24.コカトリス討伐(6)(R)
24.コカトリス討伐(6)
カランドリスがミスしたのは、呪術のせいだった。
眠るコカトリスを覚ますように警報が鳴ったのだ。
反射的にカランドリスが目を壊したが、もう一つの邪眼で硬直してしまった。
用心のための呪符を胸に貼っていたから心臓が止まることはない。
そのリベンジをカランドリスはしたかった。
ただ、氷結の魔術を使える者がいなかった。高価な一度きりの魔術の巻物を使ったので、二度目はない。
父のリーダーはさっさと寝ていた。目的を達成したのだ。無理に固執する必要はない。
ただ、カランドリスは若かった。
「私も片目しか手に入れることができませんでした」
クルンテルミスもそういうが、カランドリスは貴族の出来勝負だと考えていた。
パリチチスに頼むが「迷惑」とにべもない。
「邪魔したら殺す」
リムリスの決心は強い。組合長に認められなければ、殺されるのはリムリス自身だった。名前を継いでいるのだ。知られてはいけないことも知っている。
「子供の遊びじゃあないんですから」
ファーウも容赦ない。
「でも――」
「――もういい」
リムリスがカランドリスの肩を掴むと、指を動かした。
「う!」
カランドリスの右足のアキレス腱を切断した。
「何てことを! ――いや違う。申し訳ありません。言って聞かせますので」
倒れるカランドリスの身体を支えながら、クルンテルミスが謝罪した。
「三日ほど安静に」
パリチチスが傷を治したが、初級魔術しか使わなかった。完治させても困るからだろう。
*
食事を終えた三人は村の宿屋に向かった。と言っても小さい村で一軒しかない。
時おりコカトリスを狩る者が来るだけで、黒い森の近くでは大人しくしているしかない。
魔物が人里までやってくることはなかったが、それでも恐怖心はあった。
「なんでこんな村で住んでいるのかしら?」
「税金が安いんです。ここ」
リムリスの問いにファーウが答えた。
「いつ魔物に襲われるか分からないのに?」
めったに現れないが、黒い森には魔物が住んでいる。
「死と税金は必ず来ますから」
「寝る(う)」
パリチチスがブラジャーだけを身につけてベッドに倒れた。食べ過ぎたのか、お腹がポッコリしていた。
「あの子がやってくるのに銀貨一枚」
「私も一枚」
「どっち?」
「寝たみたいです」
パリチチスは泥のように眠っていた。
「あっそ。お休み」
そういうとリムリスも秒で眠ってしまった。




