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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第二章:古代なロボと勇者な執事。ロマンだっ!
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12話:お部屋が汚い部屋だと黒くて光るアレが沢山隠れてるよね?

 三つの月が空に昇る。星々は瞬き、美しい城壁を幻想的に輝かせていた。


 そういう訳でお城に戻ってきたんだよ!

 うん、警備してた人がびっくりしてたよ!そりゃあそうだよね!中にいると思ってる人がいつの間にか外にいるんだし?首が飛んじゃうかな?減俸かな?まぁ、物理的に首が飛んでも、残念ながらヒゲおっさんの部下だからあんまり心が痛まないんだよ。


「しかし、そうなると次から警備がきつくなる可能性がありますね」

「そうだろうね。お仕事の量を増やしてきっと俺を執務室から動かさないようにしてくるんじゃないかな?書類を山盛りに盛りに盛って、天空チョモランマ盛り的に持ってくると予想してるよ!」


 まぁ、サラさんやクロエさんに苺ちゃんがいてくれればどれだけお仕事が来てもサクッとこなせるかなって!ロベリアちゃん?ロベリアちゃんは癒しなんだよ!いてくれるだけで俺の効率がぐぐんと上がるんだよ?


「ロベリア、苺。こいつにあんまり近づいちゃダメだからな?」

「うん、変質者さんだからね?嫌な事されたらすぐに林檎お姉さんに言うのよ?」


 だから違うんだよ、林檎ちゃんに夏凛ちゃん!俺はロリコンさんじゃないの!ただ可愛いから愛でてるだけなの!ふーひょーひがいだよ!ふーひょーひがい!!俺はサクラちゃん一筋なの!


「もう、マー君ったら!」

「ふふふ、ほんま真人はんとオウカ姫はんはラブラブなんやなぁ」


 てれてれするサクラちゃんを眺めながら椿さんがはんなりとほほ笑んでいる。うんうん、ラブラブで熱々なんだよ!みんなに見せつけてあげたいくらいにね!


「それで、市内を回ってみてどうだったんだ?」

「お疲れライガー。まぁ、うん、綺麗になってるのは表通りだけで、あとは完全にボロボロのズタボロ?」


 そう、自分たちが必要になる上水以外の整備なんてこれっぽっちもされていなかったんだよ!下水はボロボロ、汚水垂れ流しで虫が大量に湧いていた。わらわらいたよ!わらわら!


「わ、わらわらか。う、うん、殺虫剤が欲しい所だが売ってるのか……?」

「ないだろうねー。あの虫もそうだけど」


 ポロリ、と俺の木札が当たって虫が転げ落ちる。ひゃぁ!ナイスヒットォ!


「ひぃ!?」「ひゃぁ!?」「きゃっ!」「にゃあ!?」


 可愛いくっころ三人勇者とライガーの悲鳴が上がる。いや、ライガー?虫くらい大丈夫だよね?


「う、うるさい!人には苦手なモノの一つや二つあるだろ!ボクは虫が駄目なの!」


 なんだか涙目だ!とりあえず死んだ虫をゴミ箱に捨てる。なむなむ?


「ともかくこの虫もそうだけど、この町にいる虫の全部はあの魔王の配下だと思っていいかなって。ほら、このちっこいのも魔石あったし?」

「ま、魔物!?」


 そう、虫型の魔物。だから、自分たちに心地いい環境のために人の環境をぶち壊している可能性もあるわけなんだよ。はた迷惑だな!


「じゃあ、自分たちの眷属の都合のいい環境づくりのために、こんな回りくどいことをしているってこと?」

「いや、それは違うよ。虫にとって都合のいい環境なんてお金かかってないし?」


 壊れていく街と引き換えにかなりのお金が浮いている筈。番所もないし、公共事業にもお金が回されていない。なのに工場はフル稼働して、原料の鋼材は無料の無償で鉱山から自分の配下のキラーアントが運んでいるんだよ!


「じゃあその資金はどこに流れてるんだ?」

「そこまでは何とも。完全に私腹を肥やすためなのか、あるいは何か目的があってのことか……」


 情報がまだまだ足りない。そういう訳で擦りあわせなんだよ?そっちは何か情報はあったかい?


「残念ながらあのおっさんの自慢話の与太話だったよ。やれ工場の生産性は上がっただの、やれ鉱山からとれる魔鋼の質がいいだの、数人勇者をとらえて苗床としているだのってね」

「げ、やっぱりいるのか」


 どおりで林檎ちゃんと夏凛ちゃんの様子が暗いわけだよ。苺ちゃんも加えて被害者さんだからね……。


「この城の地下にいるって話だし、どうにかしておかないと無限に湧き続ける」

「そっちもどうにかしておかないとだなー。けど、人の国との繋がりもあると考えるとこの苗床にされてる勇者って」

「罠に……かけられた……かも」


 つまるところ、いらない勇者の間引きだ。


「勇者は向こうの世界から来てるやつばかりだから。こっちの世界になじめない奴が割といやがるんだよ。やれ民主主義だのやれ農業改革だのやれ産業革命だのな?革命を起こして国を潰そうとまでする奴もいるのも勇者だ。そんな国にとっていらない勇者は間引かれるんだろうよ」


 おお、夏凛ちゃんが頭のいいセリフを!


「馬鹿にすんな!まったく、まぁ、勉強はできなかったがこっちで生きてくために、情報くらいは集めてたんだよ」

「夏凛って人と打ち解けるのは得意だから、酒場とかで仲のいい友達をたくさん作ってたのよ。サンともすぐに打ち解けてたみたいだし」

「おうとも!アタシらはもうマブダチよ!」

アマダム(大魔王城)に帰ったら一緒に買い物に行く約束もしたしよ!」


 サンスベリア(虎娘)さんと夏凛ちゃんががっちりと腕を組んだ。本当に仲良さそうだよ!


「まぁ、一緒に行くのは私と、夏凛とサン、クロエにライガとなんだけどね。終わったらオウカのところでお茶会するつもりなの」


 へぇ、そうなんだ!仲が良くて大変よろしい!でも一ついいかな!なんでライガーもいっしょなのかな?俺ちょっと納得いかないというか仲間外れ感が半端ないよ!


「誰かさんが唐変木だから仲間外れなんだよ」

「そうそう、唐変木だからね」

「ねぇ、苺ちゃん。とーへんぼくってなんですか?」

「気が……きかない……人?」


 おかしいな!俺ってば気を配りまくって、配りに配って出血大サービスしてるんだよ!なのに、なんでライガーだけハーレム気取ってるのかな!おかしいよ!こんなの絶対おかしいよ!


「ハーレムて……」

「まだ、勘違いを……」

「ぷ、くす、ライガ。おまえ……」

「ぐす、いいよもう。こいつはこんなやつだから……」


 あれ?ライガーが黄昏てるよ!それなら代わりに俺が行くよ?ダメカナ?だめなのかー……。悲しいな!






「で、貴方は一緒に行かないの、サラ?」

「私はそういう浮いたことは……」

「ママ、貴方のそういう所ちょっと心配……」

「も、もう!いつまでも子ども扱いしないで!?」


 こっちはこっちで大変そうだった。ミラさんとサラさん、母娘仲いいな!

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