表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第二章:古代なロボと勇者な執事。ロマンだっ!
81/554

18話:コストを下げるだけで利益があがるんなら会社経営なんて簡単だよね?

 ガタガタと馬車に揺られて私たちは鉱山への視察へと向かう。

 まーくんは書類との格闘だーと言って書斎に行ってしまって今日も又一緒に居られない。そのお仕事のあと他の鉱山や村々を巡ってくるって言ってたけど、それなら一緒に私も行きたかったです。


「まぁ、流石にそれは難しいでしょうね。彼の木札でも遠隔ともなると動きが単調になってしまうようですし」

「いやいやミラ。あのレベルの術をほぼノーリスクでやるってすごくないか!?魔王を討ったっていうし、アタシも戦ってみてーなぁ」


 力強くサンスベリアさんが腕を振っている。うん、まーくんは強くって格好いいんです!あの日のまーくんはすごく格好良くて、それで、えへへ……♪



「まぁ、強いのはいいとして、普段の言動がなぁ」

「だれか翻訳してくれる人がいてくれればいいんですがね、そこのところ同じ異世界から来たお二人はどうなんですか?」

「いや、無理」

「うん、同じ国に住んでいたのは間違いないんだけど、何というか種族がちがう?」


 林檎と夏凛はこめかみを抑えてため息をついている。ううん、そこまでわかりづらいかなぁ?まーくんって結構素直だし、行ってることも大体わかりますよ?


「え?」「は?」「な、なぜ……」


 なんでかみんな驚いてます!おかしい、あんなにわかりやすいのに……。


「まぁ、オウカちゃんの惚気は置いとくとして、あの虫のおっさんの目的ってなんだろ?ここを支配したい―とかじゃなさそう、というか衰退させてるし」

「ううん、儲けたいだけじゃねーか、夏凛?工場はフル回転で動いててかなり儲かってるって話だったし」

「けれど、それだけじゃない気もするんだよなー。こう、小骨がのどに突き刺さってる気持ち悪い感じが……」


 そう、魔王バアル様には何かまだある。私にもそう感じられるのですが、それが何かがわからない。

 お金をあんなに稼いでいるのも、彼の眷属の魔物がこんなにもはびこっているのにも、なにか意味があるような……。


「そういえばグルンガスト様ってなんで今回ついて来てくれたんだろうな?てっきりアリステラ様かライオネル様が来るのだとばかりアタシは思っていたんだが」

「ううん、サンの言う通りボクも最初はそう思ってたし、ライオネル様もそうするって言っていたんだよ。だけど、行く直前になってグルンガスト様が一緒に行くって言いだしてね」


 そういえばグルンガストさんが急に一緒に行くって言いだしたのでした。急に里帰りがしたくなったのでしょうか?


「もしくはあの魔王に呼び出された、とか?」

「どうだろ?でもだとしたらどういう要件だ?仮にも大魔王の四天王を呼び出すなんて相当の案件じゃねーと呼び出せないんじゃないか?ライガは分かるか?」

「ボクにわかるわけないだろ。ライオネル様だってわからなかったんだし」


 どうやら謎は謎のままらしい。グルンガストさんに直接聞きたいのだけど、今は護衛として空を飛んでいます。あとで聞こうにも外に出ればバアル様が常に隣。うう、どうにもタイミングが見つけられそうにありません。


「まぁ、何がともあれ、あの魔王が何をたくらもうとグルンガスト様がどうこうされるわけが無いんですけどね。火力だけで言えば四天王で一番ですし」

「そうそう、聞いた話だと空の更に上から光の柱が降り注ぐって話だし」

「大気圏外って、宇宙から!?た、倒せる気がしない……」


 そう、宇宙からなんです!数年前、宇宙来たー!とか言いながらお父様が空に飛びあがって撃ち落されていました。お父様は焦げ目がついただけで済んでいましたが、普通なら蒸発してしまうほどの威力でしょう。

 それほどの力を持っているグルンガスト様がどうしてバアル様に呼び出されたのでしょう?ううう、想像力が足りません……。イマジネーションが今こそ必要な時なのに!あ、ついたようです。ドアが開きまーす!




 鉱山の外、鉱夫さんたちはおらず、まーくんに聞いていた通り魔物たちがバアル様に付き従って鉱物を運び出していました。


「で、あるからにしてこの鉱山は私が開発に乗り出す以前に比べ、三倍の利益となっており……」


 流石に細かい作業は人がやっているようでしたが、バアル様曰く、危険な作業を魔物である彼らにやらせることにより危険性を排除し、作業効率アップとコストダウンを実現しているのだそうです。


 この話を聞いただけでは確かにその通り。

 魔物の鉱夫たちは効率もよく、野からエサを取ってくる彼らにコストはほぼかかりません。

 ……尤も、そのエサと言うのが近隣の村の人々や作物でなければよかったのですが、そうではないのでこの魔物たちの鉱山があるせいで我が領は大打撃を与えられている訳なんです。


「つまり!私がこの領を更に豊かにしているのです!ふふ、オウカ様のためにですぞ!私は――」


 ふふふ、笑顔。笑顔です私。まーくんが調査を終えてくるまでは頑張って笑顔で対応しておきましょう。

 工場も炭鉱も魔物だらけ。働く人々に笑顔はなく、意欲もなく、ただ作業を作業としてこなしていました。こんなの、すぐにでも改善すべきです。


 けれども、得体の知れない笑顔で話すこの魔王バアル様が何をしているのかを調べなければなりません。

 城の地下の魔石生成施設も気になりますし、本当にこの魔王、何をするつもりなんでしょう……。うぅぅ、私もいっしょに動けれたらまーくんと一緒に居られるのに。


 そもそも、この魔王さんが変なことしてなかったらいつも通りまーくんと一緒にイチャイチャできたんです!ぐぬぬ、そう考えるとおなかの中がふつふつしてきました。絶対に、許しません!

遅くなりましたOTL

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