表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『これって、難易度で例えるなら?』

作者: 謎猫

出来る事なら、1日でも早く渡したい物があるのですが

なかなか相手との都合が難しく未だに渡せておりません・・・


そんなことを思っていると

偶然、お昼休憩の廊下で会えたので

声をかけてみたのですが・・・


「あのっ!」

「うん?」

「き、今日の夕方とか夜は時間ないですか?」

「ごめん、これから出張で準備しなきゃいけないんだ」

「そうですか、すみません忙しいところ引き留めて・・・」

「なにか用事あった?」

「いいえ、大丈夫です。 気を付けて行ってらっしゃい」

「うん、ありがとう」


ホント、彼は多忙で・・・

多忙すぎて、ゆっくりと話せることなんて滅多になくて

本当に同じ建物内にいるの!?

って思うくらい普段から会えることも少なく・・・


「まぁ、しょうがないけど・・・」


たまに、この人は未来から来たロボットか何かなんじゃ?

って思うほど多忙なスケジュールを日々熟しております。


「旅行のお土産を渡したいだけなんだけどなぁ・・・」


少し前に、初の一人旅をした時に買ったお土産を

彼に渡したかったのですけど、その時間すら・・・


「食べ物じゃないから腐らなくて良かったけど・・・」


メッセージを送っても、出張や外出中だったり

電話をしても、打ち合わせや会議中だったり・・・


「タイミング、合わないなぁ・・・(悩)」


早く贈り物を渡したいと思いながらも

更に、会えない日々が2週間ほど続き

休憩時間に廊下を歩いていると

珍しく彼と逢うことができ、予定を聞いてみたら

2日後の夜に、やっと渡せる事になりました♪


「でも、2日後の約束も何か急用で伸びそうな予感・・・」


そんな、仕事あるあるを覚悟して居たのですが

2日が経ち、当日になっても断りの連絡はなく・・・


「ほ、本当に??? 今夜、渡せるのっ???」


私はいつも通りの時間に仕事が終り

2日前に約束した公園に向かい彼を待つことに。


「何時くらいに来るんだろ?」


約束では、終わったら直ぐに駆け付けると

言ってくれたのですが・・・


「終わったらって、何時の終わり???」


まさか彼にお土産を渡す事に、こんな苦戦するなんて・・・

結局、最短ですら22日も掛かってしまうなんて。

その今日だって、彼が来るまでは分かりませんが


「もしかして、実は連絡も出来ないくらい忙しいとか?」


それでも、私は別に構わないかな~って

あれだけのお仕事を毎日頑張っているのだから

お土産ひとつ渡すくらいの事は

少しくらい伸びても・・・

別に・・・

仕方ないよね(悩)

そんな事を考えていると、背中から彼の声が!


「あわっ!」

「ごめんっ! 遅くなったっ!」

「こっちこそ! 忙しいのにごめんなさい(汗)」

「結構、待たせたんじゃない?」

「いいえ、大丈夫です♪(///)」

「何だか、ずっと用件を先延ばしにさせたみたいだけど」


今日までに、何度か連絡をしてお互いの予定を

調整していたので、その事を気にしていてくれたみたいです。

と言っても、ほぼ私は予定フリーだったのですけど・・・


「忙しいのに無理を言ってごめんなさい」

「そんな事ないよ」

「実はこの間、初の一人旅をしてきたんですけど」

「一人旅?」

「その時のお土産を渡したくて」

「そうだったんだ」


お土産の中身は、小さなキーホルダー。

私が勝手に一目惚れした猫のキーホルダーで

一応、御守り的な意味合いのある各色のガラス宝石が

肉球の部分に使われているのです♪


「これ、身体健全の御守りキーホルダーなんですよ♪」

「そうなんだ ありがとう! さっそく鞄に付けるよ」

「私も、バッグに付けてるんですよ♪」

「あれ? でも、僕のとは宝石の色が違うみたいだけど?」


彼に渡した御守りに付いている宝石は綺麗な緑色で

私のは肉球が赤色の宝石です。


「宝石の色も可愛いでしょ♪」

「赤色の宝石は、何の御守りなんだ?」

「な、内緒です…(///)」

「???」


でも、赤色の宝石が付いている御守りって

普通に考えたら恋愛って直ぐに分かってしまいそうですが

自分から言うのも恥ずかしいので、今日は内緒です(///)


