#5 補習と生徒会長
皆さん、こんにちは!アオです!
「元の世界へ戻るために~とある部活と異世界召喚について~」をどうぞ!
「今からテスト返却してくぞ~!」
順番に名前が呼ばれていき俺のこちらの世界である透の名が呼ばれる。
なんだかんだでだいぶ、こちらの世界の名前にも慣れてきた気がする。
返ってきたテストの点数を見てみるが、俺でもひどいということが
パッと見でわかった……まあ補習はする前提でいたし問題ない。
「今回の平均点は58点だ!いつもよりは少し簡単だったかもしれないな。
そしてその半分である赤点は29点以下だ。この人たちは
これから一週間、放課後に補習用教室に来なさい。
来ない場合には強制連行プラス追加補習プラス追加課題が待ってるからな!」
周りを見るとうなだれている人が数人いる、おそらく俺と同じ補習だろう。
休み時間、席を立つとしおりがやってくる。
「透、どうだった?補習回避できた?」
そういえばしおりには計画を言っていなかったな。適当にごまかしておくか。
「いやダメだった、これから一週間補習だ」
「……そっか、次こそは私がちゃんと教えて補習を回避してみせるから!」
この女はどうしてそこまでして俺を補習にしなくないのだろうか。
別に俺が補習になったところでしおりには何の不利益も被らないはずだ。
むしろ、俺に勉強を教えているせいで自分自身の勉強時間も少なくなるはずだが。
考えれば考えるほどますますこの女の思っていることがわからなくなってくる。
適当にごまかしたこともあって少しばかり心苦しい発言だった。
そして放課後、補習用教室へ向かおうとすると
「補習頑張ってね!」
一言だけ言ってしおりは下駄箱へ向かって行った。
補習用教室に着くとすでに何人もの生徒がおり雑談していた。
まさに勉強はしたくないみたいな人ばかりだった。
それから数分後、少しずつ人が多くなり始める。空いていた隣の席には
同じクラスの人がいた。もちろん名前は知らない。
「えっ、透お前も補習になったのかよ!?これまで一回もなかったのに!?」
……しまったな、そうか前の透は補習に参加していなかったのか。
「えっと、ちょっとさぼっちゃったから」
苦笑いしながらなんとか適当な理由をつけて話を濁した。
周りの会話を聞いていると小さな声でとある一人の生徒を見ながら話している人が
多かった。なんだ?そんなに珍しいやつがいるのか?
周りの会話を聞きながらその生徒を見る。
女子生徒は少し長めの髪に赤眼鏡をかけていた。そして誰とも話さず一人
集中してテキストを読んでいた。
「せっ、生徒会長がなんで補習用教室に?」
「わっ、わからないわよ……もしかして生徒会長も補習?」
「これまで来てなかったのにね」
「もしかして案外、生徒会長って言っても頭悪いんじゃね?」
周りからの会話で何となくだが、あの人が生徒会長?なる人でおそらく
生徒の中でも結構えらい人なのだろうか。そしてそんなえらい人が
補習に参加しているのだからみんな物珍し気に彼女を見ているということか。
生徒会長というものがわからないから明日、しおりにでも聞いてみるとするか。
「であるからにして」
補習が始まってから三十分、周りの人たちはそこまで集中して受けている
様子はなかった。追加のテストがあるわけでもないらしいから特にやる意味を
見出すことができないのだろう。かくいう俺もあまり集中していない。
ただ、そんな中で一人だけ先生をまっすぐに見ながら真剣にノートを
取っている生徒がいた。生徒会長だ。この様子を見るとなんで
こんな真面目な人が補習に参加しているのか確かに疑問だ。
そして何とか面倒だった補習を終えた……これが一週間ほど続くのか。
この時間でもっと調べることができた気がするが、まあいいか。
すると先生が生徒会長に話しかけていた。
「御堂、後で残ってもらえるか」
「……わかりました」
静かに答える彼女は少しだけ場の空気を貼りめたものにした気がした。
……御堂、先生が読んでいたのからおそらくあの生徒会長の名前は
御堂というのだろう。俺は補習用教室を出てすぐ近くのトイレに向かう。
数分後、人の流れがなくなったことを確認して再び補習用教室へ向かう。
扉はしまっていたが、耳を澄ますことでなんとか会話を聞くことができる。
「御堂、これまで補習に参加しなかったのに何でこのタイミングなんだ?
まだ春だからいいかもしれないがもう三年なんだぞ。今年で受験生だが
本当に大丈夫か?何か悩みがあるなら言ってごらんなさい」
……なるほど、この生徒会長は三年生でさらに言えば先生がこれほどまで言う
くらい成績は悪くない人らしい。
「いえ、少しだけ夜本に夢中になってしまって寝不足だったので」
扉越しだからわからないがおそらく苦笑いをしているだろう。
「……ならいいが。自分に迷惑をかけるのは自業自得だが周りには
迷惑かけるようなことするんじゃないぞ。特に生徒会は激務だと思うが
体調は気をつけろよ。それと迷惑をかけることと助けてもらうことは
違うからな、帰っていいぞ」
「ありがとうございます」
俺はそそくさと玄関へ向かった。
読んでいただきありがとうございました!
ブックマークや評価を付けてくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




