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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第一章:大魔王の姫と勇者な執事?みたいな?
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3話:魔王城って暗闇にシルエットのイメージしかないよね?

「はい、その件は確かに――」

「下水の処理はこちらではなく2階の治水課が担当に――」

「そうか、壺の底に裏金が……。差し押さえに行くぞ!」

「ぎょぎょぎょ!ここの地域はお魚さんを取りすぎだぞ!次の事を考えて小さいのは逃がさないと!!」

「道路使用許可ですか?大通りでのチラシ配りは――」

「書類が受理されました!ご結婚おめでとうございます!」


 ロベリアちゃんに連れて来られるままに大魔王城の一階まで降りてきたはいいけれども、人でごった返していてなんだかごみごみしていた。というか、ここに似た光景を見たことがある気がする。


「うん、これって……市役所?」


 いやいやいや、そんな訳はない。おかしいぞ、ここは大魔王のお城じゃあなかったかな?

 でも今、結婚受理されてたぞ?給付金の相談を受け付けて……。ああ、税金の支払いとかしてる……。


「しやくしょが何かは知りませんが、役場である事には間違いありません。ここ1階は大魔王国アビス国、大魔王領本部役場になっております。出張所も各地域にありますがここでも戸籍や書類などの届け出はここで受理していますね」


 な、何という事だ!大魔王城は役所……というか役場だった!せめて国会じゃないの!?あ、議員さんとかいないんだ!いないからかー。


「大量の受理の書類は最終的に大魔王様に届けられるのですが、割と逃げられるらしくアリステラ様が頭を抱えられておりました」


仕事しろよ大魔王!あれ、まさか俺と戦っていたのもお仕事から逃げて……ねぇ、ロベリアちゃんこっち、見て?




 大魔王城の一階、職員以外立ち入り禁止区域へと入ってさらに奥へと進んだ使用人控室の隣にあるのが目的地であるメイド長室。そう、ここが今回の目的地だ。


「初めまして、私が大魔王城の雑務の一切を取り仕切らせていただいておりますメイド長のダリアと申します。以後お見知りおきを」


 切れ長の目をした白髪褐色肌のメイドさんが椅子に座ったままこちらをちらりと見る。

 美人さんだ!いや、このお城美人さんばかりだけどかなりの美人さんだ!年は20代前半位に見えるが、目立つ長い耳がただの人でないように思える。……はっ!ダークエルフ!


「……あまりその視線は好ましくありませんね。だがまぁいいでしょう。大魔王様の紹介であることを鑑みて不問に処しましょう」


 許された!ううん、美人ダークエルフさんだからってじっと見ちゃだめだね!仕方ないからロベリアちゃんを見て和もう。ああ、可愛いなー。


「はぁ、ともかくあなたが何の仕事ができるのかをチェックさせていただきます」

「お仕事?料理洗濯家事親父!なんでもござれですけれども、どこからチェックを?」

「簡単です。スクロールを使います」


 すく、スクール水着?あ、二文字しか掠ってないからって、二人してジト目で見ないで欲しいな!はい、申し訳ございません!!


「はぁ、この羊皮紙の魔法陣に手を触れてください。そうすればあなたのスキルを見ることができますので」


 言われるがままに魔法陣に手を置く。うーん、ざらざらとした手触りで触り心地がいいかと言われると微妙?とか考えていると、魔法陣が光を放ち、文字が浮かび上がってくる。こちらの世界の文字ではなく、書かれている文字は日本語。あれ?読めるのかな、これ?


――――――――――――――――――――――――――――――

調理技術Lv8

食材鑑定Lv7

家事Lv5

毒耐性Lv10 Max

建築技術Lv6

ゲーム技術Lv8

多重思考Lv2

絵画術Lv6

危機回避Lv10 Max

生存本能Lv10 Max

武術無限流Lv8

巫術Lv10 Max

精神耐性Lv10 Max

気配遮断Lv7

がJ「おJあ、/、j「あ@かwwsfのk護

ア//ネ゛2faデパ*.m,ミ゛''/のag加@p護991t.

童 貞

――――――――――――――――――――――――――――――


 うん、日本語でもおかしいな!特に最後の!


「ダリア様、最後のこれってなんです?」

「……そっとしておいてあげましょう」


 ロベリアちゃんの質問をダリアさんがさらりと流してくれた。ああ、優しさが痛い!痛いよ!でもね、俺まだ高校二年だから!十七だから!まだセーフ!セーフだよ?でも泣いていいよね!……ぐすん。


「こほん、しかしなるほど。大魔王様と対峙されていたと聞いてはいましたがこのスキルの量と質を見る限り実力は確かのようです。後ほど各所を順々に手伝っていただき適正を担当に見て頂こうと思います。それで構いませんか?」

「いーですよ。どうせすることもありませんし。でも学ランのままで大丈夫です?」

「構いません。今日は仕事を体験していただき、あったところを探してただくのが目的ですので。出来れば書類仕事などを手伝っていただけると……いえ、スキル的には……」


 学力はあるにはあるよ!一応そこそこの学校には合格したしね!あんまり通えなかったけど。

 誰だよ、入学祝にサハラ砂漠のど真ん中にヘリから落とした馬鹿は……。あ、クソ親父だ!!

 他にも、活火山に蹴り落されるわ太平洋のど真ん中に取り残されるわ銃撃戦の飛び交う戦場に行かされるわ……。よく生きてたな俺!最後は死んだけど!!


 真冬の槍ヶ岳の山頂に、着の身着のまま(学生服)で妹諸共ヘリの上から落とされたのは、どう足掻いても無理だった。

 妹を助けるためには自分を犠牲にするしかなかったんだよ?

2020/3/2修正・加筆しております。内容は変わってないでs( ˘ω˘)スヤァ

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