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悪魔のギター

作者: デューク ブラックマン

不定期投稿ながら過去に書いたものを投稿しとります

日曜日の昼下がりフリーマーケットが開かれている

そこに一際寂しくぽつんと老婆が店を開いているのが見える

大した商品もなく、ほぼガラクタ同然のようなものばかりであった。

そこに偶然一人の青年が通りかかった。 青年はめぼしい物がないかとフリーマーケットをうろついていて偶然老婆の店の前にやって来てシートの上に陳列されているものを眺めているのだがほとんどガラクタばかり、青年がふと奥に目をやると怪しい輝きを放つギターがケースにも入れられずシートの上に置かれている

『すいませんそのギター売り物ですか』と青年が老婆に尋ねると老婆はコクリと頷くだけだった

『お幾らでしょうか』と尋ねると老婆は、しゃがれた声で『あんたええ男やから1000円でええよ』と答えた。

青年は早速購入することに決め老婆に財布から1000円を取り出し支払った。

老婆からギターを受け取りよく見ると怪しげな輝きと美しさが一際鮮明に見えるのだった。

青年は、ギターを持ったままこれ以上フリーマーケットをうろつくこともなく自転車の荷台にギターを括りつけ自転車で、自宅のアパートへと帰っていった。

青年の名前は、橋立 崇、音楽専門学校に通っている21歳だ

将来の夢は、プロのギタリストになることで親の反対を押し切って上京して音楽専門学校に通いながらアパートで彼女と同棲している

ガチャッと自分の部屋のドアを開けるけ『ただいまー』と声をかけると奥から『たっちゃんお帰り』っていう声が聞こえる

声の主は崇の恋人で、この春から崇のアパートで同棲を始めている。

彼女の名前は、西本遥希、19歳、崇と同じ専門学校に通っている。

『ねぇはるはるいいもの見つけて来たよ』と先ほど老婆から買ったギターを遥希に見せた。遥希は、『たっちゃんこれどうしたのすごい綺麗』と目をキラキラさせながらギターを見つめている。

崇は先ほどふらりと寄ったフリーマーケットでこのギターを見つけ買ったことを遥希につたえた

『ねぇたっちゃん弾いてみてよそのギター』『たっちゃんのギター聞きたいなぁ』と目をキラキラさせながら甘えてくる遥希

『仕方ないなぁはるはる』『ちょっと待ってな』とギターをアンプに繋ぐコードを崇は持ちに行きアンプの電源を入れギターをアンプに繋ぎ弾き始めようとするが、全く音が出なかった。

『あれっ!?やっぱダメか』と崇が言うと『ええぇ残念、たっちゃんのギター聞きたかったのに』って遥希がむくれている

『あはは仕方ないよ、年代物のギターだし』と崇が言うと

『たっちゃんのバカっもういい』と遥希はすねてしまったようだ。

『はるはる楽器屋さん行ってこのギターを直してもらおうよ、その帰りはるはるの大好きなスイーツのお店に行こうよ』と崇が言うと

『だからたっちゃん大好き』と遥希は崇に抱きついてきた。

崇の一言で遥希の機嫌は直ったようだ。

二人は、ギターをギターケースに入れアパートを出て行く

『ねぇたっちゃん二人でのお出かけって楽しいね』と遥希は上機嫌で崇に話しかけている。崇もまんざらではない様子だった。

住宅街を抜け、しばらく歩くと、駅前にたどり着いた。

『はるはるこの店だよ』と崇が指差す方向には、小さな古びた楽器店があった。

二人は、駅のそばにある小さな楽器店のなかへと入っていった

『こんにちは』と崇が声をかけると『いらっしゃい』とぼそっとぶっきらぼうに店主が答えた。 『たっちゃんなんか感じ悪くない』と遥希はは小さな声で崇に話しかけた。『大丈夫だよいつものことだからさ』と不安がる遥希をなだめるように崇は答えた。

『あのオヤジさんこのギターなんだけど音でないんだちょっと見てくれる』と崇がギターケースをカウンターの上に置く

店主は、『最近の若い奴は自分で直せるのいないからな、まったく』とぶつぶつ文句を言いながらギターケースを開けるとそこには、

古いギタがー現れた。それを見た店主が『これはまたすごいもんだ』

『グレッチのデュオジェットじゃないか』と興奮気味に話す。

『まあこれなら自分でできなくても仕方ないな』とぽつりといった

店主は、ギターを持ちながら『なあにーちゃん30分ぐらいで直りそうだどっかで時間つぶしてくるか』それとも『ここで待ってても構わんよ』といつになく上機嫌な声で店主は2人に言った。

