【漫才】いらん説明
ボケ 「この前、道歩いてたら真ん中に黒いカラスがおってさ」
ツッコミ 「うん」
ボケ 「横をこっそり歩こうと近づいたらその黒いカラスがしっかりこっち見てきて」
ツッコミ「うん」
ボケ 「その黒いカラスとバッチリ目が合ってん。そしたら黒いカラスがこっち見ながらこう体を震わせて威嚇してきてん」
ツッコミ「おぉん」
ボケ 「『こっち攻撃してくるやん』と思って怖くて。そしたらその黒いカラスが…」
ツッコミ「"黒い"いる!?カラスでええやん」
ボケ 「何がやねん」
ツッコミ 「いや、カラスで伝わるから、"黒い"とかいらんやん」
ボケ 「黒いカラスって言わないと何色かわからんやん」
ツッコミ 「カラスにそんなカラーバリエーションないねん。カラスは黒の一色展開やから」
ボケ 「他の色のヤツおるかもしれんやん」
ツッコミ 「おらんわ、白いカラスとか聞いたことあんのか?」
ボケ 「いや、でもあんな黒いカラス見たことなかってんて」
ツッコミ 「たぶん普通のカラスと変わらんて」
ボケ 「そうかなぁ。まぁ、そのカラスは結局どっか飛んでいってんけど」
ツッコミ 「なら良かったやん」
ボケ 「で、そのまま歩いてて道を抜けたら赤い消防車が停まっててん」
ツッコミ 「もう、またやん」
ボケ 「ならその赤い消防車の周りには誰もいなかってんけど…」
ツッコミ 「だから "赤い"いらんねんて、消防車は赤やから。説明が余計やねん」
ボケ 「でもちゃんと色言わんと、黄色ベースにサイドが青のラインの消防車を想像する人もおるやろ」
ツッコミ 「ないねん、そんなドクターイエローみたいな消防車。消防車はレッドの一色だけや」
ボケ 「いや、でもあんな赤い消防車初めて見てんて」
ツッコミ 「なんやねんそれさっきから、たぶん普通の消防車と同じやから」
ボケ 「話を止めんなよ、話させてくれ」
ツッコミ 「お前がいらんこと言うからやろ」
ボケ 「で、消防車の周りには誰もいなかってんけど、消防車の下に尻尾のある猫が隠れててん」
ツッコミ 「猫はみんな尻尾あんねん」
ボケ 「猫がどっか行くからついて行ったら青いコンビニがあってさ」
ツッコミ 「ローソンのことな、名前で言えよ」
ボケ 「そのコンビニの前でタバコ吸ってる頭の悪いヤンキーおってさ」
ツッコミ 「うん」
ボケ 「その頭の悪いヤンキーが猫を追いかけ始めて、頭の悪いヤンキーが猫いじめようとするけど、なかなか捕まえれへんねん。そしたらその頭の悪いヤンキーのとこに…」
ツッコミ 「"頭の悪い"いらんねん。ヤンキーで伝わるから」
ボケ 「なんでやねん、ちゃんと頭悪いこと言っとかんと」
ツッコミ 「いや、ヤンキーだけでわかるから」
ボケ 「え?」
ツッコミ 「ヤンキーみんな頭悪いから、ヤンキーだけで頭が悪いこと伝わるねん」
ボケ 「いや… 頭の良いヤンキーもおるやろ」
ツッコミ 「おるかい!白いカラスよりおらんわ」
ボケ 「そうか?まぁ、とにかくそのヤンキー、猫をいじめようと大暴れしてんねん」
ツッコミ 「それはあかんな」
ボケ 「そしたらそのヤンキーのとこに1人のお坊さんが現れてん」
ツッコミ 「お坊さん?」
ボケ 「そのお坊さんがすごい剣幕で『何をしてるんだお前は!猫にも人間と同じように命が存在するんだ!動物をいじめるな!』ってヤンキーに怒鳴ってん」
ツッコミ 「すごいなそのお坊さん、かっこいいやん」
ボケ 「それ言い終わったら、お坊さん、停めてたハーレー跨いで颯爽と帰って行ったわ」
ツッコミ 「ハーレー乗ってたん!?お坊さんがハーレー乗ってたん!?」
ボケ 「そうやで」
ツッコミ 「普通原付とかやろ。なんでお前いらん説明ばっかして肝心なことは言わんねん」
ボケ 「また、お前に『そんな誰でもわかること言うな』って言われると思ったんやろ」
ツッコミ 「お坊さんがハーレーで乗ってるとは思わんやろ」
ボケ 「そういえば、その坊さん、ハードモヒカンやったな」
ツッコミ 「それも先言えや」