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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
挿話:憂鬱な大魔王のお姫様とメイド祭りな勇者な執事
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挿話:憂鬱な大魔王のお姫様とメイド祭りな勇者な執事4

 いたい。体のあちこちが痛い。ガタガタに痛い。すっごく痛い!

 プルプルとフルフルと手を震わせながらいつものようにまーくんとお茶をしながら勉強とお話をしていたらすっごく心配されてしまいました……。生まれたての小鹿さんみたいだけどどうしたのかなって言われちゃったんです。何でもないですって言いましたけど、何でもあります。木に登ったり土をいじるのとは違う筋肉をものすごく久しぶりに使ったせいか筋肉痛が痛いです!痛いので二回言いました!痛いんです!ぐすん。


「普段から動いて無いからです。木から落ちても大丈夫なのに何で筋肉痛になっているんです?」


 お仕事帰りのアリス姉さまが運動着な格好で呆れた顔だ。スパッツにTシャツを着て可愛い帽子をかぶってサングラスを付けてる。流石姉さま、こんな時でもおしゃれさんだ!あとね、怪我はすぐに治るけど筋肉痛さんは中々治ってくれないんです!不思議ですね……。


「明日も頑張りましょうね?」


 にっこりとアリス姉さまはなんでかご機嫌さんです。でもワンモアセットはもう無理無理なんです!お風呂に入って筋肉をほぐしたけれどもまだ痛いんです!きっと明日も……。


「明日から少しずつメニューを増やしていきます。お尻もキュッとなって真人さんに見られても安心ですよ?」

「待って姉さま。私垂れてない!お尻は垂れてないです!真人さんに見られても大丈夫です!」

「お腹もつまめなくなりますよ?太ももも細くなりますよ?」


 それはずるいです姉さま!そこは私が気にしてるところで……。でも、どうにか、どうにか楽に……楽に痩せれないんですか!


「無理です。それでやせても元の木阿弥。すぐに戻っちゃいます。なので体を動かすのを習慣になるまで私が付き合いますので、安心してくださいね?ふふ、久々に腕が鳴ります」

「姉さま、目がマジです。本気と書いてマジですよ!部下さんたちの訓練じゃないですからね!可愛い妹のダイエットですよ?」

「いい、サクラ。ダイエットは戦いなの。おなかにお肉が付いたら突かれるの。特にお父様に。まぁモーニングスターを頭にめり込ませますが」


 お父様頑丈ですからねー。めり込ませても治っちゃいますし。でも、優しくしてあげてくださいね?私たちのお父様なんですから!?


 お茶とまーくんが持ってきたお菓子をつまみながらお姉さまと談笑する。今日はまーくんは私の治めてる領のお仕事をやってくれていたそうだ。


「彼は優秀です。正直私の文官として欲しいくらいですね。要領は良いうえに分身して作業をこなして効率的にこなしていって仕事が正確ですから」


 どうやらすごいらしい。流石まーくん、私の大好きな恋人さんです!うん、自分の事じゃないのにすっごく嬉しい。えへへ……。


「にへらとしてますが、にやけてばかりもいられませんよ。彼が洗い出した事ですが、色々と不正が発覚しているんです」

「ふ、不正!?でもあそこはアリス姉さまが信頼できる方にお任せしてるって……」

「していたのだけどその後継の方が色々とアレだったのよ。バエルが信頼できるというからすっかり信じ込んでしまっていたのだけど。ごめんなさいサクラ」


 そう言って姉さまが頭を下げる。ううん、姉さまが謝ることじゃないです!悪いのはその後任の方なんですから!というか、私が全部お任せしていたのが悪いんです!


「ええ、そういう事。だからこれからは真人さんと二人三脚で頑張ってね?将来夫婦になりたいんでしょう?」

「夫婦……まーくんと」


 思わず顔が緩んでしまう。彼と毎日一緒でいつもどこでもずーっと一緒。なんて幸せで、なんて幸福で……。


「でもその前に色々と乗り越えないとね?まずはダイエット!」

「姉さま、なんでそこに戻るんですか!?」

「当たり前よ。体は資本!あなたは体をキッチリと作って、魔王らしくならないと。いつまでも大魔王の姫と言う立場のまま甘えてられないのよ?」


 痛い所を突かれてしまう。確かにその通りです。というかそのつもりでダイエットを進めて来てたんですね。

 これから、将来の事を考えると私は魔王にならなくてはなりません。真人さんは勇者で魔王にはなることはできない。だから私が魔王になって、実力をつけて、この目を使いこなして領を自分で治めれるようにならないといけない。


「どうにか制御できるようになれたらなぁ……」

「まずは恐れずに使えるようにならないといけないわね」


 姉さまが私の頭を撫でながらいう。


「まともにまだあなたの目を見られない私が言っても説得力がないのかもしれないけど、貴方の目は決して呪いなんかじゃないの。サクラを護る武器で盾。だから恐れず使ってみなさい。そうすればきっと貴女のモノになっていくでしょうから」


 そうであればと私も思う。思うけれどもどう使えばいいのだろう?

 支配と言うか気絶と威圧の私の魔眼。範囲は見える全て。私の目が見つめた瞬間に意志あるモノは全て狂気と混沌に心を堕とす。お父様曰くSAN値がガリガリされるんだとか言っていました。よくは分かりませんがあまりろくでもないような気がするのは間違いないでしょう。

 できればもう少し普通に過ごせるようになれたら……。そうすればまーくんと外でデートとかもできるのに。


「ああ、そうです。真人さんと言えば執事として正式に認めたので部下のメイド四人と一緒にここから見える社宅に住んでいただくことにしたから」

「へぇ、そうなんで……待ってください。四人、四人とですか?」


 四人と言えばアレだ。暗殺未遂でベロチューのロベリアちゃんと巨乳な勇者さんやスタイル抜群の勇者さんや、すっごくかわいい勇者ちゃんです。


 だらだらと背中に冷たいものが流し込まれる感覚を覚えます。イケナイ!これはいけません!


「焦っているのでしょうけれども、これは決定よ。彼女たちはもともと彼の部下でうちの管轄からは外れていたから寮にはそのままにはしていられなかったのよね。もちろんちゃんとお給料は出すのだけど、便宜上ね?」

「そそそ、それは、その、一つ屋根の下で!だ、男女が過ごすという事では!?」

「そうでしょうけど、四人とも彼のモノなのだし、問題ないでしょう?」


 わかって言ってる!絶対姉さまわかって言ってます!どどどどうしよう!本当にどうしましょう!助けてバスターズ!メイドな勇者さんを倒さ(バスターし)ないと私のハートがエマージェンシーなんです!

普段きちっとした格好のお姉さんがスポーツウェアとか着てると萌えるなって?

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