大珍獣ゲロラ
小さなカエルから大珍獣になってビルやマンションを壊してしまった大怪獣ゲロラのお話です。ちょっぴり悲しい話です。よろしくお願いします。
その生き物は日本の下水にいた。日本の下水の流れる川は汚かったがそのカエルは生き続けた。必死に生き続けた。ある日下水に見たことがない色の液体が流れてきた。カエルは危険を察知したものの大量に流れてきたので触れずに過ごすことが出来なかった。
東京2021年夏のある日新都心を巨大な怪獣が現れた。二本の足で立つその怪獣はカエルに似ていたのでゲロラと名付けられた。ビルやマンションをガッシガシと倒し戦車や戦闘機に囲まれながらゲロラは思った。
どうしてこうなったのか?今まで下水生活でご飯とかやっていたのに、ヒッソリやっていたのに何故こうなったのか?
ゲロラが通る度ビルやマンションが倒れる。人々は逃げ、ミサイルが撃たれる。ミサイルが当たってもそんな怪我はしない。ただゲロラはそんな人を殺したいわけでもないし物を壊したいわけでもない。出来れば昔のような下水でヒッソリする生活を送りたい。そうしている内にどうしてか海側に追い詰められていた。東京湾に追い詰められたゲロラ。海水に入ったことがないゲロラ。人々は早くこの怪獣が日本から出て行って欲しいと願う。
ゲロラは察したらしく、海水に倒れこんだ。バシャー!!海水に入るとおぼれた。カエルなのに淡水でないと泳げないのか?それとも巨大化がいけなかったのか?おぼれるゲロラ。早くいなくなってほしいと願う人々。日の落ちる夕日の中。ゲロラ騒動は終わった。