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5-2話 一撃
魔獣に収束した魔力が放たれ、少女にぎゅっと抱き着かれたとき。
私の中に、一つの感情が芽生えた。
無尽蔵に湧き出てくる魔力とは違って、それはごく小さな、けれどまっすぐにピンと伸びた、一本の糸のようなものだった。
感謝だ。
レアという人間に対する感謝。
この体をくれてありがとう。力をくれてありがとう。
おかげでこの少女を助けられる。
そして、かつて人間だった化け物を介錯できる。
目の前の命を助ける力をくれて、ありがとう。
私は魔力を剣に込める。
この無尽蔵の力を、たっぷりと。
今なら微かに感じ取れる、かつてのレアが体に刻んだ、動きの癖。
確証はないけれど、レアはこうしたはずだ。
一撃で、必ず殺す。
「今、終わらせてあげる」
もう再生なんてさせない。せめて苦しませないために、一撃で終わらせる。
そう決めて、私は剣を振りぬいた。
「通すべきただ一筋の理」




