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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

チート系主人公を送った神や女神達は他にも頑張ってたんです

作者: 黒澤 白

「はーい、それじゃスキルとか体力とか普通よりも強い感じにしたの第二の人生楽しんでくださいねー」

 

 真っ白な空間でそう言った女神は目の前にいる人間を異世界へと転生させるのだった。


「ふう、さてと」


 人間を送り届けた女神はどこからか出現した電話を掛ける。


「あー、もしもし? ちゃんと送ったわよ、そっちが望んでた人間」


 女神は人間を送った異世界にいる女神に電話をする。


『送ったわよ、じゃないですよ!! 何ですか、あのステータス!? どう考えてもこっちの世界じゃ異常ですよ!!』


 電話の向こうにいる異世界の女神は困っていた。


「そんな事言われたって、そっちが送ってほしいって言ったんでしょ?」


『言いましたけど、あんなステータスにしなくても良いじゃないですか』


「あー、あれね、そっちの上司の神達結構困ってるでしょ?」


『困ってますよ、皆ヒイヒイ言ってあの人間が来た時の世界のバランスを調整するのに苦労してますよ』


「ちょっとした仕返しよ、そっちの上司達が寿命まで生きたら送ってやるって言ってるのに勝手に運命操作して事故とか起こして本来の寿命よりも早く死なせたからでしょ、そういうの困るって私達何度も言ってるのに聞く耳持たないからせめてもの仕返しよ、せいぜい上手い具合に調整するように頑張りなさい」


『だからと言ってここまでしなくても』


「ここまでってね、じゃあ聞くけどさ、こうやって異世界に転生させるために一番被害を受けるのって誰だと思う?」


『え?』


「答えはね、その人間の死の原因を作ってしまった人間よ、今回の場合は彼を死なせてしまったトラックの運転手よ、彼は常に安全運転を心掛けていた人間よ、それなのにアンタの上司達のせいで勝手に運命操作して事故を引き起こして、その後の運転手の人生がどうなるかわかってるの? その家族がどういう扱いをされるかわかってるの?」


『そ、それは』


 異世界の女神は言葉に詰まるが女神はおかまいなしにそのまま言葉を続ける。


「アンタ達の世界だけじゃないわ、アンタ達と似たような世界の神達は皆そうやって勝手に運命操作して欲しい人材を早く送ってもらうようにする、いい加減にこっちの上司の神達もそろそろ抗議するつもりよ、私達全ての神や女神を生み出した創世のお方にね」


『そ、そんな、困ります』


「困るじゃないわよ、アンタ達が我慢して待てばよかっただけでしょ? それなのに我慢できなかったのはアンタ達でしょ?」


『で、ですが、私達の世界も大変でどうにかするためにも早く人材が欲しくて』


「そんなのアンタ達の勝手でしょ? むしろその人材が来るまで持ちこたえさせるのがアンタ達、神や女神の腕の見せ所でしょ? それができないなら、そんな世界捨てなさい」


『そ、そんな』


「とにかく、こっちはお望みの人材を送ったわ、後はアンタ達がどうにかすれば良いでしょ? ハーレムにするなり富や名声を与えるなりしてバランスを保てば良いでしょ? 私はこれからやらなきゃいけない事があるから、じゃあね」


『あ、ちょっ』 


 異世界の女神が何か言い切る前に女神は電話を切る。


「さーてと、時間を無駄にしたわね、さっさと彼を死なせてしまったトラックの運転手の彼を助けないとね、えっと、異世界に送った彼はトラックの事故じゃなくて急な発作でそのまま死んでしまった事にしてトラックの運転手は、あ、ちょうど通った場所が森林とかがある場所だからそこから急に出て来た野生動物を轢いてしまった事にしておきましょうか、じゃあそのように世界の記憶を改変してっと、よしこれで完了っと、さてと次の調整もしないとね、今日も頑張りますか」


 神や女神も色々頑張ってるんです。


 

 

読んでいただきありがとうございます。


主人公達を事故で死なせてしまった人達、悪い人達はともかく良い人達はどうにか救われるべきだと思いました。

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