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戦闘

 ガタンゴトンとほろ馬車を走らせる。

 何か一旗揚げると言ってもレベルの低い僕に何ができるだろか。はあ、とことん情けない……

 瞬間僕は頭を下に思いっきりそらす。


 ドス!

 

 今まであった僕の頭のあたり、ちょうどほろ馬車の横っ腹に何かが刺さった音がした。

 恐る恐る見てみると粗末な矢が深々と刺さっていた。

 避けなければ間違いなく僕の頭にヒットしていたことだろう!

 こ、これはたぶんモンスターだ! 僕の走らせるほろ馬車の音を聞いて襲いに来たな!?

 そう思っている間にもほろ馬車にドス! ドス! と音を立てて矢が刺さっていく!

 これはまずいぞ! 早くここから逃げなくちゃ!!

 そんなことを考えながら心の中ではまた逃げるのか? と僕の中の僕がささやいてくる。

 分かってる! こんなことじゃいけないんだってことは! でも、でも!

 そんな葛藤をしていると小さな声がかすかに聞こえた気がした。


 「助けて……」


 僕は急いで馬車を急停車させる。

 誰かが襲われている! 

 それを知ったうえで逃げることはさすがにできない。そんなことをしてしまったら冒険者として僕はもう失格だ! 

 まだまだ矢は飛んでくる。矢の飛んでくる間隔からして相手はそう多くない。恐らく数匹だろう。

 僕は一旦ほろの中へと逃げ込む。

 すると矢による攻撃は一旦おさまる。こちらの姿が見えなくなったので矢を射かけるのをやめたのだろう。

 でも、必ず様子を見るためにこちらに来るはずだ。

 ぶるぶると震える手でロングソードを抜く。

 頑張れ僕! こんなところで助けることもできずに死にたいのか!

 自分を鼓舞しながらロングソードを真正面にかまえる。

 すると外から気配が近寄ってくるのがわかる。音からして一匹か二匹くらいというところだろうか。

 息を殺して待つ。

 ほろの中に逃げ場はない。その代わり入ってこれるところは前方一か所のみ。

 気配をたどるとどうやら御者台の方に向かってきてるようだ。

 よし、いいぞいいぞ! そのままほろを開けてくれればその瞬間に攻撃できるはずだ!

 どうか思ったように動いてくれ!

 すると前方のほろがゆっくりと開かれた。

 現れたのはひしゃげた顔に腹がぼこんと出た緑色のモンスター、ゴブリンだった!

 僕は迷うことなくそのゴブリンめがけてロングソードを真っすぐ突く。

 ふいの攻撃に避けられなかったゴブリンの胸にロングソードが深々と突き刺さる。

 「ギエッ」という短い断末魔を上げるとゴブリンはそのままぐったりと倒れこむ。

 急いで一匹目のゴブリンからロングソードを引き抜くとそのまま勢いよくほろを開け放つ。

 すると粗末な弓矢を持ったゴブリンがすぐ目の前にいた。仲間の様子を見るために近づいたのだろう。

 もう一匹のゴブリンの首を渾身の力を込めてはねる!

 またも「ギャッ」という短い断末魔を上げそのまま後ろへと倒れこむ。

 二匹のゴブリンを倒し終わり僕はほろ馬車から飛び出す。

 外にはもう二匹ほどゴブリンがいた。そのゴブリンたちの後ろあたりからまた声が聞こえた。


 「助けて……」


 さっきと同じ声。どうやら女性の声のようだ。

 捕まっているのは女性なのか!? 大変だ、早く助けてあげないと!!

 残り二匹は粗末な盾とボロボロのショートソードを手にしていた。

 仲間がやられたのを見て怒り狂ったのか、ショートソードをめちゃくちゃに振り回しながらこちらへ飛びかかってきた!

 その攻撃を何とかロングソードで受け止めながら相手の動きを見る。

 二匹相手はかなり大変だったけどめちゃくちゃにショートソードを振り回してくれているおかげで相手の動きが読みやすい。

 一匹のショートソードをなんとか叩き落すと返す刀で袈裟切りにする。

 「ギャッ」と声を上げるとふらふらとしながらその場に倒れこむ。

 最後の一匹になったゴブリンは分が悪いと判断したのか森の中へと逃げていった。

 やった、なんとか倒すことができたぞ。

 僕は荒い息をつきながらその場に膝をつく。

 ゴブリン相手とは言え、一人で四匹を相手にするのはさすがに大変だった。


 

 

皆さんにとって楽しんでもらえるよう頑張ります。

ひよっこ冒険者の未来はいかに!?


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