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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第一章:大魔王の姫と勇者な執事?みたいな?
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4話:メイドにお仕事でどこまでしてもらえるのかって気になるよね?

 洗濯機、冷蔵庫、テレビ……。

 戦後の三種の神器と呼ばれた家電製品はこの世界では使う事はできない。

 電気無いしね!――とか考えていた時期が私にもありました。


「魔道洗濯機に魔導冷蔵庫に魔道テレビか……」

「魔獣の体内で生成される魔石を媒介に魔力をエネルギーとして使う事を可能としている家魔導製品ですが、元の世界にはなかったのですか?」


 かわいらしくロベリアちゃんが首をかしげる。可愛いなー。子犬みたい?


「あったけど、電気が無くても動くなんてことは無かったかなー」


 バッテリーが超小型のシェイバーとか便利だな!魔石に貯める魔力は自分もちだから使ったら疲れるみたいだけど!ちなみに大容量の冷蔵庫や洗濯機となると魔石自体を数回で使い捨てにしなければならないらしい。もったいないな!

 しかし、これだけ家導製品?があるんなら家事は捗りまくりのはず。……あれメイドさんいるの?


「必要です、というか見て来たではありませんか」


 ……うん、見てきた。全自動洗濯機ではなく全自動触手洗濯機を。にゅるにゅるのぬもぬも?ものすごい勢いで洗濯物を洗っていたのは触手を持った魔人さんだった!千手観音とか技名叫んでたぞ!


「あそこでは働けないかなぁ。あの速度に頑張れば追いつけるけどこう、後ろの穴がね?」

「???後ろの穴が何かは分かりませんが、まぁ確かに彼女の速さには普通は追い付けませんよね。……あれ?」


 あの触手さんって女の子だったのかー。顔までは見てなかったんだよ……。


「しかし、料理の腕はシェフがほめていましたが何かされていたんですか?」

「していた、というかせざるを得なかった?」


 ヨーロッパにパスポート一つで落とされたときに覚えたのだ。スペインからインド経由で中国まで大陸横断したぞ!こう、料理人の家を修行と言いながら渡り歩いてですね……。


「途方もなくどうでもいいですが、途方もなく馬鹿な事をさせられていたんですね」


 ジト目のロベリアちゃんもやっぱり可愛いなぁ!と、頭を撫でようと手を差し出したらジト力を上げて避けられてしまった。くぅ、まだまだ好感度が足りない!!


「まぁ、アレだよ。戦わなければ生き残れ無かったんだよ。こう、人生と?」

「余計わかりません」


 そうとしか説明できないんだから仕方ない。生き残ったら()()()()が来るんだよ?



 洗濯場に調理場、備品整備室を通り過ぎて室内整備のお仕事も体験していく。

 触手というか触腕というか、手のように使える部位が二つ以上あるのはステータスなのかな!

 でも、行くたびにキミって本当に人間?って言われるのは辛いんだよ。いやいやどこからどう見ても人間だよ?ただの……人間だ!と叫ばなければ分かってくれなさそうなのが不思議なところである。ね、どう見ても人間だよね?


「嘘ですね」

「ほんとだよ!?」


 ロベリアちゃんにも即答されてしまった。解せぬぅ……。


 最後にやって来たのは裏庭。庭師さんがやっているのかと思ったらスカートを履いた可愛いメイドさんたちが庭の整備をしていた。……そうかー植物の魔物さんを庭に植えてるから育てるのも一瞬なのかー。便利だ!?


「って、ん?……これって。んんん~~??」


 はらりと落ちてきた花びら、どこかで見たことのあるその花は――まごう事無き桜だった。でも、見上げてみると桜だけど桜じゃなかった。


――大樹。


 それもとんでもないほどの大樹だった。屋久島の杉の木をさらに倍の倍に大きくしたようなその大樹は大魔王城と少し離れた位置にある塔の上にめいっぱいの満開に咲き誇っていた。


「あー、木の根が張っているところを通っていなかったから気づけなかったのかー」


 そしてよくよくとみるとその木はに二階建てほどの家が立っており、その周りは庭園になっているようだ。なるほど、空中庭園とかこじゃれてるじゃあないか。


「……あそこには近づかない方がいいです。行けば数日動けなくなるか、運良ければ発狂して、下手をすれば死にます」


 ロベリアちゃんがさらりと言ったけど、とんでもない場所だなあそこ!?というかなんでそんなところが?……なんで周りのメイドさんみんな目をそらすのかなー。怖いよ?





「さて、本日は色んな場所をお手伝いしていただきましたが。皆さんの反応はすごく良かったです。明日からは遊撃隊としてキッチンから回っていただけると――」

「うんん?いやいや、俺の体は一つだからね?何かな、全部お手伝い?」

「お給料が、がっぽがぽですよ?」

「やりましょう!戦いにはお金が必要だ!」


 明日のパンツすらないからね!支給品としてバトラー服と言う名の執事服をもらったけど!もらったというか瞬縫してくれたけど!まさか五分とかからずに作って貰えるとか思わなかったんだ。魔界のテイラーさんは本当にすごいな!



――空を見上げると夕暮れ時。


 はちみつ色をした太陽の光が雲を照らし、その隙間には白い月、青い月、そして赤い月が顔をのぞかせていた。月多い……多くない?


「それではこれで本日はおしまいです。お疲れ様でした」

「あれ、ロベリアちゃん帰っちゃうの?」


 もう少しお話をしたかったのだけれど、どうやら終業時刻のようだ。うん、寂しいな!


「……これ以上を求めるなら軽蔑しますが?」


 本日最後のジトかな?可愛い!


「いやいや、一緒にご飯食べてかないのかなって」


 またまたおなかがペコちゃんなんだよ?食堂の龍人族(ドラゴニュート)おっちゃん(料理長)が腕を振るってくれるって話だしね。なんでか負けられない戦いがそこにはあるんだって言ってたから楽しみなんだよ?くぅ~!↑


「いえ、結構です。私にはまだ仕事が残っていますので」


 それでは、と踵を返してそのままどこかへと行ってしまった。


 仕方なく独り寂しく食堂に向かう事にする。本当に寂しいな!

 それにしてもなんとかこう、好感度上がらないかなと考えを巡らせる。……うん、無理かな?だって、ずっと殺気を感じてたしね!アレって絶対命じられてるよ。そう、いわゆる一つの暗殺的な奴。……怖いな!

メインヒロインさんまだ出てないよ、どうなってるの!

3/3 修正と加筆を行っております。

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