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第5話

感想、ブクマ、評価よろしくお願いします。

 

 スイッチをオン。ローラーダッシュモード。

 ペダルを踏み込んで、操縦桿を思い切り倒す。

 チェーンソーの轟きに似た音を奏でながら黒い巨人は物陰から躍り出た。モニタに表示される赤丸が敵機を捉える。ロックオン。

 操縦桿のボタンを押すと、こめかみに内蔵された機関砲が火を吹いた。重い音と同時に発射される30mmの弾丸がばら撒かれる。衝撃でコックピットが激しく揺れた。

 遅れてこちらに気が付いた敵機が銃撃を開始する。


「当たるかよっ!」


 こちらのローラーダッシュの機動性に相手の照準が追いついていないようで、明後日の方向に弾丸が飛んでいく。それはブラックバレットの機関砲も同じくだが、もとより命中1の射撃が当たるだなんて甘い考えは持っていない。これは牽制射である。NPCに有効なのかはわからないが、なんか、かっこいいだろう、ローラーダッシュで迫りながら頭部バルカンで攻撃って図が。勝ち負けとか、効率とかじゃなくて、ロマンを大事にしていきたいよね。


「距離は、50メートルもない! すぐだ!」


 機動性で翻弄し、時折岩山を盾にし、接近する。

 敵機は2機とも射撃による撃墜を諦めたようで、ライフルを捨てて警棒を両手持ちにする、判断が早い、やはり頭が良い。


 敵機の目前まで迫る、もうぶつかる距離だ。

 

 敵は縦に並んでこちらの攻撃に備える。

 

 こちらの射程距離に入った。鉄の杭が軋みながら後退、目の前の敵を打ち砕かんとしたとき、後ろに構えていた敵が跳躍、警棒を振り下ろしていた。そして、地に足つけるもう1機は突きの姿勢、二段構えの攻撃!

 

 2つの警棒がブラックバレットの顔面に直撃する──瞬間に、ブースターを全力展開、操縦桿を左に倒し、敵機の後ろに円を描くように回り込む、Gで意識が飛びかけた。目の前には無防備な敵の背中、空にはもう1機。確実に倒せる奴は、突きの構えをした敵だ。俺は、ブラックバレットは右腕を振りかぶり、背中──コックピットに辺る──に鉄杭を撃ち込んだ。


 爆発音と共に放たれた巨大な杭は見事に敵機の胴体を食い破り、活動を停止させた。屍となった敵機から杭を引き抜いた瞬間、着地したもう1機が反転、動かなくなった仲間を踏み台にして再度の攻撃を仕掛けてきた。


「踏み台にしただとぉ! って言うんだよな!」


 ギリギリ、あと少しで直撃コースといったタイミングでバックステップ。攻撃を避けると、急加速でぶつかりに行く、そしてそのまま左手に握り締めていた警棒で敵機の顔面を殴り倒した。メインカメラが粉砕して、精密機械が露わになっても、怯えというものが感じられない。さすがに感情というものはNPCに搭載されていないようで、それはちょっと残念に思った。それはそれとして。


「この一撃、受け取れ!」


 パイルバンカーの2射目が、敵機のコックピットに炸裂した。


 倒れ伏す2機を見下ろす。

 じんわりとした汗が今更額に浮かび上がってきた。

 そして、勝利の実感も──。


「ぃよっしゃあぁぁー! 勝ったー!」


 操縦桿から手を離してバンザイ、バンザイ、バンザイ。

 

 初実戦は大勝利だ、しかも損害無し。

 パーフェクトだ。

 喜びに浸っていると軽快な音楽が流れた。


 野党、レベル1 野党、レベル1 撃破。

 ジンロウ レベルアップ、レベルが2にあがりました。


 ステータスが上がると同時にスキルポイントも貰えた。

 といっても1ポイントだけだが。

 こちらも格闘に振る。レベルアップで上がった分も合わせていまの格闘値は15だ。


「こりゃ幸先がいいなぁ……っと、マップを確認しよう。安全地帯を探さねえと、って、ん?」


 喜んでる場合ではない。この場に居続けたらまた敵機に捕捉されてしまうだろう、とりあえず休める場所を探す為にマップを開いた。その瞬間である、僅かな揺れを覚えた、地震か、などと思っていると。


「え、え、え、ちょっ、待っ、ああぁああぁ!」


 突然地面が陥没し、俺とブラックバレットは奈落へと落ちていったのだ。

 

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