主人は、手際よく部品を確認しゴソゴソと作業をしている

『あっこれだこれだ』と主人は原因を突き止めたようだ

しばらくすると主人は、アンプにギターを繋ぎ弾き始めた

アンプからはギターの素晴らしい音色が店内に響いた。

『よし直ったぞ』と店主は、崇に話しかけてきた。

『おいくらですか』と崇は、店主に尋ねたが店主は、『ずっと大事にするのか』と崇に尋ねた。

崇は『ずっと大事に使っていきます』と答えた

『そうか、ならお金はいらんよ』と店主はニッコリと笑った

『ありがとうございます』崇は店主に礼を言いギターをギターケースに入れ、遥希とともに店を後にした。

『たっちゃん良かったね』と遥希は、嬉しそうに崇に言った。

『そうだね、ほんとラッキーだったよ、はるはるのおかげかな』 

『用事も終わったしじゃあケーキ食べに行こうか』と崇は、遥希に言った。

ちょうど二人がいる所から国道を挟んだ反対側に目的の店はあったが、ここは車の通りが激しくそのまま国道を横断することが出来ない

二人は、大通りを歩道橋がある交差点の方へと歩いて行く

今日は、何を食べるとかマカロンが一番とか他愛もない話をしながら交差点に差し掛かった時だ。

『ガシャン』突然静かな周囲をつんざく衝撃音が響く

『ギイィーーーガシャン』という音とともに大きな何かが飛び込んできた 『危ない』と崇が叫び遥希を肩を押した

肩を押された遥希が『いったーい、たっちゃん何するの』と崇の方を見ると先ほどの事故の反動で跳ね返ってきた車が崇の身体を押し潰しているようだ。

『たっちゃん・・』と遥希がつぶやき、その状況に茫然自失している

遥希は、今起こった状況を飲み込めず立ち尽くしていた。

交通事故ということで、周りから続々とと人が現場に集まってきた

車の下敷きになっている崇の腕を遥希が見て泣き叫んでいる。

『たっ、たっちゃん・・・たっちゃんが・・死んじゃうよ』と

数分後けたたましいサイレンとともに救急車とレスキュー隊が現場に到着した。

レスキュー隊は手際よく崇の身体を車の下から救助出来たようだ。

崇は、担架に乗せられ救急車へと運ばれる 救急隊員が崇に声をかける『私の声が聞こえますか、どこが痛みますか』

遥希はすぐに崇のもとに駆け寄った。

『たっちゃんしっかりして』と声をかけると崇は、『怪我はないか』と弱々しい声で遥希に言った。『うん、大丈夫だよ、でもたっちゃんが』と言いかけた時、救急隊員がその言葉を遮った

