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否定された憐れな子 一話
「神よ、命の恵みに感謝します」
いつものように天へ祈り、捌いた魚を口にする。やはり森の生活は不便だ。
けれど争いを起こさないためにも、独りで暮らすのが丁度いい。
「郵便でーす」
「なんでこんなところまで手紙を?」
「私が知るかっての。確かに届けたからね」
「ああ、どうも」
中を開いて内容を読んでみる。そこには息子へ、帝都で待つ、両親より。と書いてあった。
「これは……何かの罠だな!?」
と思いつつ、帝都まで着いてしまった。
「なにいきなり騒いでんの」
「君は郵便屋の……どうしているんだ?」
「別に郵便屋じゃないし、たんに森に住んでて変な奴から手紙を渡すよう頼まれただけ」
つまり便乗して都会についてきた?
「つーかなんで目合わせないの?」
「俺の目を見ると普通の人間は呪われてしまうから……」
「混血の呪い?」
「なぜそれを!」
「私も混血だから、でも呪いを受けるのは強い力を持つ証拠、こっちからしたら羨ましいくらいね」
弱くても強くても混血で疎まれるなら呪いだろうと力がほしいと考える者もいる。
しかし俺にはそれが理解できない。




