#9 部活動
皆さん、こんにちは!アオです!
「元の世界へ戻るために~とある部活と異世界召喚について~」をどうぞ!
翌日の放課後も俺は同じようにしてしおりの家へ行き何時間も
ゲームに熱中していた。しかしあれだけデカデカと書かれていた
呪文であるビッグフレアを全く習得しない。
「ビッグフレアはまだ覚えないのか……」
静かだった部屋で俺がぼそりとつぶやくと
「なんでビッグフレアにそこまでこだわるのかわからないけど
今まで通りなら作中最強呪文の一つだからラスボス前後に
覚えると思うわよ。だからまだまだ先」
このゲームをやっていると元の世界の生活がよみがえって
一層早く元の世界へ戻りたいという意思が強くなっているので
できるだけサクッと終わらせて手がかりを得たいのだが……
「それにその作品、結構ボリュームあるからそう簡単に
クリアは難しいと思うけどね」
しおりがニヤニヤしながら言う。
その後、しおりの言う通りだんだんと難易度も高くなって
思うように進めなくなってきてしまった。
元の世界でも確かにこんなことあった気がするな。
「明日も来ていいか?」
「ごめん、そろそろ部活に顔を出さないといけないから」
「部活?」
初めて聞く単語に俺が首をかしげていると
「えっと、部活って言うのはそれぞれのやりたいスポーツだったり
趣味とかをみんなで一緒にできるものなんだよ。
例えば野球部とかバスケ部、テニス部とか吹奏楽部とかあるの。
基本はスポーツ系統が多いんだけど私は文芸部に所属してるの……
なんかこうやって前から一緒にいる透に説明するの変な感じ」
なるほど、こちらの世界にはそんなものまであるのか。
冒険者や勇者といった職業が大半をしめる元の世界とは違うことだ。
でも実際に同じ趣味を持つ仲間と楽しめるのは案外楽しいのかもしれない。
「一年のはじめはよく、顔を出していたけど最近ちょっとさぼり気味で。
ほら前に学校をさぼったときがあったでしょ。あれでしばらくの間
部活動禁止命令を受けちゃって。そろそろいいかなって思う時期だから
明日あたりに顔を出してみることにしたの」
そのそろそろいいかなって時期というのはそんなに曖昧なもので
大丈夫なのだろうか。しかもまさかの俺のせいでそんな被害を被っていた
なんて思ってもいなかった。別にわざわざ一緒にさぼる必要はなかったけどな。
「もしかして自分だけさぼっておけばしおりはそんなことなかったのにって
思ってるでしょ。別に私は私がしたいことをしたまでだしそれに
私の助けがなければ今の透は何をしでかすかわからないから仕方なくよ」
確かにしおりの言う通りでしおりの助言や助けがなければ俺でもわかるが
絶対に何かをしてしまいそうで怖いな。そう思うとやはり感謝だ。
「でもなんでそこまでしてくれるんだ?」
「ほ、ほら幼馴染だからよ!それに記憶喪失なんてたまったもんじゃないわよ。
結構長い時間一緒にいたんだから心配するのは当然でしょ」
こちらの世界に来る前の状況はわからないがそれだけしおりにとって
透という存在はとても大切なものなんだろう。
しかし明日、ゲームをできないのはすごくもどかしい。
もしかしたら明日くらいには手がかりをつかめるかもしれないのに。
まあこの世界も自分中心で回っていたらうまくいくに決まっている。
それに関しては何ら元の世界と変わらない。
帰った後、特に調べることもなかった俺は興味本位で部活動について調べてみた。
意味としてはしおりが言っていたこととおおむね同じだった。
部活は学校ごとに違っており珍しいことをやっているところもあるそうだ。
とは言ってもまだまだこの世界は知らないことだらけなので珍しいと
言われている部活もあまりピンとこない。
……そういえば、しおりが所属していると言っていた文芸部は何を
しているのだろうか。調べてみるとどうやら小説やエッセイといった
いわゆる本などを書いている部活らしい、あの元気そうなしおりとは
違って結構静かめな部活なようで意外だった。
小説ってことは俺が図書館で見つけたときにたくさん見たフィクションと
やらを書いているのだろうか。明日あたりでも聞いてみるか。
元の世界について全く良い情報が調べてもなかったため俺は
この世界について調べ始めた。まずは俺たちが通っている学校について。
様々な学校があるようで種類もいくつかあるようだ。
中学校や小学校なんてものも、元の世界では学校といったら一つだけなので
結構不思議な感じだ。それに期間も元の世界の学校よりもはるかに長く
本当に多岐にわたるジャンルを学ぶらしい。
調べれば調べるほどこの世界のいろいろなことが出てくる。
それが出てくるともっとそれに関連したことを調べていきたいと思うようになる。
数時間、調べていると結構この世界も元の世界と比べて悪いことばかりでは
ないように感じてきた。何なら、元の世界に戻るのが遅くなってしまっても
大丈夫なように備え始めている自分さえいた……いやこんなところで
時間を無駄にするわけにはいかない。すぐに帰って魔王を倒すんだ。
危うく、本当の目的を見失うところだった。
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




