第9話
感想、ブクマ、評価よろしくお願いします。
「おい、いいじゃねえかよ、ちょっと俺らと遊んでくれるだけでよぉ」
「ちょっ、やめてよ! アンタらに興味ないから!」
「キヒヒヒヒ、なに? アニキに楯突くの? いいのかそんな舐めた態度とって!」
「俺ぁレベル24なんだぜ!」
レベル24だって!? と周りが騒つく。
まだサービス開始から間もないのもあって、PVPが出来るまでレベルが上がっている者は少ない。現状、レベルが20以上のプレイヤーはかなり死線を潜ってきたものと考えられる。
「だから、なんだってのよ!」
「お前に粘着して、ログインするのも嫌にさせることだって出来るんだよぉ!」
WROのPVPは、お互いの同意を得ずに始めることができる。
相手がレベル20以上であれば、奇襲することも可能だ。
そして、このゲームの仕様上、上位層に粘着なんてされたら延々と狩られ続けることになる、なんたってブロック機能なんてないからな。
やっぱりこのゲームのバランスというか、仕様はおかしいなと考えた。
これではプレイヤーが減るばかりではないか、と思うが、国内でこれほど完成度が高いフルダイブ型ゲームはいまのところ存在しないので、その心配もないのか。
とりあえず、いくらゲームとはいえ自分の職業柄困っている人を見捨てられない。
俺は席を立つと、渦中の輪の中に入っていった。