三話【冒険者?楽しそうだねぇ】
馬車の護衛をしていた冒険者一行を助けた少女はそのお礼として街まで乗せてもらうことになりました。
今回は街に着いた後からのお話です。
「さっきは本当にありがとな、ところであんたはなんでこんな街に来たんだ?」
「あぁ、いろんな所を旅してみたくてねぇ、とりあえず近くにあったこの街に来ようと思ったのさ」
「なるほどな、なら冒険者になってみないか?身分証明書の代わりになるし、ダンジョンも入れるようになるぞ」
「へぇ~ダンジョンか、面白そうだねぇ。」
「興味があるんなら冒険者ギルドに行ってみな、じゃあな。あとあんたは一応顔隠しとけよ、面倒ごとに巻き込まれるかもしれねぇからな。」
そう言って冒険者と別れた後、少女はギルドへ向かった。
ギルド内は酒場と併用していることもあってか、とても賑やかだった。
(さっきの男の言う通り、顔を隠して正解だったかな)
と思いながら受付カウンターへと向かっていく。
「いらっしゃいませ、依頼受付ですか?冒険者登録ですか?」
「あぁ、冒険者登録を頼むよ」
「かしこまりました、少々お待ちください。」
そう言って受付嬢は裏方の方へ行った。しばらくすると
「お待たせいたしました、こちらの装置に血を一滴たらしてください。」
言われた通りにたらしてみると装置に設置してあった板に文字が浮かんできた。
名前・フェルティア 種族・吸血鬼
ランク・6等級
と書かれていた。
「あら、あなた吸血鬼なんですか、珍しいですね。っとそんなことよりギルドについて説明しますね。まずはランクについてです。6等級から1等級まであり、1等級が最大ランクとなっております。次は依頼についてです。依頼の種類は主に採集、狩猟、護衛の3種類あり6等級は採集のみとなっております。その他の細かなルールに関してはギルドのガイドブックをご覧ください。何か質問はございますか?」
「いや、特に質問はないよ。」
「分かりました。では、楽しい冒険者ライフをお楽しみください」
そう言われたあと、フェルティアはギルドを後にした。
「ふーん、ギルドもそうだったけどこの街は凄い活気があるねぇ。」
商店街の方へ向かうと食べ物屋、武具屋、道具屋、薬屋など様々な店が並んでおり
「武器が安いよー!!!今ならたったの小銀貨7枚だよー!!!」
「新しい魔道具が入荷したよ!見ていくだけでもどうだい!」
「旅や依頼のお供にポーションはいかがですかー!」
「美味しい串焼きはいらないかい!一本小銅貨5枚だぜ!!」
とそれぞれ客寄せをしている。
「おじさん、串焼きを5本くれないかい。」
「あいよ!まいどあり!!」
などと買い物をしつつ、しばらく泊まる宿を探した。
しばらくすると、大きくはないが小綺麗な宿屋を見つけた。
「お、この宿は中々いいじゃないか。気に入った、ここにするか。」
中に入れば、外見通り掃除が行き届いておりとても綺麗だ、そんなことを考えながら受付ほ方へ向かっていく。
「いらっしゃいませ!」
と、10歳くらいの男の子が出てきた。
「店番かい?偉いねぇ。っと、そんなことより一週間程泊まりたいんだが、部屋はあいてるかい?」
「はい、一部屋空いてます!一週間ですと・・・えっと、小銀貨5枚です!朝ごはんはお付けしますか?」
「お願いしようかねぇ。」
「でしたら・・・小銀貨6枚です」
「小銀貨6枚ねぇ、はいよ。」
「あとお名前を教えてください!」
「フェルティアだよ。」
「フェルティアさんですね!こちらがお部屋の鍵となります、お部屋は二階の一番奥のお部屋です。朝ごはんは9の刻までにおこしください!」
「分かったよ、ありがとねぇ。」
と言い部屋へ向かった。
部屋はタンス、ベット、机などがあるシンプルな作りだ。フェルティアは部屋に入るや否やベットに転がり込んだ。
「うーん、今日は疲れたねぇ。さて、明日は何をしようかねぇ。」
そう言って寝る準備を始め、すぐさま寝てしまった。
明日はどんな出来事が彼女を待ち構えているんでしょうね。
お金の価値は大体
小銅貨 1枚10円 大銅貨 1枚100円
小銀貨 1枚1000円 大銀貨 1枚1万円
小金貨 1枚10万円 大金貨 1枚100万円 ぐらいのイメージです。
時間は1の刻から24の刻で1日です
今回も見てくださってありがとうございます。