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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第二章:古代なロボと勇者な執事。ロマンだっ!
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6話:ポーカーフェイスって実のところただ真顔になるだけじゃダメなんだよね?

 前庭を抜けて噴水の前にある荘厳な扉の前で隊列がとまった。どうやらここが城の入り口らしい。

 トレーラーからおりて姫騎士の面々に先導してもらいながら扉を抜けて先に進む。うん、廊下も広いな!お掃除がとっても大変そうなんだよ!


 赤い絨毯の続く先、入り口からまっすぐに階段を上がったその先、身の丈を三倍ほども超える扉を抜けると、大広間にでる。

 魔王の間。つまるところ、サクラちゃんの本来いるべき玉座だ。そこに座っていた髭面のおっさんが恭しく立ち上がり、サクラちゃんの前で膝をついた。

 うん、恰幅がいいというかおデブさんだよ!周りにたくさんの美人のメイドさん侍らせて果物食べてやがった!

 自分の上司が視察に来てるのに余裕過ぎじゃないかな、このおっさん!


「これはこれはオウカ姫殿下、此度は長い旅路をよくぞ参られました。私めは兄弟分のバエルよりこの地の管理を任せられておりますバアル・G・ベルゼルブと申します。以後お見知りおきを」


 ヒゲおっさん(バアル)は玉座から立ち上がり膝をつく、とサクラちゃんの手袋に包まれた手をうやうやしく握った。

 ヒゲおっさん、無駄にニヤニヤしているよ!ニヤニヤしてやがるよ!


ふふ、殴っていいかな?だめ?だめなの?うん、どう考えてもこのおっさんが裏帳簿をちょろちょろさせてるおっさんなんだよ。こう、手早く素早くとっちめて、縛ってあいつの自国に叩き返してやりたいんだけど、まだダメらしい。グルンガストさんにも首を振られちゃったよ!


「バアル、大義でありました。不甲斐ない私に代わり、よくぞこの地を治めてくださいました」

「もったいなきお言葉。感謝のしようもございませぬ」


 ううん、胡散臭いよ!物凄く胡散臭いよこのおっさん!胡散臭いけど、今何もできないのが歯がゆいんだよ!というかサクラちゃんから早く手をどけて欲しいな?


「今回滞在される間に、この領がいかに発展しているかをお見せできればと思っております。ふふふ、どうぞお楽しみになされてください。しかしながら、まさか四天王であらせられるグルンガスト卿にお目にかかかれるとはこれまた光栄の極みでございます」

「私はオウカ姫様のお付きで来ただけですので。それにこの地は私の生まれの地でもありますので」


 それはちょっと初耳だ。グルンガストさんここで開発されたのかな?それともここに古代遺跡があるとか?どちらにせよ大規模施設というか秘密基地があるに決まってる!ふふふ、滞在の楽しみがやっと出て来たぞ!全部終わったらグルンガストさんに場所を教えてもらってレッツ観光だ!


 でもその前に。


「はじめまして、バアル様。私がオウカ姫お付きの執事となりました水無瀬真人と申します。つきましては今季における収支と諸領との交易の書類を拝見させていただいてもよろしいでしょうか?」

「ええ、もちろん構いません、真人殿。私めはあの場にはい合わせることはできなかったのですが、お噂はお聞きしております。なんでもかの岩石魔王や最速の魔竜王を破られたとか。ふふ、オウカ姫殿下のためにそのお力を存分に発揮召されることを願っております」

「お褒めにあずかり光栄でございます、バアル様。ですが、私めはまだまだ若輩者の身でありますので、オウカ姫との婚姻を認めて頂けるよう、身を粉にしてゆく次第でございます」


 ポーカーフェイスを装って歯ぎしりと上がりそうになる右腕を抑えながら息を吐くように言葉を並べる。うん、このおっさんと話してるんじゃなくて言葉を並べてるんだよ?会話したくないレベルでこのおっさんは嫌いだし?


「ねぇ、あれだれ?」

「真人だろ?……たぶん」

「流石……真人、さん……」

「猫かぶり」

「えへへ、まーくんカッコいい♪」


 うん、ボソボソ話しても俺には聞こえてるからね!そういうのは本人がいないところで話してほしいな!特にロベリアちゃん!猫は被ってないからね!にゃんにゃかにゃー!あと、サクラちゃん愛してる!


「それでは、メイドに執務室へご案内させましょう。これ、お前たち真人殿を執務室へ」


 ヒゲおっさん(バアル)が支持を出すとメイドさんが前に出てきた。うん、可愛い系のお姉さんだ!美人系のお姉さんもいるよ!二人ともスカートがかなり短めのメイド服だ!胸元も広めだよ!うんうん、眼福かな?眼福だよ!うん、お兄さんほいほいついて行っちゃうね!おっさんといるより絶対心が休まるし?けれども俺一人じゃ手が回らない上に、色々と諸々に目も届かないなので応援で増援だよ!


「じゃあ、ロベリアちゃんにはついてきてもらうとして。苺ちゃんとクロエさん、あとサラさんついてきて。あとは……。ライガー、頼んだ」

「はいはい、分かったよ。あと、クロエをプニプニとかするなよ?」


 んん?何のことかな?クロエさんの可愛い黒猫なお手々の肉球をプニプニなんてしないよ!プニプニなんてし、しないからね?したいけど?あれ?なんで姫騎士隊もあわせてみんなでジトなの!?おかしいな、信用無いぞ!


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