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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
挿話:憂鬱な大魔王のお姫様とメイド祭りな勇者な執事
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挿話:憂鬱な大魔王のお姫様とメイド祭りな勇者な執事2

 朝、いつも通り少し日が昇ったくらいの時間で起きて顔を洗う。


 まーくんの事を考えるようになってから少しでもきれいになりたいだなんて思うようになってきた私。

 流石に十六にもなって遅すぎたかなと思いますけど、恋をして変わるだなんて物語では良くあること。これからもっときれいになって、まーくんに可愛いって綺麗だよっていつも言ってもらえるようになりたい。


 うん、まーくんならいつでも言ってくれるけど、やっぱりそこで満足してはダメです。今で可愛いって言ってくれるんならもっと可愛くなって、綺麗になってまーくんにもっと好きになってもらわないと、あの可愛いくて美人でスタイルがすっごくいい勇者さんたちにまーくんを取られちゃうかもしれません!特にロベリアちゃんは要注意です。暗殺しに来たのにまーくんが助けてそこからべったりだって話なんですよ!どう考えても完全にぞっこんです。らぶらぶです!効いただけで頬がほころびそうになるほど仲が良すぎます!ま、まさかお膝に座ってなでなでとか、抱きしめられながら寝たりとかしてないですよね?してないですよね!してたら私もして欲しいです!さ、流石に恥ずかしくて言葉には出せませんが……。


「そういうわけでどう思いますか姉さま」

「急に呼び出すから何事かと思ったら……」


 姉さまが頭を抱えてる。うん、ごめんなさいアリス姉さま。私にとっては緊急事態のエマージェンシーなんです!デカさんがやってくるくらいエマージェンシーなんです!


「彼が貴方に惚れてくれているんだからそれでいいじゃない」

「よ、よくないです!いえ、いいんですけど。もっときれいになりたいって思いまして、姉さんは普段どんなことをされているんです?」

「そうね……。私は仕事が終わった後に体を動かしてその後は温泉に入ったりエステをプニカに頼んだりしてるわね」

「温泉は兎も角、え、えすて……?」

「マッサージみたいなものよ。彼女普段は洗濯場を任せているんだけど、時間があるときにエステを開いているのよ。それがとても上手くてね。全身マッサージから美顔までやってくれるの」


 ぜ、ぜんしん……?び、びがん……?姉さま、私全然わかりません……。


「はぁ……お父様が貴方に渡してた本は大体学術書かライトノベルか漫画だったものね……。少女漫画でも呼んでれば少しは違ったのでしょうけど」

「え、そんなマンガもあるんですか!?」

「……あるにはあるのだけど、刺激が強すぎるって避けていたのよね。というか、子供向けとか言っておきながら子供向けじゃないし、悪い影響とかありそうだったからね。あーでも、お父様とサクラが一緒に見てたテレビって大体が特撮かアニメくらいだったわね……。お父様、もっとこう、色々とサクラに見せてあげてれば……」


 アリス姉さまがまた頭を抱えています。でも、ここは重要です!エステ……う、受けてみたら美人になれるんですね!


「その前に貴女は普通の運動!」

「お、おなかをつつかないでください!あう、ひゃっ!く、くすぐったいです!」

「もう少し絞ればきれいなくびれになるのに。というか、運動しないでこれならちゃんと運動すれば割とすぐにもっときれいになれるわよ?」


 ガタリと椅子から立ち上がり姉さまに詰め寄る。運動は苦手だけれども、そうは言ってられないんです。まーくんのために!私のために!恋人さんが他に増えちゃう前に一手を打つんです!絶対増えますから!間違いなく増えちゃいますから!私はまーくんにもっときれいだって言ってもらうために運動とえすて?頑張ります!






「も、む、りぃ……」

「まだ庭園を二周走ったくらいじゃない!どれだけ体力ないのよ!」


 だって仕方ないじゃないですか!普段運動らしい運動なんて全然の全くしていないんですから!しているとしたらここの庭園の土いじりですし、こんなに走る事なんて小さいころ以来ですよ!?


「うん、私もお父様もお母さまも悪いですが、もっと体を動かさせておくべきでしたね……」


 姉さまが眼鏡を抑えてため息をついている。ふふ、姉さま、もう遅いんです。これからの事を考えましょう。そういうわけでですね、きゅ、きゅうけいとか……。


「ダメです。ほら、真人さんのためですよ。はい、あと3周」

「あーもう、ずるいですー。それいわれたら走るしかないじゃないですかー!」


 ひぃひぃと言いながら私は足をすすめる。姉さまにも魔眼が効いてしまうのでいつもの封印帯を付けて園内を走る。うぅ、汗で湿って冷たいよう!あ、目に汗が!汗が染みる!姉さまこれダメです!すっごくしみます!


「はいはい、がんばりなさーい」


 スパルタです!姉さま厳しい!うわーん!絶対きれいになるー!まーくん、わたしがんばるーあぶ!?……こけた。痛い……ぐすん。こんな情けない姿、まーくんに見せられないです。見てないですよね?見られてないですよね?はっ!お父様が絶対見てる!ど、どうにかして口をふさがないと……。乙女の危険が危ないです!!

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