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元の世界へ戻るために~とある部活と異世界召喚について~  作者: アオ


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#2 手がかりのある図書館へ

皆さん、こんにちは!アオです!

「元の世界へ戻るために~とある部活と異世界召喚について~」をどうぞ!

「透~、とりあえず先生には説明しておいたからもし何かあったら言ってね」

しおりの言葉にうなずいてもう一度わかっていることを整理する。

「何書いてるの?……って、それ何語!?明らかに日本語じゃないでしょ」

俺が書き込んでいたメモを見てしおりが驚く。

「普通の言葉だけど……っ、そのに、日本語?とやらはなんだ?」

「とっ、透。そんなことも記憶なくなっちゃったの!?」

しおりがあまりにも大きな声を出すものだからみんながこちらを見る。


やばいな、できればあまり大事にさせたくないんだが。

「とっ、とりあえず別のところで話そう」

俺はそう言ってしおりの手を引いて校舎から出て行った。

「ごめんね……でも信じられない、透本当にどうしちゃったの?」

透……今頃だが、おそらく俺の名前だろう。こちらの世界での。


いっそのこと、これまでのことを話した方がいいのではないか。

いやそんなことでこの女は信じそうにない。だって明らかに動揺して

あれだけ注目を集めてしまったのだから。

「あっ、頭の打ち所が悪くてな。本当に何も覚えていないんだ」

とっさに口から出たのは半分ウソで半分本当のこと。


「……そっか、大変だね」

親密に寄り添うように言葉を向けてくれる。

俺がこの世界での俺になる前、透がどういう人だったかは全く知らない。

別に知ろうとも思わない。ただ言えることが一つだけある。

透は人に好かれるほどの良い性格をしていたに違いない。


元の世界では、俺が実力をつけていくと周りからはすごい、すばらしいと

褒められることが日常茶飯事だった。最初こそ人からそう言われて

嬉しかった、ただ時間が経つにつれてそのうれしさはなくなっていき

だんだんと心地悪さへと変えていったのかもしれない。

人から褒められる度、俺は苦笑いで返していた。


でもそんな俺と違って透はきっと良いやつなのだろう。

「そういうことなら、私が教えてあげるよ!」

俺が勝手に透と俺のことを比べているとしおりが言い出す。

「忘れちゃったかもしれないけど、私はおばさんほどではないけど

 透のことを何十年も見てきたんだよ!透との思い出もたくさんある!

 それだけ透の記憶を思い出せる自信があるの!

 だからさ、わからないことがあったら何でも聞いて!」


自信満々に語るしおり、その笑顔を見て俺は

「ああ、よろしく頼むよ」

そう言って握手をかわそうとして手を差し出す。

「えっと……」

しかし予想とは反対に戸惑っている様子だった。

「ほら、頼んだよしおり」

「うっ、うん!」

そう言ってしおりは俺の手を取って笑顔を浮かべていた。


「でもどうしよう~、授業も抜け出してきちゃったし」

さっき鐘のような音が聞こえたのでおそらく最初の授業が

始まっているのではないだろうか。

「なあ、しおり。一つ行きたいところがあるけどいいか?」

俺が言うとしおりは少し悪い笑みを浮かべる。

そして俺たちはとある場所へ向かった……


館内へ入るとめちゃくちゃ静かだ。元の世界とは大違いの空間だな。

聞くまでもなく、何となくこの空間ではしゃべってはいけない感じがする。

俺たちが学校を抜け出してやってきたのは図書館だった。しおり曰く

「私は図書委員をやってるから学校の図書室は使えなくもないけど

 この時間だと先生に言われるから近くの図書館へ行こう」

ということになり今に至るわけだ。


「でも珍しいね、透が図書館へ行きたいなんて」

「す、少し調べたいものがあってな」

記憶喪失というていでやっているが、そろそろ別の言い訳も考えて

おかないと怪しまれてしまいそうだな。

俺は図書館の中をぐるぐると回って元いた世界が書かれた本を探す。


……元いた世界では少なくともこちらの世界のことが書かれた本は

あったのにこちらの世界にはそういった類の本が一冊もなかった。

ただ、探している間に見つけたとある本があった。

"異世界転生"という単語が書かれた小さめの本だった。

「へ~、アニメじゃなくて異世界系の小説も好きだったんだ」

隣でしゃべっているしおりの言葉を無視して俺は本を読み始める。


読み始めた瞬間に、まさに俺が体験した出来事が書かれていた。

ただ決定的に違う点があった。それはこちらの世界いわゆる現実世界から

俺がもともといた世界いわゆる異世界への転生ということだ。

俺が経験したのとは全くの別矢印で表現されるものだ。

「まあそれは創作で実際に起こることなんてないからね。

 というか、透が調べたいって言ったのはその小説なの?」


「……うん、でも創作じゃないよ」

俺がぽつりと言うとしおりが

「いやいや、こんなんフィクションよ。全くどうしたのよ本当に。

 記憶喪失とともに人格が変わったような感じがするわよ」

今のしおりには何を言っても無駄だと思った俺は彼女の言葉を受け流す。


それから読み進めていったものの、とくにわかったことなどなかった。

「……結局ダメか……」

するとしおりが数冊の本を持ってきて机の上に置く。

「ほら、好みの小説探してきたわよ」

「しおり!!」

読んでいただきありがとうございました!

コメント(感想)をくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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