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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第七章:勇者な執事と東の果ての新婚旅行。はい、鍛えてますから!
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41話:巨大ロボの中で小さなロボが操縦するのって無駄なようにしか見えないけどロマンが詰まっててすごくいいよね?

「急急如律――!」


 巫術/四方結界――


 五芒結界が封じるための結界であるならば、これは護るための結界で。うん、本来はココを起点にして守るんだけど、今回は五芒結界と同じ使い方をしている。理由は単純、その方が巫術の力が分散しないために住み済みまでスッキリ綺麗に浄化することができるからだ。


「踏み込む禹歩はさっき教えた通り。今回の舞には扇を使って祝詞は――」


 伊代ちゃんに一緒に舞う神楽舞を教えていく。囃子と言う名の音楽隊は俺の分身で代行させてもらう。うん、下手くそだけど無いよりはましなんだよ!


「覚えました。――問題ありません」


 俺の舞を一度見ただけで伊代ちゃんはそう言い切った。流石本業の巫女さん。何をどうすればいいかだなんてすぐに飲み込んでしまった。うん、ここまでの見込みがいいのは羨ましいんだよ!俺なんてステップが苦手でホップホップしちゃったりしてたしね!


「さて、それじゃあ行くとしますか」


 すぅと息を吸い、扇もって禹歩をテンポよく踏みしめながら祝詞を詠み上げ舞い踊る。


 巫術/神楽舞/禊祓――


 軽快な鼓の音を鳴り響かせ、鈴と笛で拍子を付けていく。うん、本当に下手くそだなぁ俺!


 繰り返し、繰り返し同じ拍子を繰り返す。禹歩を進むたびに汚泥のような呪詛は解けていき、元の青々とした木々や草花が取り戻されていく。


「まさか、これほどとはのう……」


 神楽殿の後ろの方から、感心する緋乃女さんの声が聞こえる。けれども、本当にすごいのは伊代ちゃんだ。本当に俺がただの一度教えただけで完璧にトレースして見せてくれたのだ。

 うん、巫女服狐耳で九尾の尻尾がゆらゆら揺れる姿は何とも可愛くってたまらないのだけれども、それを口に出すのはすべてが終わった後に取っておくとしよう。


「――真人様」

「ん、ここだね」


 くるんと回って扇をぱちりと閉じる。眼前には完全に動きを止めた朱纏であった巨躯の大鬼。


「羅刹さん!今です、そいつを空に思い切りぶん投げてください!」

『いきなり無茶な難題を吹っかけてくるなぁ、お前も!だが――ああ、やってやろうじゃあないか!おおおおおおおおおおおおおおおお!!!』


 地鳴りを呼び起こすような咆哮を上げ、羅刹さんは六つ腕で最早もぬけの殻となった大鬼を掴み、グルングルンと回転を幾度も加えていく。そう、それは正しくジャイアントスイングであった!うん、規模がでかいな!


『ぜちぇりゃああああああああああああああああ!!!!!』


 勢いのままに上空へ放たれた大鬼は身もだえることなく空高くへと上がっていく。


「さて――仕上げだ!サテラさん!」

『はい、すでに起動シークエンスは整っております』


 ここから離れた港街。そこに停泊していたに光がともっていく。


『起動、グランシップ・ブレイブティアーズ。そして、ブラスティアーにてアクセス!――超弩級合体!!』


 二百メートルを優に超える巨大な船がその身を空に躍らせ、大きな音をたてながら姿を、形を変えていく。

 船首は割れて足となり、船尾からは隠れていた腕が姿を現す。艦橋がせりあがるとそこには――そこには巨大な顔が姿を現したのだ。


 そう、それは――大いなる英知と、人類の積み上げた軌跡の結晶。


 その名も!メガ!ブラスティア!アーク!!


「く、くそう、ここからじゃ小さくしか見えない……!」

「むしろ――よく、見えますね……」


 なんだかあきれた様子の伊代ちゃんの声が聞こえる。けれども大事な事だからね!

 初回変形は本当に貴重なんだから!!


『見えた?見えましたか、ナナちゃん!』

『んー、ぎ、ギリギリ?サテラさん!サテラさーん!後で動画ください!じっくり見たいです!解説付きで!!』


 なんだか興奮気味なサクラちゃんとナナちゃんの声が聞こえてくる。うん、二人もロボが好きみたいだし、仕方ないネ……。うん?ナナちゃんもロボ好きなの!?


『メガブラスティアキャノン――チャージ!』


 雲が割れ、空から光の柱がギガブラスティアアークの構える巨大なカノン砲へと降り注ぐ。


『六十……七十……八十……』


 空を見上げると上昇地点へとたどり着いた大鬼が自由落下にて空から落ち始めて来ていた。げ、あれってあと少し足りなくないかな!?


『問題ない』『空へ打ち上げる程度ならば!』


 フレアとシルヴィアの声が響くと同時に紅と白の龍が風と炎を纏ってその拳をぶちかまし、大鬼を今一度空へと突き上げる。


『百、百十、百二十――メガブラスティアカノン、オーバーチャージ!』


 光が一点に収束し更に空高くへ吹き飛ばされた朱纏だったものに合わされる。


『メガブラスティアああああああああああああ!!シュウウウウウウウト!!!』


 普段聞くことのできない、テンション高めなサテラさんの声とともに巨大なエネルギーの塊が光帯となって大鬼を包み込み――その姿を爆裂四散させ、粉みじんに消えていったのだった。


『そう、これは――大いなる力を持つ機神の新たなる一ページなのでございました……』


 なんだか満足げな声で、サテラさんがぽつり、そう呟いた。


 ……あとで、本来の図面とかかった費用の概算を請求させてもらうからね!


『おおっと、メガブラスティアカノンの影響で通信がー』

「わざとらしすぎないかな!?」


 と、言い終わる前にブツリと通信が切れてしまった。はぁ……助かったけど、お説教はしておかないとね!本当に助かったけれど!!


 ただ――夕闇に染まるメガブラスティア・アークの姿は、とても格好良かった。男の子ってどうして巨大ロボに弱いんだろうね!くそう、合体シーンの動画俺も後で見せてもらおう!!

はい、いつも通りとっても遅くなりました。大変申しw( ˘ω˘)スヤァ

訂正:ギガブラスティア× メガブラスティア〇 ていせいしておりますOTL

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