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閑話 胸に7つの傷

 赤っぽい忍者装束を着た者が信長一行の前に突然現れる。

 これだけ忍者軍団がいたのに全くのノーマークだった。

 (あらわ)になった忍者の顔を見て、保豊が「心配なさらないで下さい。

 この者は甲賀流の『伊助』・・・」

 「・・・の弟『佐助』と申します。

 今は武田に仕えております。

 兄の『伊助』とは顔が瓜二つなので、よく間違えられます。

 しかし・・・兄貴は伊賀と通じて何をやっているんだ?

 またろくでもない事を考えているのか?」と赤い忍者。

 この男は甲賀流忍術の開祖『戸沢白雲斎』の弟子にして後の真田十勇士の筆頭『猿飛佐助』だ。

 赤は武田の目印のようなモノで武田の鎧は赤で統一されており『赤備え』と言われた。

 でも「忍者の衣装で赤はない」と後にピンクっぽい色に衣装が変更された。

 何でも迷彩服でもピンクはアリで野山に紛れると意外にも目立たないらしい。

 良くは知らないがガンゲイルオンラインでも言っていたしそうなのだろう。

 佐助は甲賀の里を抜けたのではない。

 伊助にハメられて、出ざるを得なくなったのだ。

 忍術、体術の才能に恵まれ、戸沢白雲斎に可愛がられていた佐助に対して伊助は劣等感を抱いていた。

 伊助は任務の最中、佐助を谷底に突き落とす。

 奇跡的に命をとりとめ、甲賀の里に帰った佐助は「自分が死んだ事になっている」のと「自分が乱心して伊助に襲いかかった事になっている」のを知った。

 甲賀の里に居場所を失った佐助は放浪の末、武田に仕官する。

 伊助は「佐助を嵌めた」までは良いが、あまりにも中身のない男だ。

 功を焦った伊助が手を出したのが『伊賀と甲賀のダブルスパイ』だ。

 そして伊賀に情報をリークする相手、というのが藤林長門守なのだ。

 藤林長門守は伊賀でも甲賀寄りの場所に本拠地を置いており「甲賀とも通じていた」と言われている。

 藤林長門守(以下保豊)は佐助を伊助と見間違えたのだ。

 「お前が伊助がうわ言のように言っている『兄より優れた弟などいない』の『弟』か」と道順。

 「ジャギかよ」思わず養観院は話に口を挟む。

 「女子供が口を挟むな!」と保豊が怒鳴るかと思いきや、「『じゃぎ』とは何者ですかな?」と保豊は愛想笑いしている。

 何なんだ、コイツは?

 子犬達を連れているようだが俺は騙されない。

 コイツらは狼だ。

 忍犬の狼版か?

 忍狼か?

 コイツは要注意だ!

 『伊賀三大上忍』の一人『藤林長門守』が愛想笑いしているのだ。

 大物でないはずがない!

 こうして養観院は勝手に武田の中で『織田信長』と並ぶ『最重要人物』に格上げされた。


 「して、その『佐助』が何の用だ?」と保豊。

 「は!武田の軍師『山本勘助』様より、藤林殿へ書状を預かってきました!」と佐助。

 保豊の表情が一瞬歪む。

 『何故ここに保豊がいる事をこの忍は掴んでいるのか?』

 しかし保豊とて上忍の端くれ。

 慌てた姿などはさらさない。


 「『山本寛斎』と知り合いなの?

 結構有名人じゃん!

 今度、サインもらっといてよ!」と養観院。

 「『寛斎』ではございません。

 『勘助』です」と保豊。

 「ふーん、友達なの?」と養観院。

 「・・・・どうでしょうか?」と保豊。

 かつて保豊は勘助と良い仲だった女を寝取った。

 それ以来二人は険悪なのだ。

 「で、書状には何て書いてあるの?」と養観院。

 「『今回の縁談、協力されたし』と。

 しかし(それがし)には決定権がありません。

 どう思われますか?」と保豊は養観院に聞く。

 「別に良いんじゃないの?

 力を貸してあげれば・・・。

 知り合いなんでしょ?」と大して興味がない養観院はテキトーに答えた。

 答えてしまった。

 「わかりました!

 全身全霊をもって、この縁談のお手伝いをさせていただきます!」と保豊。

 何気ない養観院の指示が原因でこの縁談が地獄のようなパニックに陥る事をまだ誰も知らない。

エクセルにまとめている『相関図』が矢印だらけで訳がわからなくなりそうです。

しかも伏線を回収するだけで数十話を費やして、話が先に進まなくなりそうです。

この度、少し相関図と伏線を整理整頓しました。

何をどうしたかはネタバレになるので細かくは言えませんが一つだけ。

『六角氏』関連のエピソードをバッサリカットしました。

最初から名前だけは出てきてたから「いつ出てくるんだろうか?」と思ってた方、申し訳ありません。

今後出てくる事はありません。

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