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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
挿話:くっころ勇者さん達と勇者な執事
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挿話:くっころな勇者さん達と勇者な執事1

 面倒なことは投げるに限るが、今回ばかりはそうはいかない悲しみ。うん、奴隷な勇者さんをお迎えとか男子高校生さん的にアウトというかホームランと言うかいろんな意味で問題があるよね!


「く、殺せ……」


 目が合った瞬間に言われたよ!言われちゃったよさっそく!物凄く気の強そうなウェーブのかかった長い黒髪の女勇者A?がいう。メイド服を着せられてるけど、うん、ばくにゅーが……あ、見てないです。見てないからね!うん、ロベリアちゃんもジトはやめて欲しいかなって?ありがとうございます!

 通された応接室に並べられた勇者三人はちゃんと治療してもらえたのか、四肢はキレイに戻り、彼女たちの目にはきちんとした意思の光が見て取れた。うん、だからね?死んじゃだめだよ?


「命令……?」


 ぽわんとした栗毛で眼鏡のショートボブの子が言った。うーん、アリステラさヘルプなんだよ!命令しないとダメなのかな?というかなんで俺に命令権あるのかな!?


「当然です。貴方に先ほど主人権限を譲渡いたしましたので。岩石王に刻まれていた魔術紋に干渉して、施しましたので、真人さんが命じればどんなことでもさせることは可能となっております」

「んーなんでも?」

「なんでもです。刻印に命じれば肉体と精神に干渉に完全干渉が可能となります。彼女たちは既に堕ちた勇者……ですので」


 うん、とんでもないよ!何気なく受け取っちゃったけどやばいな!倫理的というかやばいよ!ロベリアちゃんどう思う?


「最低です」


 うん、ジトだった。違うんだ!そんなつもりは無かったんだ!うん、可愛いメイドさん増えたら嬉しいなとかちょっぴり考えちゃったけど!三人とも可愛いけどそうじゃないんだよ!


「それで、私たちのご主人はどうしたいんですか?あの岩の魔王を倒して私たちを助けては……くれたみたいですけど」


 後ろ髪をポニテにした茶髪っ娘がバリバリのババリバリッシュな警戒した顔でこっちをにらんでいる。ふふ、そんなにみてもお菓子くらいしか出せないよ?あめちゃんいる?甘露飴だけど?からころ?


「そうだなー、うん。お仕事を手伝ってほしいから、かな?」

「仕事だと?アタシたち勇者に大魔王の野郎の下で働けってことか!?」

「正確には俺のしただけどね?うん、手が足りないんだよ」


 うん、足りない無いんだよ!ライおっさんの奥さんのお手伝い部隊さんも帰っちゃったしね!

 魔王達も帰ってくれたけど、お仕事は盛りだくさんの山盛り小森なんだよ!

 龍のおっちゃんは俺が抜けてたせいで腰痛めちゃったから厨房は大わらわ!おば様(お姉さま)方も大わらわなのだ。ふふ、木札全部使っちゃってるから分身できる数も限られてくるからね!マジで人手が欲しいのよ!


「というわけで、料理のお手伝いとかして欲しいなって。というか料理できる?」

「馬鹿にするんじゃねえ!これでもなぁ、将来の夢はお嫁さんだったんだ!おめえに言われるまでもなく料理位できらぁ!」

「……できる」


 おお!AとCの子はできるって!これは頼もしい戦力だよ!


「いやいやいやいや!こう、もっとあるんじゃないの?!勇者だよ?割と強かったんだよ私たち!なのに、奴隷にされてやることが料理なの!?」

「あと洗濯とか裁縫?ああ、わからないところああるなら教えるからね?俺も一緒に働くし?」

「働くの!?働かせておいて左うちわさんじゃないの!?」


 く、なんていい突込みなんだ!磨けば輝いてくれるよこの子!でもね、そんなことしたら後ろのロベリアちゃんのジトがもっと怖いし、できないんだよ!というか、サクラちゃんの執事のお仕事も増えちゃったし部下?みたいな子がいてくれれば助かるなって?


「部下なんだ……」

「部下というか同僚?気軽に話してくれると嬉しいなって?」

「……あめおかわり?」


 あーはい、どうぞCちゃん?あ、ロベリアちゃんもね?どーぞ?


「アタシらが毒を仕込まねーとは限らねーだろ?」

「そこは信頼してるよ。今の自分の立場が分からないほど馬鹿じゃないって信じてるし、というかそんなことしてもみんな危ないというか、元の木阿弥?だからしないで欲しいなって?命は!大事に!」


 大事だよ!命は!うん、俺たち死んでも生き返っちゃうけど、それでも大事だからね?死ぬのしんどいんだからね!最近ほぼ毎日死んでるけど!!犯人はいつも一人!泣けるでぇ……グスン。


「はぁ……。なんか苦労してんな……」

「ちなみに昨日は岩石王を含め、単独で四名の魔王を打倒しております。強さだけで言えば四天王の方々に匹敵するのではないでしょうか?」


 アリスさん褒めてくれた!ちょっと嬉しいな!でもね、肝心なときにあの聖剣さん来てくれないんだよ?大魔王の間は圏外だったんだ……。Wi-Fi繋がってないよ!どうなってるの!


「そ、そんなに強い勇者がなんで大魔王の配下に……」

「配下になってはないけど。ここで働いてるよ?セーブポイント的なアレだったし?お姫様のサクラちゃんと恋人になっちゃったし?」

「セーブポイントここなの!?というか大魔王のお姫様の恋人ってそれもう魔王なんじゃないのかな!?」


 違うよ?勇者だよ?聖剣持ってるし!魔王もたくさん倒したし!大魔王には毎日挑んでるというか戦ってるよ!勝てる気が全然しなくて困るんだけど!


「まぁ、正直な話、大魔王だろうが勇者だろうが関係ないんだよ。自分が納得してこうしたいって思えることをやっていいんじゃないかな?神様が決めたことだろうがなんだろうが最後に決めるのは自分なんだし、俺達には第二の人生なんだから」

「第二の人生、ね。まぁその通りね。変に意地張って自殺なんてしても教会の連中のおもちゃ、下手すれば慰み者なのは確定なわけだし。諦めましょ、夏凛。ここで意地張っても何も特にはならないわよ?」


 勇者Bの子は聡明だな。うん、いい突込みだし?


「はぁ……。わーったよ林檎。だが、アタシらに何か変な事させようとするんじゃねーぞ?んなことしたら死んでやるんだからな!」

「……苺も死ぬの……や」


 うん、だいじょぶだいじょぶ。そんなことさせないからね。ここはホワイトだから!うん、大魔王城はホワイト企業だよ!俺だけなんかブラックな扱いだけど!おのれクライシス(大魔王)!!どうにかしてリボルケイン(聖剣)を持ち込まないと……。未来の自分は助けに来てくれなかったんだよ!悲しいな?

仕事場の休憩室で電波が届かない時の絶望感なんだよ……

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