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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第一章:大魔王の姫と勇者な執事?みたいな?
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16話:女の子の気持って猫の気持ちを知るくらいに難しいよね?

 カーテンの隙間から朝日が昇る。

 ベッドではすやすやと寝息を立てている小さくて華奢な体。少し力を入れてしまうとぽきりと折れてしまいそうなそんな体でこの子は俺を殺しに来た。大魔王と戦えるくらいだと、獣人公爵とまともにやりあえるくらいの強さだって知っているくせに覚悟を持って殺しに来た。うん、もう狙わないでくれると嬉しいな?

 ロベリアちゃんはあの後崩れるように眠りについてしまった。監視中ずっと寝てなかったらしいんだよ。ダメだよ?寝る子は育つ!寝ないと大きくなれないんだよ?うちの妹みたいに!あ、……身長だよ?


「朝から何を言ってるんです?」

「寝てるロベリアちゃん見てたら妹の事思い出してただけだよ。いつもおへそ出して寝てたなーって」

「ひゃ!?って、うぅ、メイド服のまま寝ていたんでした……」


 なんだかシュンとしてる。可愛いな!思わず頭をなでなでしてあげと素直になでられてくれた。うん、ちょっとは心の距離が縮まったかな?


「メイド服はしわになってるから洗濯行きだねー。あ、今日は俺がお休みだからロベリアちゃんもお休みでいいんじゃないかな?プニカさん(スキュラのお姉さん)にお願いすれば今日中に綺麗に仕上がってると思うしね!」

「プニカさんにお願いはしますが、お休みは嫌です。というか、ビオラさんに真人様が変な事をしないか監視しなければなりませんし」


 信頼が無いよ!そして朝一番のジトありがとうございます!でも変なことなんてしないよ?パンツ買ってぶらぶらするだけだからね!あれ?ジト力が上がっていくよ?なんでかな!?



 約束の十時の鐘のなる前に待ち合わせの大魔王城の跳ね橋前でビオラちゃんを待つ。

 私服なんてぜいたく品が無いのでネクタイと上着無しのバトラー服でのお出かけなんだよ?私服も買いたいけどダリアさんから前借したお金じゃ買いたいものとかを考えちゃうと無理かなー?いらないよね!

 ちなみにこの世界でのお金はセルと呼ばれ銀色で獣の形が、後ろにバッテン印が描かれている。……欲望を開放するのかな?絶対狙って作ったよねあの大魔王!でも薄いよ?厚みが。じゃらじゃらじゃなくてちゃりちゃりだよ!ちっちゃいし!あとは宝石のはめこまれたメダルがいくつか。

 価値的には紫系が十万セル、赤系が一万セル、黄系が五千セル、青系が千セル、白系は五百セル、緑は百セルとの事。緑が一番チートなのに!おかしいな?ガタキリバだよ!?

 ともあれ俺がダリアさんから前借できたのは赤三枚に黄色が一枚。割ともらえたよ!婚約者選定武闘会後の晩餐会は頑張ってくださいね!って言われたけど!何人来るのかな?龍のおっさんを過労死させないと俺が過労死しちゃうぞ!


「お待たせしました、真人さん」


 おお!ビオラちゃんおめかししてる!フリルの可愛い薄い青のワンピースに藍色のカーディガンを羽織っておしゃれさんだ!手持ちのバックも可愛いぞ!いつも緩く縛ってる長くてきれいな髪には今日は可愛いリボンがついている。うん、なんだか気合入ってるな?


「いやいや待ってないよビオラちゃん。今来たとこだよ、うん。今ね?」

「実際のところは大体半時ほど待っていましたね」


 ロベリアちゃんが可愛くおめかししてくる間も待ってたからそれより前からいたのはここだけの話。でもね、ロベリアちゃん。それは言っちゃだめだよ?恰好つかないじゃない!

 ちなみにロベリアちゃんは白のブラウスに赤と青のチェック柄のフレアスカートを履き、その下から黒いスパッツが覗いており、髪には可愛い猫のヘアピンが付けられている。あれ?ロベリアちゃんもなんだか気合入ってないかな?可愛いな!


「……あれ?なんだかロベリアちゃん昨日より真人さんと距離が近く無いですか?」

「そんなことは無いです。女心がわからないこんな人に近づいたらぺろりと簡単に食べられちゃうんですから」


 プイと頬を膨らませて顔をそらしてしまった。

 なんでそんなに実感がこもった感じでいうのかなー?ロベリアちゃんって十二歳くらいって聞いたから男子高校生的に考えなくても犯罪なんだよ?俺ってばロリコンじゃないよ?ロベリアちゃん百四十も身長なさそうなの可愛いと思うけどロリコンじゃないからね!そんでもって昨日のチューは緊急事態だったし、お仕置きだからノーカンだよね?ダメカナ?あ、すごくジトられてる!ダメっぽい!ふふ、どうしよう……。


「それで今日の目的は真人さんのし、下着との事ですが……」

「それだけじゃダメでしょう。服買わせないと。私服も寝間着も小物も持っていないんですから」

「んん?あれれ~?待って、おかしいよ?買うの俺だよ?俺が決めちゃダメなのかな?」

「ダメですよ、真人さん。さそっていただいたからにはちゃんとどんな服がいいか選ばせてもらいますから」

「ふふふ、とってもとーっても楽しみです」


 ロベリアちゃんの笑顔が怖い!駄目だよ?これは俺のお金だよ?洋服よりもね、こう、チリ紙とか魔法道具とか?え、ダメ?ダメなの!?こ、困ったなー……。


メリークルシミマス?サタンクロースさんがやってくるよ?怖いな!

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