その3
「あ”ー、だめだわ。」リリムが言った。
「どうやらハイオークの中に高度な魔法を使う魔法使いがいるみたいね。」レイナが言った。
「中々手強いわね。遠距離もだめ、近づくのもだめ、ってなったらどうすればいいんだろう?」
「やっぱりアンタが飛び込んで、攻撃するしかないんじゃないの?ウォータースライスチーズだっけ?あの剣技はバリア関係ないんでしょ?」
「ウォータースライサー!剣技はバリア関係ないけど、どうやって近づくのよ。やっぱりリリムに連れていってもらうしかないんじゃない?」
「だから、私が連れて行ったら、無防備なんだって。矢に撃ち落されて終わりよ。」
「うーん、困ったなあ。半魚人さんたちに倒してもらうしかないのかなあ?」
「そもそも、何で暗黒大陸まで来たのよ。」
「そこに大陸があるから!ってことよ。」
「普通、暗黒大陸まで渡る人いないし、戻ってきた人もいないのよ?」
「それを私たちがやり遂げるのよ。っていうか、地図があるんだから、探検して戻ってきた人もいるってことよね?」
「誰なの?その地図描いた人。凄すぎない?あのハイオークたちも倒して戻ってきたのかしら?」
「ん、地図に名前が書いてあったかな?」エルナが地図を広げた。
「あった、名前。端っこに書いてある。カレンって人。知ってる?」
「ええっ、もしかして、あのカレンかしら?」
「どのカレンよ。」
「昔ね、魔王を倒した勇者カレンって強い人がいたんだけど。」
「いつの話?」
「千年くらい前。」
「千年!」
「まあ、カレンなんて、いくらでもいそうだけどね。」
「というか、あなた何歳なの?」
「二千年くらい?」
「すっごいおばあちゃんだったんだね。」
「おばあちゃんって言うな。」
「そんなに歳とってたんだ。少し敬わなくっちゃならないかな?」
「敬って!」
「はいはい。で、もし勇者カレンが描いた地図として、これはその千年前に描かれた地図ってことよね?もしくはその写し?千年も経てば地形は大分変るんじゃないかしら。」
「それはそうよね。あった建物はなくなってるだろうし、ない建物が立ってたり。幼木は大樹になってる年数だから。」
「目印、この小屋なんだけど。」
「はあっ?この小屋、建ててから千年も経ってないよね?ていうか、結構新しいし。そもそも誰が建てたの?」
「ほら、これ小屋のマークでしょ?この小屋の崖の下にお宝が眠る洞窟があるのよ。」
「そもそも、これって小屋のマークで合ってるの?崖は反対の方角じゃない?」
「えーっと、ちょっと整理しようね。今、私たちのいるこの小屋から南に崖があるよね。地図では、小屋の北にある・・・。」
「ってことは、全然違う場所じゃない!」リリムが叫んだ。
「あれえ。地図見間違えたかなあ?」
「ちょっと、ちゃんとしてよ。もう、私帰るからね。ハイオークは倒さなくていいんでしょ?」
「あはは。ごめんごめん。」
「ごめんじゃないよ!早く戻して!次に召喚するときは、ちゃんと地図確認してよね。っていうか、もう呼び出さなくていいわ。アンタたちの冒険に付き合ってあげるほど、私暇じゃないのよ。」
「謝るよ。でも、本当にリリムは必要なんだよね。いざと言うときは頼りになるんだよね。」
「まあ、そう言うなら、来てあげなくもないけど。」
「じゃあ、またよろしくねっ!」
「いや、軽いな!」
リリムはそう言いながら帰っていった。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
コメディタッチでノリで書いてみましたが、少しでもくすっとしていただけたなら本望です。
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なお、本作はスピンオフとなっておりまして、別に本編があります。
本編は、
「勇者たちが内戦に参加します!?」
となります。
そちらも併せてお楽しみ頂けたらと思います。