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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
挿話:憂鬱な大魔王のお姫様とメイド祭りな勇者な執事
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挿話:憂鬱な大魔王のお姫様とメイド祭りな勇者な執事10

 サクラちゃんのとこからお家に帰ってきたらサクラちゃんが正座でロベリアちゃんがぐったりだった!アリステラさんまでいるし、え、なに?どゆことなの?


「うぅ、ぐす、ひぐ、違うんです。ただ、私、まーくんをびっくりさせようって」

「だからと言って、タペストリーに魔法陣を仕込んで部屋に侵入する馬鹿な子がどこにいますか!まったく、変なところでおと……大魔王様に似るんですから……」


 アリステラさんが頭を抱えている。え、何?あのタペストリーってそんな仕掛けがあったの!?


「はい、まーくんといつも一緒に居たくて、ゲート魔法を……」

「ものすごく……緻密に、作られた……魔法、陣です。上手く……絵に、隠し、ながら……描かれているの、で普通の人では、まず……気づ、けない……レベル、です」


 苺ちゃんが感心したようにリビングに広げられたタペストリーを解析している。ああ、お気に入りだから優しく扱ってね!色合いも描き方も本当に完璧なんだから!そんでもって、サクラちゃんからのプレゼントなんだからね!


「ぐす……怒らないんですか?わたし、ロベリアちゃんにひどいことしちゃいましたのに……」

「うん、それはロベリアちゃんが目が覚めたら、きちんと謝ってあげればいいんだよ。その点に関してはアリステラさんに怒られてるみたいだし俺からは言う事は無いかなって」

「でも、かってにまーくんのお部屋に……」


 ああ、そのことも怒られていたのね。でもそれは気にしなくてもいいんだよ?


「俺だっていつもサクラちゃんのところから帰るとき、もっと一緒に居られたらって思っていたし、この家に帰ったときにサクラちゃんがいてくれたらいいなって思っていたんだよ。だって恋人だよ?俺の一番好きな人だよ?お迎えしてくれて嬉しくないわけが無いじゃない。俺は嬉しい。というか嬉しかった。サクラちゃんありがとう」


 正座してるサクラちゃんをギュッと抱きしめる。ちょっとした悪戯心だったんだろうと思う。きっと俺が喜んでくれるんだって思ってやって、失敗した。ロベリアちゃんが部屋にいるなんて予想できないことが起きちゃったわけだ。うん、俺だったら喜んでたからね?きちゃった♪とか言われたらルパンダイブですよ!


「ふぇ、うぅ、ごめんなさい。ロベリアちゃんが気絶しちゃって、もうダメだって、わた、私、もうまーくんに嫌われたって……」

「はいはい、俺はサクラちゃんを嫌いになんてなりませんよ。悪いことだけした人はね普通逃げちゃったり隠したりしちゃうんだ。けれどサクラちゃんはきちんとロベリアちゃんを介抱してくれてた。ふふ、自分の部屋からお薬持って来たりして必死だったんだね」


 本当にサクラちゃんは良い子だ。ただ世間知らずな箱入り娘さんだからこんな失敗もある。うん、異世界の世間って俺も知らないんだけどね!異世界常識ってどんなんなの!そういえばお妾さんがどうのとか言ってた気がするけど、え?そういうのも普通なのかな?まぁ、俺そんなにモテないから関係ないかな?たぶん、きっと、恐らく、メイビー?俺の好感度さんはサクラちゃん以外は軒並みあんまり高くない気がするしね!


 なんでって?サクラちゃんをギュッと抱きしめてて、なでなでポンポンしてたら、なんだか周りの視線が痛いなって?ふふ、いいのさ。俺、サクラちゃんがいればいいし。ぐすん。


「兎も角、このタペストリーは没収です。もしくは魔法陣をつぶして使えなくしてしまいましょう」

「え、このままじゃダメなのかな?」

「また同じような事があれば困るのは貴方ですよ?」


 アリステラさんのジトだ!それを言われてしまうと困ってしまう。被害者は俺じゃなくてロベリアちゃん。俺がどんなに大丈夫だと言ってもそれで大丈夫にはならないと言う訳だ。


「……はぁ、話は全部聞きました」


 むくりとロベリアちゃんがソファから体を起こす。あ、やっぱり起きてたんだ。


「本当にごめんなさい」


 しめやかにサクラちゃんが正座の体勢から綺麗に土下座した。うん、俺がやってたの見てたから覚えちゃったのね!そこまでしなくていいんだよ!?


「あ、頭を起こしてくださいオウカ姫様!その、あまりの事にびっくりして気絶してしまった私が悪かったんですから!」

「いえ、私が悪いんです!まさかおし「わーわー!そこは言わないでください!」


 んん?何かなもしかしてロベリアちゃんもら……あ、いえ、何でもないですよ?聞こえてないです!あーいい天気だな!曇ってるけど!お、お月様どこかな?


「こ、コホン。兎も角、私はもう問題ありません。怖いって聞いてたオウカ姫様もこうしてみると優しいお姫様でしたし。それに寂しいって気持ちは私も痛いほどよく分かりますから」

「ロベリアちゃん……」


 ロベリアちゃんいい子だ……流石俺のロベリアちゃん!あ、いえ、調子に乗りました!ロリコンじゃないよ!何度も言うけどロリコンじゃないからね?だから林檎ちゃんに夏凛ちゃん、ジトらないで!ありがとうございます!


「でも、出てくるときは合図をお願いしますね?その、怖いのは苦手なので……」

「はい、ありがとうございます!今度お土産にお茶をお持ちしますね!」


 うんうん、どうやらロベリアちゃんとサクラちゃんは仲良くなってくれたみたいだ。くっころ三人娘もなんだかお話をしてみたそうにしてる。アリステラさんもなんだか嬉しそうだ!


 サクラちゃんはね本当に綺麗なお姫様なんだよ!見た目も綺麗なお姫様なんだけど中身もすっごく可愛いんだよ!自慢の恋人さんだよ!でも、ガールズトークに花咲かせるのもいいけど、俺だけ仲間外れは寂しいかなって?だから一緒に居るよ!……ダメカナ?いいらしい。いいんだ!

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