バイク屋の店長と担任
「店長ー、お疲れ様でーす!」
私はバイト先のバイク屋の入口のドアを開けて言う。「おー、おつかれー。」
「店長、これ全部修理ですか?」
店にはないバイクが5個程止まっており、流石に気になり聞いた。
「おー、そうなんだよ、パンクが2台、タイヤ交換が3台だ。」
おー、それは大変だ。
「私は何すれば?」
「あー、そうだな、とりあえずバイクは私が全部やるから、お前は事務作業頼むわ。」
「はーい」
「よーし、お前もすぐ良くなるから、少し頑張ろうな!」
店長はバイクに話しかけながらパンク修理をしていく。
いつもこんな調子なのだ。この店長は。
店長こと霜月楓さん。年齢は29歳。彼氏はいる。金髪で小顔で、いつもメイクをしている。特に、口紅はいつも濃い赤色だ。本人曰く、これは『女のプライド』らしい。
体型は胸はスイカみたいで腰は細く、おしりは桃だ。
店長の愛車はXL1200フォーティエイト。
ツーリングする時はいつも黒いキャットスーツを胸元を少し開いて着ている。
とてもかっこいい大人の女性という感じだ。
性格もさっぱりしていて、言いたいことを言う、気持ちのいい人だ。
「店長、事務作業終わったから、ちょっとやりたいことやってていい?」
「あー、いいぞ。」
「りょー、ありがとね。」
そう言って私は先程買ったコスプレ衣装の本を開き、「試しにちょっとやりたいな。」
「店長、この布の切れ端使っていいー?」
店長は見向きもせず
「おー、好きにしろー。」
「はーい。」
えっと、とりあえず、ボタン付けから...。
「あ、あれ?お、おかしいなぁ?」
1時間たっても、ボタン付けひとつもできなかった。
そういえば...
私裁縫めちくそ下手なんだった!!
何でこんな大事な事忘れてたんだ!?
や、やばい、こんな調子じゃ服なんて作れない!
「そんな慌てふためいてどうしたんだ?」
店長が来たので事情を説明すると、「あぁ、そもそもよく見ると、玉止めしてないな?こんなんじゃできなくて当たり前だ。貸してみ。」
「は、はい。」
その次の瞬間にはボタンは付いていた。
「店長って、もしかして服作れる?」
お茶を飲みながら聞く。
「あぁ、昔はよく作ってたからな、伊織と一緒に。」
伊織とは、遊馬伊織先生。私の学校の担任であり、楓さんの恋人だ。
2人は高校の時から付き合っているらしい。
伊織先生は、高身長イケメンで、女子生徒から人気が高く、それでいて優しい、。
だが私は彼の裏の顔を知っている。
彼は学校の体育館の裏でタバコを吸っていたのだ。
まぁ、それ以外は本当に良い先生なんだけどね。
「あの、店長、お願いが...。」
「いってみろ。」
「コスプレ衣装を作ってくれませんか?」
楓さんはタバコを吸いながら目を丸くし、
「お前が着るのか?」
「はい。」
「うーむ、、、。いいぞ。」
「そうですよね、やっぱり...って、えぇ!?そんな軽く決めていいんですか?」
びっくりしてお茶を吹き出しそうになった。
「あぁ、面白そうだからな、ちなみに何のアニメのキャラだ?」
そう、実は店長も私と同レベのアニヲタなのだ。
「『推しドラ』のルネーノ様です!」
「お、センスいいね!」
パッと振り返ると、伊織先生がドアを開けて入ってきていた。
「伊織、仕事終わったのか?」
「そうだよ〜かえちゃん♡かえちゃんとの将来のために頑張ったよ〜♡」
「そうか。」
愛重め発言を気にせずスルーか、相変わらず強いな、店長。
と私は笑っていた。
「で、何の話してたの?」
「実は...。」
私が事情を話すと、伊織先生は
「かえちゃんがやるなら僕もやるよ〜♡」
「ありがとうございます!」
「さぁ、これから3人で頑張ろうな!」
「はい!」
「うん♡」
そうしてこの日は終わった。