『病院へすぐに搬送しないと危険な状態なのでお願いします』と

救急車が崇を乗せ、けたたましいサイレンとともに病院へと走りだす。

遥希は、警察から事故の詳細の事情を聞かれたあと、すぐに病院へとタクシーを走らせた。

病院に遥希が到着すると、崇は緊急手術中であった。

手術室からは、看護師が頻繁に出入りしていて、普通ではない状況のようであった。

待合室でうなだれ泣いている遥希がそこには居た

『どうしようたっちゃんが居なくなったら私・・』

と遥希がつぶやいている

突然手術室のランプが消え、担当のドクターが出てきた。

『ご家族の方ですか』とドクターは、遥希に声をかけて来た

『はい、恋人です』と遥希は答えた。

ドクターは、『手術はうまく行ったが、脳のダメージがひどいので、意識が戻るか解らないから覚悟しておいて下さい』と遥希に言った

警察が病院に来てドクターと何か話している

警官が、遥希に『これが現場にありましたのでお届けに来ました』

とギターケースを遥希に手渡した。

『ありがとうございます』と遥希は、警官にお礼を言うとギターケースをギュッと抱きしめた。

崇は、ベットに寝かされICUでいろいろな機械たちに繋がれている

機械で生かされているような無機質の感じが漂っていた。

看護師から、『一度家に帰って必要なものを持ってきて下さい』と入院の資料を手渡された。

遥希は資料に目を通して『はい、たっちゃん、いぇ崇のことをよろしくお願いします』と頭を下げた。

遥希は、ギターケースを胸に抱きタクシーでアパートへと戻った

『ただいま』と遥希は、静かな部屋に声をかけた

いつもの日常からは、考えれないような静けさが漂っている

灯りを付け部屋に入りギターケースをベットのそばに置き、

遥希は、病院から手渡された資料から必要なものを準備している

数分後、指示された物が揃った安心からか

昼間からの疲れがどっと遥希に押し寄せそのまま眠ってしまった。

夜中も過ぎた頃か、どこからともなくギターの音色が聞こえる

とても心地よい旋律だ

遥希は、その音で目を覚まし『たっちゃんなの』と声をかけるが返事はない

ギターを持つ黒い影のようなものしか見えない

『誰なの』と警戒しながら声をかけるが返事はない

ニヤッと笑った感じがその影から感じたあと強烈な睡魔に襲われ遥希はそのまま眠ってしまった。

朝になり遥希が目を覚ましたが、部屋には誰の姿もない

もちろん戸締まりはしっかりしている

悪い夢でも見たのかと遥希は思った。

ただ昨日と違うのはギターケースの中にあったはずのギターが窓辺に立て掛けてあったことくらいで、遥希は気付きもしなかった。 

遥希は、看護師から指示された荷物を持ち病院に向かった。

いまだ崇は病室のベットの上で意識を取り戻さずそのまま眠ったままだ。

一生懸命に遥希は、崇に語りかけているが崇が意識を取り戻すことはなかった。

それから数ヶ月が過ぎ、季節もうつり変わったがいまだ崇は眠ったままであった。ただ違うのはICUから一般病棟に移ったくらいである

献身的に、崇の世話をする遥希の姿が、周りからの涙を誘うのみである。

いつもの様に病院から遥希は、アパートへと帰り、崇の身の回りの世話に疲れてうとうとしているとどこからともなくギターを鳴らす音が聞こえてきた。

遥希は、『きっと夢なんだろうギター弾く人なんて居ないのに』って思ったのだが、はっきりきと聞こえる

窓際に黒い影のようなものがギターを持っているのが見える

目にはポッカリと空いた穴しか見えない

『怖い』遥希は、それしか頭には思い浮かばなかった

黒い影は静かな口調でしゃべりだした

声からすると男性のような低い声で優しくもありどこか怖さもあった

遥希はとても恐ろしくなり、がたがたと震えている

黒い影は、こう続けた黒い影は、こう遥希に問いかけた『私には3っの願いを何でも叶えることが出来るがどうするんだい』と

『私はこのギターに宿る精霊みたいなもんさ 私をを直してくれた私をを直してくれた礼をしたいと思ってね』と遥希に語りかける

『願いを言えば叶うよ』とささやきかける 『でも代価はいただくけどなクックックッ』と遥希に聞こえないようにつぶやいた

遥希は、恐怖のあまり何も答えれなかった。

黒い影は、『まあいい、願いが決まれば私を呼ぶといい』と言うと煙のように消えてしまった。

そして朝が訪れ遥希が目を覚ました。昨夜は、変な夢見たと思ってきっと私は疲れているんだろうと思った。

ふとあの影の男が座って居たところを見るとそこにはあのギターが置いてあった。朝日を浴びてキラキラと怪しい光を放っていた

遥希は、いつもの様に一人で朝食を食べていると突然、携帯が鳴った 着信画面を見ると病院からの電話だ

恐る恐る遥希は、電話にでると『もしもし西本さんの携帯でよろしいでしょうか 南原総合病院ですが 橋立さんの様態が悪化して今ICUへ移りましたのですぐにいらして下さい』遥希は、ただ『はい、すぐに向かいます』と答えただけだった

電話を終えると遥希は、簡単な身支度をし直ぐに病院へとタクシーを走らせた。タクシーの車内で遥希は、不安に押しつぶされそうで泣きたくなるのを必死にこらえていた。しばらくすると

運転手が『お客さん着きましたよ、料金は、970円です』と遥希に声をかけて来た。『あっ、はい じゃあこれで』と遥希は、運転手に1000円札を渡した 運転手は、『30円のお釣りです、ありがとうございました』