「今日は小さなお土産の為に時間を作ってもらってごめんなさい」

「いや、うれしいよ ありがと!」


それにしても・・・

手のひらサイズのプレゼントを渡すだけで

半月以上も掛かるほど難易度が高いのに・・・


「こんな小さなプレゼントでも・・・」

「うん?」

「渡す事だけで難易度は、ベリーハードなんですね・・・」

「す、すまない・・・(汗)」


なんか、先の事を考えると

少しだけ切なくなります・・・


「告白とか、難易度はアルティメイト超えになりますかぁ?」

「アルティメイト?」


よく、ゲームとかの難易度で

Easy(イージー:簡単)とか

Normal(ノーマル:普通)とか

Haed(ハード:難しい)とか

VeryHard(ベリーハード:さらに難しい)とか

Ultimate(アルティメイト:究極の難易度)とかとか・・・

私、ゲームとか全くしないけど(汗)


「告白がアルティメイトとか・・・(泣)」

「告白っ!?」

「そうですよっ! 告白をする私の事も考慮してください」

「な、なんかゴメン(汗)」


って!!!

な、なんか・・・


なんかっ! 勢いで言ってしまいました!

こんなハズじゃ無かったのですけど

私が片想いしているって事を

勢いで言ってしまいました。

それも、なんか感じ悪い風にっ!(泣)


「ご、ごめんなさい…」

「えっ?????」

「今のは忘れてください」

「う、うん・・・」


なんだか、折角仕事終わりに急いで来てもらったのに

その彼に嫌な思いをさせてしまったかも・・・


「あっ… 返事は私が告白した時にお願いします・・・」

「お、おう・・・(汗)」

「そ、それまでは… 今まで通りでお願いします・・・」

「わ、分かったよ…(汗)」


これって、告白の返事を受け取らないタイプの告白???

でも、まだ今のは告白じゃないし・・・

セーフ? ギリギリセーフ?

と言うよりは、ギリギリアウトっぽいですけど(泣)


「えっと・・・(汗)」

「うん?」

「今日は・・・ プレゼントも渡せたので帰りますね」

「あ、うん・・・」


勢いで、何の考えもなしに言ってしまったせいで

何だか微妙な空気になってしまったのと

絶対、変な子だと思われたと思う…

それに、ここで返事を聞くのも怖いし

今日は、もう帰るしかありません(泣)


「ごめんなさい。折角、急いで来てくれたのに」

「そんなの気にしなくて良いよ」

「それじゃ・・・ 今日は、もう帰りますね(泣)」

「ちなみにっ! 告白はいつになるか聞いても良いか?」


私が帰ろうと足を踏み出した瞬間

彼の方から告白の時期を問われました・・・


「えっ・・・ ま、まだ分からないですけど・・・」

「決まっていないなら、早めとか無理かな?」

「早め? どうしてですか?」

「なんていうか・・・」


もしかして・・・

他の人からも告白されていたりとか?

それとも、他に好きな人がいるから

早く断りの返事をしたいだけとか?


「理由だけ、教えてもらっても良いですか?(困)」

「理由?」

「はい・・・」

「理由は・・・ 早めじゃないと」

「じゃないと?」

「僕の方から告白してしまいそうだからだよ」



~~~~~~~~~~



結局、あの夜

私は公園で彼に告白をして。


彼からは、その場で望んでいた返事を

頂くことができて。


もしかして、これは恋愛御守りの効果?

それか、なにか運命を都合よく書き換えたチートなんじゃ?

って思うくらい告白の難易度は低くて。


とりあえず、私の恋愛は叶いましたし。

彼も相変わらず多忙の日々ではありますが

怪我や風邪もひかず健康に仕事をしておりますので

2人中、2人の願いが叶ってますから

必ず叶う魔法のお守りだったみたいです♪


ガラス宝石の肉球

おそるべしです♪


(///)

最後までお読み頂いて

ありがとうございます。


お守り付き猫キーホルダは全6種!


緑宝石は身体健全。

赤宝石は恋愛成就。

黄宝石は商売繁盛。

青宝石は学業成就。

紫宝石は厄難消除。

橙宝石は千客万来。


とか作ったら売れますでしょうか???


この場合、私が身に着けるのは・・・

黄宝石の商売繁盛お守り?


にゃはは~♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] アルティメイト超えの難易度と思いつつも、その場で言ってしまっているの、いいですね。 「僕の方から~」の台詞がとても素敵でした! 二人の願いが叶って、よかったです。 素敵なお話をありがとうご…
[良い点] きゃーーーーーー!!!!(≧▽≦) 素敵、素敵!!!! めっちゃ素敵なお話!!!! 読みながら床をバンバン叩いてしまいました(笑) 僕の方から告白してしまいそうだなんて、セリフが秀逸! …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