神の叡智を盗んだ少女
昔々、あるところに、とても好奇心旺盛な少女がおりました。少女は、ありとあらゆることに疑問を投げかけました。人々の髪色の違いや、身長、言語、歴史……少女には全てが疑問の種でした。
その好奇心から、少女にかかれば、秘密にしていることもいつの間にかすぐに暴かれてしまいます。
少女は好奇心のまま、ありとあらゆることを知りたがります。ある日、その衝動を抑えきれなかった少女は、村の人々が秘密にしている神の庵に忍び込み、神の秘宝を盗み出しました。少女にとってはそれが最も興味を引くものであったからです。しかし、そのことが神の怒りに触れました。
神は言いました、「その秘宝に触れてしまった以上、ここには置いてはおけぬ」
少女は、神の御技によって天上の世界から、異なる世界へと追放されてしまいます。それが少女に課された罰でありました。
しかし、少女は最後の最後まで自身が不幸とは思えませんでした。
たとえ天上の世界を追放されようと、頭を埋め尽くしていた疑問が全て解決したからです。
少女が盗み出した神の秘宝とは、神の叡智でありました。それは世界の一であり、同時に世界の全でありました。
少女を追放した神は我に返ったあと、同時に少女を哀れみました。神が哀れんだのは、少女が世界を追放されたことではありません。一人の少女がその秘宝によって失われたことを哀れんだのです。
果たして、秘宝を盗み出した少女がその後どうなったのかは、秘宝を盗まれた神には、分からないことでありました。
その好奇心から、少女にかかれば、秘密にしていることもいつの間にかすぐに暴かれてしまいます。
少女は好奇心のまま、ありとあらゆることを知りたがります。ある日、その衝動を抑えきれなかった少女は、村の人々が秘密にしている神の庵に忍び込み、神の秘宝を盗み出しました。少女にとってはそれが最も興味を引くものであったからです。しかし、そのことが神の怒りに触れました。
神は言いました、「その秘宝に触れてしまった以上、ここには置いてはおけぬ」
少女は、神の御技によって天上の世界から、異なる世界へと追放されてしまいます。それが少女に課された罰でありました。
しかし、少女は最後の最後まで自身が不幸とは思えませんでした。
たとえ天上の世界を追放されようと、頭を埋め尽くしていた疑問が全て解決したからです。
少女が盗み出した神の秘宝とは、神の叡智でありました。それは世界の一であり、同時に世界の全でありました。
少女を追放した神は我に返ったあと、同時に少女を哀れみました。神が哀れんだのは、少女が世界を追放されたことではありません。一人の少女がその秘宝によって失われたことを哀れんだのです。
果たして、秘宝を盗み出した少女がその後どうなったのかは、秘宝を盗まれた神には、分からないことでありました。
1話
2020/04/16 22:39
(改)