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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第二章:古代なロボと勇者な執事。ロマンだっ!
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30話:ロボのバルカンって軽く見られがちだけどどう考えてもヤバい代物だよね?

 私はまた夢をみる。


 高い所にはりつけにされた私の眼下にはまーくんがいて、見たことのないすっごく怒った顔をしている。

 うん、まーくんにあんな顔をさせるなんてかわいそうな人だなって私は思いました。だって、まーくんを怒らせちゃうと大変なことになっちゃうんですから。

 私はまーくんを応援したい、けど。頭が重くて眠気がすごい。

 うー、うん。まーくん、頑張れー!……ぐぅ。






 ……あれ、寝てるな。完全に寝てるよあの子!こちとらものすっごく心配してるのにサクラちゃん寝てるんだけど、どうなのかな!?


「恐らくは、あの魔王の魔力では大魔王の施した魔眼の封印を解くことができなかったのでしょう。だからああやって魔力回路の一つに組み込むために薬か何かで眠らせているのだと思われます」


 なるほど、流石サラさんだ!つまりはロボの胸のところに飾られてる姫騎士のみんなと同じな訳だ。でもなんでライガーも飾られてるのかな?色のついた溶液に入れられてるみたいでいまいちよく見えないけど、なんだかエロスを感じる自分が怖いよ!ねぇ、どう思うかな玲君!


「は、発言に困るので僕に振らないでください!兎も角来ますよ!」

『殲滅――排除を!』


 鋼の腕からバルカンが出現し高速で回転し始める。一発一発が大砲並みの威力を持つバルカンってやばいよね!ロマンだよ!はっまさかビームバルカン!?格好いいな!


「いいから逃げましょう!!」

「あんなのに勝てるわけ無いです!」

「に、にげ……」


 うん、ごめんねみんな。ここに来た時点で退路は無いんだ。ほら開いた隔壁も閉まっていくし?あれを倒すしかここを出る手段はない。水蛇さん連れてきてたのにいつの間にか排水されてたよ!防水も完璧だな!こ、困った!


『サテラ、遠慮はいりませんあの男を狙いなさい。姫騎士が生き残れば貴女の装置に追加で組み入れてあげましょう!』


 うん、趣味の悪いこと言うねあのヒゲおっさん!とりあえず、走って走るよ!玲君は俺が運ぶから各自散開!

「待って真人さん!真人さんと一緒だと一番狙われ、うわあああああああ!!???」


 玲君を背負って全力ダッシュ!風を纏って鋼鉄の雨嵐を避けて躱してくぐって抜ける!天井も走ってついでにカメラも潰してもらう、一石二鳥だな!


「んぉああああああ!!まなとさん、だめ、らめえええ!」


 なんだか男の子が出しちゃだめな声を出してるけど気にしてられない、本当にやばいよあの銃弾!


『――エラー』


 だから、動きをどうにか止める。木札さんを潜り込ませて木を茂らせてジャムらせる!な、何とか止まったよ!


『異物を確認。排除……不可。パーツの浸食を確認、パージします』


 けれどもパーツを即座に外される!ふはは、片腕は頂いた……新しいパーツがすぐに出てくるんですね!知ってた!


 ――だから喚ぶ。


「さぁ、来い!出番だ、聖剣ジ・アンサー!!」


 ……あれ?来ないなー。もーしもーし、もしもし?……電波が通じてないか、電源が入ってない……ここ結界張られてるよ!一番重要なときに来てくれない聖剣さんってどうなのかな!ねぇ、どう思う!?


「そんなことより走ってください!また来ます!わあああ!また回り出したぁ!!」


 仕方ないからダッシュでダッシュ!走って走って走り抜ける!玲君背負いながらだから大変だな!


「頑張ってください真人様!あとこっちに来ないでくださいね!」

「来たらぶっ飛ばしますにゃ!」


 うぉん!完全に囮だこれ!攻撃が完全に俺らに集中してるよ!そうだね、男勇者二人なんて餌にもならないからね!困ったな!?


