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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第二章:古代なロボと勇者な執事。ロマンだっ!
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24:黒猫は凶兆の印というけどひと昔前の日本だと幸運の象徴だったよね?

 鋭く研ぎ澄まされた刃が煌きを放ち、俊敏性と柔軟性を生かした攻撃が俺の首を掠める。

 切れてなぁい!というか当たったらたぶん即死の毒が塗られてるんだよ!塗ってるって話してたはずだし!当たってない当たったら死んじゃうから当たれないよ!


「にゃ、すばしっこい!なら――」


 クロエさんは素早く転身し、狙いを変える。凶刃の先は、ロベリアちゃんだ!


「なるほど、騎士隊ではない私を狙うのはとてもいい判断だと思います。きっと真人様なら私を庇うでしょう。ですが」

「な、にが……!?」


 唐突に動けなくなったクロエさんがどさりと地に伏せる。


 ――影縫。霊力を込めた刃は影と心を縛り、その動きを完全に封じ込める忍術だ。うん、忍術というか霊力使ってるから巫術だけど、忍術として伝わってるから忍術さんなんだよ!にんにん?


「真人様に背を向けるとそうなるのは分かり切ってるじゃないですか。操られているのでしょうが、流石に判断力がダメダメさんです」


 やれやれだぜとばかりにロベリアちゃんが首を振る。うん、なんだか格好良く言ってるけど頑張ったの俺だからね!ねぇ、ほめて?ほめてくれないかな!えへ!


「きもいです。そんなことより、早くクロエさんの催眠を解いてあげてください。自害の催眠なんてかけられていたらたまりませんから」

「うん、確かにその通り!そういう訳で……あ、まった。あー、これ一番いやな奴だ」


 クロエさんに縄を掛けつつ彼女の目を見る。うん、これは催眠というか洗脳だ。詰まる所、魔術とか催眠とか超えて、完全に盲目的にあの魔王にしたがっているみたいなんだよ。


「では、まさか最初からあの魔王の手下だったと……?」

「さぁてね?催眠を掛けられている感じはあるからとっかかりは催眠なんだろうけど、重ね掛けに重ねられてるから解いたらどうなるかが怖いなって?」


 下手すると幼児に退化するか、最悪廃人なんだよ!こ、困ることしてくれるなあの魔王!


「じゃあ……どう、するの?」

「仕方ないから俺が催眠をかける。退行催眠して、あの魔王が洗脳したところから上書きするんだよ。あれ、俺の方が悪人っぽい?ぐふふ、俺が君のご主人様になるのだ!うん、ジトらないで!そうしないとクロエさん助けられないからね!」


 本当の本当に不本意なんだからね!ここまでやられていると言う事は、サクラちゃんの姫騎士になる前、つまりライおっさんの奥さんのところにいた頃、もしくはその前から洗脳されていたことになるんだから!

 ここで再洗脳という処置を施しておかないと、催眠とか洗脳を解く以前に処刑されかねないんだよ!

 たぶんというか恐らくというか間違いなく、クロエさんは諜報に使われていたはずだからね!

 そういうわけで犬のお姉さん、部屋を借りてもいいかな?グルンガストさんの情報ももしかしたら持ってるかもしれないしね!


「わ、わかりました。では、私の家をお使いください。おばば様の部屋なら大きなベッドがありますし」

「そういう事なら借りるんだよ」

「では、私はクロエさんに変なことしないか監視しますので、ついていきます」

「わた……しも」


 あ、あれれ?サラさん以外くるの?信用無いな!


「私はライガに連絡を取ります。もしかすると向こうにも動きがあったかもしれませんし」

「ん、頼むよ。流石にサクラちゃんに手を出す馬鹿じゃないと信じたい……信じたいなぁ!」


 ここまで来ると希望的観測なんだよ!操ったとはいえ、クロエさんはグルンガストさんに攻撃を仕掛けている。つまりはあの魔王は大魔王であるグリムに反旗を翻す気があると言う事なんだよ!そうすなるとサクラちゃんに手を出さないという選択肢が消える。というか手を出さないわけが無いんだよ!護ってくれると信じてるからな、ライガー。何かあったらぶん殴る!


「そういうわけで」

「あっ――」


 ぱちんと指を鳴らしてクロエさんの意識を落とす。はぁ、気乗りしないなぁ。催眠で洗脳して操るなんてしたくないんだよ。だから、再構成をしていくしかない。今日中になんとかできればいいかなぁ……。


「じゃあ僕はグルンガストさんの残骸を少し見せてもらいますね。ちょっとだけ、気になることがあるので」

「ん、頼むよ玲君。俺ってば機械は本当に苦手だからね」


 解析ができる玲君は期待の新人さんだよ!このまま俺の左腕さんになってくれればうれしいなって!

 ああ、ちなみに右腕はロベリアちゃんだからね!


「当然です!私が一番最初に真人様にお仕えしたのですから!」


 えっへんと、ロベリアちゃんが小さい胸を張る。うん、可愛いな!


「ぶー。私も……おつかえ、してるのに」


 しかし苺ちゃんは不満顔だ。うん、苺ちゃんの場合は夏凛ちゃんと林檎ちゃんで俺の三勇者さんだから別枠だからね!秘書的位置はロベリアちゃんかなって?


「ん、それなら……いい」


 いいらしい!苺ちゃんも可愛いなぁ!


「なんというか本当にタラシですね、貴方」


 サラさんがジト目でこっちを見てる。違うよ?タラシじゃないよ?俺はサクラちゃん一筋の純情な男子高校生さんだからね!浮気なんてこれっぽっちもしてないんだよ!し、してないからね!


 なんでみんなジトなのかな!?玲君もわんこのお姉さんもジトだ!おかしいな!?

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