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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第二章:古代なロボと勇者な執事。ロマンだっ!
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2話:いつまでたっても子供のままって言われるけど少年の心って大事だよね?

「そういう訳で姫様と真人さんとお付きの方々はこちらで駅まで移動していただきます」


 荷物をまとめた所で城門前に待機してある車に案内された。

 でも、ねぇ、これトレーラーだよね?高級車っぽいけど、トレーラーだよね?大事なことだから二回言ったよ?これってもしかして武装変形とかしちゃうの!?グルンガストさんがマシンの一部になっちゃうとか!


「え?ええ、トレーラーと接続することは可能ですが……。一応人型に変形も」


 できるらしい。すごいな異世界!合体変形ロボが目の前にいるよ!勇者じゃない魔族四天王ロボだけど!格好いいならいいよね?


「内装はかなりすごいですね。大魔王城の客室と変わらないレベルじゃないですか?」


 ロベリアちゃんが興味津々に中を覗き込んでいる。

 確かに内装はすごいし、シャンデリアまであるよ!でもこれって駅までの移動用だよね?列車で行くって話だし?


「いえ、これに乗っていただければ問題ありません」

「んんん?トレーラーだよ?列車じゃないよグルンガストさん?……まさか合体!?このトレーラーが列車とも合体しちゃうのかな!?」


 それこそ本当に勇者なロボの合体を……。はっ!グレート合体!?グルンガストオーになってからのグルンガストキングとかに!?


「それはお楽しみで」


 ふふふ、とロボなのにグルンガストさんが笑ってる。何その反応!とても楽しみだぞー!異世界だし空中走ったり、きっと変形して攻撃し始めるんだよね!


「子供だな」

「子供だね」

「……かわ……いい」


 なんだかくっころ三人娘の目が生暖かいぞ!いいんだよ!男の子はね、格好いいものには目が無いんだから!




 普段よりも凛々しい服に身を包ませたライガーと姫騎士隊の面々が馬に乗って先導を行う。うん、一国のお姫様が自分の領に行くからこれくらいはって大魔王が張り切っちゃったんだけど、サクラちゃんトレーラーのお立ち台に出てくれないんだよ!で、なんで俺がでないといけないのかな!代わりかな?ふふ、手を振っても誰も興味なさそうなんだよ!だから仮面付けてクナイをお手玉したら大人気だった!子供たちの視線はくぎ付けさ!


「何やってるんですか、何を!」


 ロベリアちゃんに怒られた……。仕方ないじゃない!だって手を振るだけってつまらないんだよ?主役のサクラちゃんは下から出てこないし!


「主役なら私の目の前にいるじゃないですか」

「え?誰?誰もいないよ?ここのお立ち台にいるの俺とロベリアちゃんだけだよ?」

「だから目の前です」

「ああ、ロベリアちゃんか!」

「真人様です!オウカ姫様の婚約者にして勇者!先日の魔王様たちとの戦いはここの全市民が見てるんですから!」


 そういえば中継されてた!え、俺もしかして有名人だったの!さ、サイン考えないと……。


「そういう訳で、ちゃんと毅然として振舞ってください。ああ、クナイが駄目だからって剣を投げて遊ばないでください!槍もダメです!というかどこから出したんですか!?分身もしないで!」


 ふふ、ロベリアちゃん可愛いなー!隠れてなでなでするからジトらないで?あれ、オコだ?おかしーなー。


『おかしーなー。じゃない。真面目にやれよ』

「お、さっそく木札通信使ってくれてありがとうライガー!暇だからおしゃべりするの?」

『暇じゃない!お仕事中!お前も!お仕事中!』


 そうだったかな?きっと気のせいだ!なでなで。兎も角木札を使った風に音を乗せる通信は成功のようだ。木には精霊が宿るという日本古来からの伝説がある。その中で言葉としてよく使われるのは木霊だ。こだますると言う言葉は音が反響し帰ってくる言葉。つまり木の精霊には音を反響し伝える力があるんだよ!なんだってー!なんだってー!な、なんだってー!


『……普通に魔石通信機(携帯電話)で良くないか?中継基地さえあればどこでも通じるぞ?』

「そんなに高価なもの持ってないわ!というか、なんで持ってるんだライガ―!俺の方が立場が上とか言っておきながら俺よりお給料いいんじゃないかな!?」

『おおっと、ちょっと通信が乱れた!またな!』


 ……切られた。


 うう、おかしいな。俺この国でもかなり偉くなったって聞かされたよ!聞かされたけど部下だぞって言ったライガーより給料低いみたいだよ!どういう事かな!?


「そもそも働き始めて一月も立ってないのに、お給料もらえるわけないじゃないですか」


 ロベリアちゃんがジトだった。

 うん、それもそうだった!しかも前借したしね……。でもあの時は仕方なかったんだよ!明日のパンツが大ピンチだったんだから!下着は最低でも五枚は欲しいなって?それでもライガーの方が高い気がするんだよ!


「はいはい。そうですねー。兎も角駅に着きましたから木札を解いて私を放してください」

「なんだかはぐらかされた気がするけど、仕方ないなー。それじゃ下に戻るよー」


 ロベリアちゃんを抱きかかえてお立ち台のスイッチを押す。ああ、この操作感!まさに……ロボだ!


「あれ、放してください?ん?私を抱っこしてたのが真人様の本体!?な、何さぼってたんですか!」


 いーのいーの。お立ち台での人気取りよりロベリアちゃんを愛でるのが大事なんだから。サクラちゃんもそう言ってるし問題ない!


「も、問題あります!オウカ姫様も何とか言ってください!」

「やっぱり列車は横一列で五連結合体ですよ!」

「何を言ってるんですか!?」


 お立ち台が下りたところでロベリアちゃんのナイスなツッコミがさく裂した。さすがサクラちゃん!わかってるね!あとは巨大列車がターミナルに変形して沢山列車が止まった状態で合体変形しないと!


「なぁ、この二人が何言ってるかわかるか?」

「夏凛ちゃん。わからないのが普通だと思う」


 林檎ちゃんと夏凛ちゃんがやれやれしてる。ううん、異世界の恋人には通じるのに何で同じ世界の二人には通じないんだろう……?はっ!これがジェネレーションギャップ!?イマジネーションが足りてないのかな!おかしいな?まだ十代だから子供のはずなのになー、俺!

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