女の子?
俺が死んだ?俺はじゃあ誰だ。
病室で自分の身体を観察したが紛れも無く由美の身体だ。
軽く身体を動かして見る。普段稽古でやっている空突き、空蹴り、型、柔軟体操、筋トレ、身体を動かしているとちょっと落ち着く。
俺の本来の肉体が死んでしまったならば、もう元へは戻れないだろう。
このまま由美の身体で生きていくのか?
由美の心は何処へ行った?まだ意識が戻らないという事なのか?
俺は由美の意識が戻るまで由美を守る!
そう心に誓った。
改めて身体を観察すると思った以上に華奢だ。骨が細い。指が細い。拳が柔らかい。こんな拳で人を殴ったら自分の手の骨が折れるだろう。
打撃で使えるのは掌低、掌打、肘、膝くらいか。
鏡の前でフィンガージャブの練習をしてみたがまぁ使えそうだ。
あとは投げ技と関節技か。
体重も少なく筋力も無い、技だけで由美を守れるかな。
俺は我に返った。格闘オタクの俺はこんな時にも戦闘のシュミレーションをしてしまう。
そうだ。こんな事をしてる場合じゃない。俺は病室の鏡の前に立ち服を全部脱いだ。パンツもだ!パンツもだ!
じっくりと観察した。おっきくなりそうだったが、棒は無かった。ちょっと濡れた。
いきなり看護婦が入って来た。
「あら、どうしたの?着替えたいのかしら?シャワー浴びたいのね。
もう一回服を着て頂戴。案内するわ。」
俺は冷や汗をかいていた。
次の日には退院出来た。
家に帰った。由美の家に。
幸い家族ぐるみの付き合いをしていたので、由美の家族への接仕方は分かっていた。でも由美の部屋に入った時はドキドキした。
その日はちょっとだけ女の子の部屋の探索で楽しんだ。
(由美ごめんなさい。でも遺伝子の命令だから)
次の日は俺の葬式だった。




