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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第二章:古代なロボと勇者な執事。ロマンだっ!
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33話:変形するロボの内部って割と空洞だけど強度が心配になるのは杞憂だよね?

 カリカリカリカリカリカリ。内職に内職を重ねて内職する。

 サクラちゃんと二人並んで内職ってなんだか夫婦みたいで素敵だなって!


「いやいや、魔王の姫さんと内職ってどうなのさ!?」

「落ち着け林檎。こ、これも必要なことだから?」


 夏凛ちゃん、庇ってくれるなら最後まで庇ってね!これ本当に重要なことしてるんだから!

 ここは走るトラクターの中、先ほど変形していたロボの一部だ!ミーティングルームみたいになっていて、こんな空間が確保できるのにどうやって変形していたのかってものすごく疑問だけど、事実変形で来ているのだからすごい話である。ロボだから仕方ない!ロボだからネ!


 領の境、魔王バアルの領と面する場所へ移動しながら準備を重ねる。そっち方面にバアルも射出したしね!どうせ生きてるだろうし、生きているなら自らが呼びよせていると言っていた魔蟲の軍勢と合流している筈。だからトラクターにみんなで乗り込んで大移動中だ。

 なんだか遠足みたいで楽しいな!俺とサクラちゃんは内職しながらだけど!

 うん、さっきも沢山木札を使ったから補充に補充なんだよ!桜の大樹の木札さんが十個切ってて大ピンチだからね!リリアの村の大木で何とするしかない。あの木も割とすごい霊樹だったからね!


「しかし、オウカ様は揺れるトラクターの中でよくそんな精密な魔方陣を描けますね?しかも、目隠しをされたままで。アタシなんて魔方陣刻むのに時間かかって、親父さんにいつも怒られてるくらいなのに」

「ふふ、昔からこれだけはしてきましたので。それにマネさん、この目隠しはある程度は透過して見えているんですよ?」


 とはいっても透けて見える程度。いつかは魔布なんて外して外で自由に晴れやかにデートしたいんだけどねー。勝利のカギは今回のMVPで後ろの椅子で眠っている玲君だ。あの眼鏡に似せて作れればあるいは、もしくは……?


「それにしてもこの服……どうにかならなかったのかい?い、以上に着心地がいいというか着ていないような着心地です、すごく落ち着かないんだが」


 顔を真っ赤にしてモジモジとサンスベリアさんが長い尻尾を落ち着きなくゆらゆら揺らしている。

 彼女がそういうのも無理はない。肉感的で蠱惑的な姫騎士とくっころ勇者で捕らえられていた皆々が着ているのは、ぴっちりとした薄手のスーツのようなものだった!エロ過ぎないかな!切れ込みも割ときわどいぞ!


「申し訳ありません、皆様。ですが、こちらのスーツはアラクネの糸で編まれた衣服よりも防護性、保温性に優れており、対魔法に対してもいかんなくその力を発揮できるものとなっております」

「くそう、性能がいいだけに否定できねぇ」


 サテラさんの言葉に涙目でサンスベリアさんが頭を抱えている。うん、なるべく見ないようにするからね!うっすらとこう、影が見えるくらい薄いみたいだからね!なんの影かは言わない、と言うか言ったらロベリアちゃんとサクラちゃんのジトがきそうだから言わないよ!


「お母様もそ、そんなに胸を張らないで……。あ、あぅ、年を、年を考えてください!」

「もう、失礼ねぇサラちゃんは。私はエルフなんだからまだまだこれからなんですっ!」


 サラさんはお母さんがなんだか嬉しそうに鏡でポーズを決めているのがよほど恥ずかしいらしい。ミラさんはルナエルフで一児の母とはいえ、見た目は二十代。褐色の肌は衰え知らずで向こうの世界のお姉さま(おばちゃん)方が嫉妬しちゃいそうなくらい美しい。あ、見てないです。見えただけだよ!本当だからね!


「真人さんに……ついて行って、本当に、良かった……です」

「初めて一緒に居て良かったって思えた気もしますね」


 うんん?苺ちゃんにロベリアちゃん?それはちょっとひどくないかな!俺の傍にいて楽しくなかったかな?ほら、蛇さんがにょろろって出て来たり、わんわんパラダイスの村とかあったし?


「た、楽しかった……?」

「楽しんでたの真人様だけです」


 お、おかしい!そんなバカな!二人を含めてみんな車であんなにきゃーきゃー叫んでたじゃないか!


「「あれは真人様の運転が荒過ぎたからです!!」」


 そうなの?ふふ、どうなのかな?二人纏めてオコだった。うん、ごめんね!ハンドル握ると自分を抑えられないんだよ!お豆腐屋さん的な血が騒いで?俺の実家は神社だけど!


「こない服着るくらいならもう少しあの魔王はんをきちんと警戒しておけば良かったんやけどなぁ」


 豊満な胸を隠すようにしながら椿さんは大きくため息をついた。うん、あの魔王は仕方ないかなって。色々調べた限りだと女性に対して抜群の精神感応の力を持っているみたいだからね!だから邪魔な男どもを殺して潰して弄んでいたんだよ!自分の傍には女を侍らせて、好きかってやっていた訳なんだよ!


「だからライガーを置いてったんだけど役に立たなかったんだよ!そこんところどうなのかな?前の席のライガーさんや?」

「黙秘権を行使します。ぐすん……」


 どうやら膝を抱えて泣いているらしい。まぁ反省してるんならいいか!


「なんというか不憫な……」

「あれでなんで気づかないんでしょう……」

「というか、アタシらと同じ服着たの見てたよな?」


 なんでかみんな首をかしげている。仲間外れかな?とりあえず首をかしげておこう!


『はずかし』


 ぽつりと、聞こえて振り向くと黒い肌のエルゥーシーちゃんが膝を抱えていた。みんなと同じくぴっちりスーツだ!なんだか白いスーツ着せられているせいでスクミズ着てる小学生みたいにみえ、あ、見てないです!見てないからね!


「やっぱり、ロリ……」「変態よね、だから……」「えへ……♪」「にゃ、私はそこまで胸が……」「で、でもまーくん私の胸位が好きだって」「まさか低身長巨乳が!?」「業がふけぇ……」「というか、この中でその条件に当てはまるのって」「あだす!?」


 ドワーフのマネちゃんが顔を真っ赤にして小さい体に似合わない大きな胸を隠した。うん、可愛いな!……はっ!?いや、ちがう、違うんだよ!この可愛いはわんことかにゃんことか見た時の可愛い何だよ!だからジトはやめて欲しいなって!うん、ありがとうございます!


「みな様、そろそろ量の境です。ご準備を」


 サテラさんの澄んだ声にみんなの顔が引き締まる。

すっごく遅くなりましたOTL

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