病院へ着くと遥希は、足早にICUへと向かった

看護師から状況の説明を受けると予断を許さない状況であった

別室に通されドクターから詳しい説明を受ける

ドクターは『西本さん、橋立さんの容態は悪化の一途であり覚悟だけはしておいて下さい』と伝えられ

遥希は、涙をこらえきれずその場で泣き崩れた

泣いている遥希に誰も慰めの言葉がかけれずにいた

廊下にある椅子にうなだれながら遥希は、ただ泣いているしか無かった

遥希は、『たっちゃん』とただ一言つぶやいた

そして威を決した様に立ち上がると急に駈け出した

そうあの怪しいあの黒い影の男の言葉を思い出したのだ

【願いを何でも叶えることが出来る】その言葉に今はすがるしか無いのだと

『北山3丁目のあづま荘までお願いします』と遥希は運転手に言った

タクシーを走らせアパートへと戻る遥希に迷いはなかった


『お客さん着きましたよ、料金は、970円です』と遥希に声をかけて来た。『あっ、はい じゃあこれで』と遥希は、運転手に1000円札を渡した 運転手は、『30円のお釣りです、ありがとうございました』

急いで階段を駆け上がり部屋のドアを開け中へと駆けこむ

『ねえ出てきて願いを言うわ』とギターに向かい会い叫んだ

『ふふふっ願いが決まったのかい』とあの男が煙のように現れた

男は『さあ言ってごらん』と優しい口調で遥希に問いかけた

遥希はこう答えた。『今世界中で私達のように病気や怪我で苦しんでいる人たちを助けて、みんなを治してあげて』と

黒い影の男は、『本当にそれでいいんだな』と言った

男は何やらぶつぶつと呪文のようなものを唱えている

『よしこれでおまえの願いはかなった』と言った

遥希は、『本当なのね』と男に尋ねた

影の男は『ならTVでもつけてみな』と遥希に言った

遥希は男の言うとおりTVをつけると緊急速報が流れていた。

そこには、そこでは病人やけが人の奇跡的な回復が大きく取りざされている 【現代における神の奇跡】とテロップもなされて大騒ぎになっているようだ

影の男は、『また願いがあれば私を呼ぶといい』と言うなり煙のように消えてしまった。

その直後、遥希の携帯が鳴った。

携帯に出ると『もしもしこちら南原総合病院です 西本さんの携帯でよろしいでしょうか 橋立さんの意識が回復しました。早くいらして下さい』 遥希は、『はい、直ぐに病院へ向かいます』と答え電話を切った。

大急ぎで病院へとタクシーを走らせ その車内で遥希は、崇が回復した嬉しさでいっぱいだったが、不安なのは、あの影の男の事だけだった。

そんなことを考えている間にタクシーは、病院へと到着した。

運転手が『お客さん着きましたよ、料金は、970円です』と遥希に声をかけて来た。『あっ、はい じゃあこれで』と遥希は、運転手に1000円札を渡した 運転手は、『30円のお釣りです、ありがとうございました』タクシーを降りた遥希は病院の中へと足早に進んだ

看護師が遥希の姿をみつけると『西本さん、良かったですね、橋立さん回復されたんですってね』とにこやかに声をかけて来た。

『お会いになられました、あっまだですか、じゃあ案内しますね』と遥希を崇の病室へと案内した。

『橋立さんの病室はこちらです』と教えられ遥希は看護師に『ありがとうございます』とお礼を言った

病室のドアに手をかけドキドキしながらドアを開けた

遥希がドアを開けるとそこにベットの上に座っている崇の姿があった。崇は『やあ、はるはる』と言った

『たっちゃん』と言うとベットの上に座っている崇に抱きついた

涙でぐしょぐしょになりながら『私、私・・』と抑え続けていた感情があふれてしまっているようだった。

崇は、遥希をギュッと抱きしめそっと頭をなで『ごめん、苦労かけたね』と言った。

「コンコン」ドアをノックする音が聞こえた

『はい、どうぞ』と崇が声をかけると『失礼致します』と看護師が病室へと入ってきた。

看護師は、『精密検査をして異常がなければ、退院して自宅療養出来ますよ』とのことだった。

それから5日後、病院の玄関の前に崇と遥希の姿が見える

看護師とドクターが見送りに出てきている 崇は、『色々とお世話になりました』と遥希と一緒に挨拶をしタクシーへと乗り込んだ

『北山3丁目のあづま荘までお願いします』と崇は運転手に言った

車内で二人は何気ない話をしていると

『お客さん着きましたよ、料金は、970円です』と崇に声をかけて来た。『あっ、はい じゃあこれで』と崇は、運転手に1000円札を渡した 運転手は、『30円のお釣りです、ありがとうございました』