「よ、よし、やっと解析できた!真人さん、これから僕の力であのデカブツの動きを止めます!そうしたら、あそこの首の下あたりをぶっ飛ばしてそこに入ってください!」

「そうしたら、どうなる?」

「僕があの子のマスター権限をいったん解除します!そこで真人さんがマスター権限を奪ってください!」

「いやいや、そこは玲君がなるんじゃないのかな!っと、おうあ!危ないな!レーザーはダメだよ!レーザーは!」


 いつの間にか肩から生えたビーム砲がバルカンと一緒に俺らを狙う。うん、やばいな!固定砲台やってるけどマジヤバいよ!


「か、髪が焦げましたっ!というか、なんで避けれるんです!?」

「気合と根性よ!ほわちゃ!ほわぁあ!的な?そんで、マスターは玲君じゃダメなのかな!?」

「あの子はまだ抗っているんです!だから体をうまく動かすことができずにあんな風に立ったまま攻撃をしています」


 道理で攻撃が単調で読みやすいわけだ!それでも激しいんだけどね!うわああ!ミサイル追加して来たよ!?抗ってるよね!がんばれグルンガストさん!!お、ちょっと攻撃が緩くなったんだよ!


「そう、グルンガストさんを知ってる人じゃないと彼女をつなぎ留められないんです。ほとんど初めてお逢いする僕じゃ無理なんです!」

「うん、わかった!けどどうやってマスターになるのかな?」

「……そこは気合と、根性で?」

「あとは勇気で補うしかないのね!Gス〇ーンさんが欲しいな!」


 正面を見据えて一気に距離を詰める。銃弾とミサイルとレーザービームが熱いな!当たらなくても熱いんだよ!だから木札を切って盾を作る。


 第一の秘術/八咫鏡――


 全力の霊力で熱量と爆風を鏡で全てを受けて弾く!鏡だからビームは弾くんだよ!そういう事にしておこう!木札が燃え尽きそうで怖いよ!怖いな!


「真人さん、今です!」


 ガクンと、グルンガストさん機械の動きが止まりガクンと膝をついた。


「ナイスだ玲君!」


 ――影縫


 来る前に作っておいた緊急の木札をふんだんに使って巨大な影を一気に縛ってその木札の間を駆け抜ける。


「ためておいた分、全部返すよ!絶望がお前のゴールだあああああああああああ!!」


 熱量を木剣に込めて目標に向けて突き穿つ!


 第弐の秘術/叢雲の剣――


 思ったより熱量が吸収できなかったけど、ハッチをこじ開けるだけならこれで十分だ!


「そこです、その中に入って!」

「オーライ!」


 ひしゃげたハッチを蹴り上げてその中へと二人で躍り込む。お、意外と広いんだよ!


『馬鹿な!何をしている!サテラ!遊んでないでさっさと起動しなおせ!異物を排除しろ!』


 焦ったような髭のおっさんの声が外でこだまする。けれども影をも縛られた鋼の巨体はびくともしない。うん、内側はギシギシ言ってるけどね!怖いな!


「ぐ、ぅ、下ろして、ください」

「玲君……?って、め、目から血が」


 ふらりとよろけながらポッドに歩み寄る玲君の目からはだらだらと血が流れ出ている。む、無理しすぎじゃないかな!?


「無理無茶は最初から承知の、うえ、です!僕が、僕がやりたいことは勇者であること!あんな、外道な事をするため、に!生まれ変わったんじゃあない!だから、僕、はっ!あああ!ひら、けぇ!」


 プシュウと煙を放ちながらポッドが開かれる。中には首筋にケーブルに繋がれた少女――グルンガストさんがそこにいた。


「ま、ひと……さ……」


 彼女は涙を流しながら、俺を見ていた。手には銃。撃たれれば即死かな?やばいな!――だが、その震える手から銃は零れ落ちる。それは彼女の意志か、それとも――


「マスター権限、停止。一時削、除っ!が、あ!真人さん!は、早く!もう、僕が、もた……な!」


 いやいやいや、そ、そうは言われてもね!権限を奪うだなんてどうすればいいのかな?こ、こういう時はい、一体――。


「ごめん、な、さ――」

「え?」


 油断したその一瞬。気配無くサテラさんが動き――俺は唇を奪われた。



 う、浮気じゃないよ!?違うからね!!

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