!!!」」」」」」
まさかここでレールに聞くとは、、、というか顔をみんなした。
「そうね。私は、どうやって魔法玉を移動させたか知りたいわ。移動系の魔法を使った痕跡はなかった。どうやって移動させたの?教えて」
「いや、マジックのタネを聞かれて答えるマジシャンはいないぜ。」
とかっこよく言ってやった。
「そう。じゃあ反対」
3対4で負けた罰として1日だけフェリーのやっていた修行をセンツが修行することになった。
センツの氷魔法を防御魔法で守るという修行であり小さな傷が沢山増えた。でもフェリーの修行より命の危険はなかった。もしかしてセンツは優しいのか?と思った今日この頃であった。
「ふん。まーこれくらいにしてあげるわ。」
「あ、ありがとう、センツ」
「君もこんな大変な修行をした事がないでしょう。」
(ん?大変?もしかして凄く大変な修行だったのか?フェリーの修行で感覚がぶっ壊れたな。)
「うん。こんな大変な修行は初めてだったよー」
うん。ここは話を合わせておこう。
そう言ったら満足そうな顔で去って行った。
「さっきの修行を見ていたわ。あれが大変?」
「フェ、フェリー!どうしここに?!」
「空間移動魔法」
と素っ気なく答えた。
「俺もそれやりたい」
「無理、絶対無理」
「なんで2回も言ったの?」
「じゃあ、また明日ねと言って去っていってしまった。」
明日の修行は厳しくなりそうだ。と1人頭を抱えるのであった。
あけましておめでとうございます。
この話は初めてという事もあり長めに書かせていただきました。(私の中で)
そして、この物語を読んでくれた方々に感謝を申し上げます。
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