二人はタクシーを降り部屋へと戻った。

部屋に戻るといつもの日常がそこにはあった。

崇にとっては、数カ月ぶりの我が家であった。

それから数日が過ぎ、二人にはいつもの日常が戻ってきた。

学校へ通う毎日が慌ただしく訪れ、充実した日々を過ごしていた。

偶然ギターの話になり同じクラスの谷口がそのギターをひと目みたいと崇のアパートへとやってきた。

『こんちわっ崇いるかぁ』と谷口がドアの外から声をかけると

カチャとドアが開き『谷口かまあ、入って入って』と崇は、谷口を部屋に招き入れた

この谷口という男、崇と同じクラスで楽器マニアで特に古いギターに異常に詳しいという

ほぼギターオタクと言ってもいいほどで

崇がフリーマーケットで買ったギターに興味津々で崇に必死に頼み込んでやっと見せてもらうこととなったのだ

谷口が部屋に通され、崇がこのギターだよとあのギターを手に取り谷口に渡そうとしたが、そのギターを見た瞬間、『崇、ちょっとコーヒー飲みに行こうぜ、奢るからな』と強引に喫茶店へと崇を連れ出した。

喫茶店に着くと『マスターホット2つね』と言って谷口は、テーブル席へと座る。『崇も座れよ』と谷口は崇に声をかける。

『ああ分かった』と席に着くが、あんなにギターを見たいとせがんせがんでいた谷口がひと目見ただけで、あっさりと他へ行こうなんておかしいと崇は思った。

『いいか崇、あのギターはヤバイぞ とにかくあれは相当ヤバイ曰く付きなんだ これを見てくれ』と谷口は、ある本を取り出した

悪魔が宿る恐怖のギターとそこには書かれており、崇が持っているギターと同じものが写真付きで掲載されている。

『まさか偶然だよ』と崇は言いかけたが、そこには【3つの願いが叶えられるが願い事を言った者には最後に破滅が訪れる】と書かれていた。

『もしかして』崇は真っ青な顔をしている

その本の続きには、【3つの願いが終わるまでギターを手放すことは出来ない、強引に引き離そうとするとさらなる悲劇が振りかかる】と書かれていた。

『遥希が願いを言ったのかもしれない』と崇は真っ青な顔をして谷口に言った。

『遥希が俺のために』と崇は、暗い顔をしていたが、『よし』と心を決めたような感じの声で席を立った。

谷口に崇は『決めたこれで終わりにしてやる、ありがとう谷口』と喫茶店を後にした。

アパートへと帰ると遥希が帰っていた

事情を遥希に話すと泣きながら『ごめんね、ごめんね、たっちゃん』と言った

『大丈夫だよ、はるはる、僕がいるから僕に任せて』と言うと

あのギターに向かって『願いを言ってやるから出てこいよ』と崇が言うと部屋の中が薄暗くなり、怪しい煙のようなものと共にあの影の男が現れた。

『ほう今日は二人か願いはなんだ』とぶっきらぼうに言い放った

『願いは世界中の人達に幸福を』と崇が言った。

男は何やらぶつぶつと呪文のようなものを唱えている

『よしこれでおまえの願いはかなった』と言った

『じゃあ最後の願いを言ってやる』と崇が言いかけると

あの影の男が、大笑いをしている。

『わはははっ本当に欲のない奴らだ、こんなに愉快なことがあったのか、最後の願いなんて言わなくて良い、こんな人間がまだいたとは愉快愉快、さらばだ、わはははっ』という声とともに、部屋が明るくなりあのギターは砂のように音もなく崩れて消えてしまった。

また平穏な日常が戻り、それから数年後二人は、たくさんの人々に祝福され結婚するのだった。






あまり怖くなかったと思います 駄文ですがお読みくださってありがとうございます

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