属性について
「さて、僕は君に知識を送る方法として一つ一つの魔法の解説をメインでやっていこうと思っているんだけど、その前に属性についての知識が必要だ。えーっと、リリールカと呼んでいいかな?」
世界樹に最も近いエルフの屋敷、その一室でエルフの魔法授業が始まった。リリールカレナリスは授業が楽しみだったようで、キラキラしたエフェクトを幻視するほどに目を輝かせていた。
「はい!属性っていうのは火属性とか水属性のことですよね?」
「そう、人型の種族や精霊、魔物なんかにも魔法を使うものはいるけど、種族にそれぞれの特徴があるように個体にも一人一人得意な魔法があるわけだ。その個性の一つの指標が得意属性なんだけど、リリールカは全部の属性が言えるかい?」
「火、水、風、土、氷、雷、光、闇、それから癒の9属性ですよね?」
「正解!流石は賢智の精霊、これくらいは朝飯前だね。じゃあ有利属性や不利属性ってわかるかな、例えば火属性の攻撃に対して有利な属性の順番は分かる?」
「火には水が一番いいってことはわかるけど…あとは分かりません…。」
「ふふっ、ちょっと意地悪だったね。正解は水>氷>風>土>火>光=闇>雷>>癒だよ。覚えて欲しいことは、癒属性は回復系の魔法が主で、属性のぶつかり合いでは攻撃、防御共に全属性に最も不利なこと、あとはリリールカの言う通り火には水が一番ってことだね。」
ティアは嬉しそうな顔で答えを言う。リリールカが答えられなかったことが嬉しかったようだ。
「有利、不利と別に属性の相性もあってね、属性の相性は複合魔法にも影響するんだ。例えば火と闇の複合魔法<ダークフレイム(普通のフレイムは明るいのに対して暗くて熱い)>と火と風の複合魔法<ファイアストーム>は同じ第位魔法だけど、火と闇は相性が悪くてね、簡単な第位魔法よりずっと発動難易度が高いんだ。とりあえず得意属性を見てみようか。<サイトスクリーン>」
ティアの魔法でテーブルに一つの画面が写し出される。その画面にはリリールカの属性適性が円グラフで写されていた。
「これが私の得意な属性…」
「リリールカはそこまで得意不得意が分かれていないみたいだね、得意属性は水と光と雷ってとこかな。逆に火と癒が不得意みたいだ。」
「一番は光属性みたいですね、ティア先生の得意属性は何ですか?」
「僕は雷と風が得意だよ、逆に土が苦手かな。」
「じゃあ雷は私と一緒ですね♪嬉しいですティア先生!」
(なんてキラキラした瞳だ!眩しすぎる!!)
ティアがそう思わずにはいられないほど、リリールカは得意属性が同じだったことが嬉しいようだった。そしてティアはそのあざとさに目を離せないでいた。
(まずい、このままではイーニアにばれて殺されるかもしれない)
ティアは契約精霊にして運命共同体のイーニアを思いだし、平常心をなんとか保っていた。
「あーーー…うん、そうだな、雷、一緒だな!何の話だっけ、そうそう相性だ!見た感じだと光と雷の複合魔法は簡単に覚えられそうだな、水と雷も相性は悪くないしオールラウンダーのアタッカーってところだ。」
「楽しそうです!光と雷で攻撃して水でサポートするんですね!」
「おお、属性の特徴も分かってるみたいだな。そのへんもおいおいやるとして、とりあえずそろそろ魔法を発動させてみようか!」
「やった!ティア先生、私の魔法見ててくださいね!」