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序:始まりの物語とかタイトルにすると格好よさげだけどただのプロロークだよね?
発展しすぎた文明は死と同義である。
故に、文明と言うものは必ず滅びを迎え、リセットされる。
自然の摂理であり、この世の理であり、神と言う存在がおらずとも確定された未来だ。
だが、その確定された未来から零れ落ち、残ってしまった遺物はどうなってしまうのだろう?
朽ち果て、崩れ去り、オーパーツと言われて美術館に展示されるだけなのだろうか?
過去に取り残された私はどうすれば良い――?
また滅びゆくこの文明を眺め続ければいいのだろうか?
そうは思えない。そうは思わない。ううん、私はそう思いたくない。
崩れ落ちた故郷の残骸の前で私は立ち尽くす。
「なんだお前面白そうだな?」
ニヤリと屈強な角を生やした変な男が闇夜に浮かぶ三つの月をバックにマントをはためかせていた。
これが私が「私」としての始まりの記憶。
四天王サテラ・グルンガストとして心を得た記憶――。