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お姉さんと私  作者: ゆりかも
第2章
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第5.5話 互いの想い

遊園地を後にした私は、そのままメグさんをマンションへ送り届け帰路に着く。

自宅の玄関を開け、キッチンの前を通り過ぎ部屋のソファーにゴロンと横になり一息つくと、遊園地での事を思い出していた。


最初は、どうなることかと思っていたのだが、凄く楽しく充実した1日だった。メグさんとの大切な想い出を作ることも出来たし…。プレゼントもやっと渡せたし。


メグさんに内緒でプレゼントを用意していたけれど、中々渡すタイミングが無く、買ってから暫く経ってようやく渡す事が出来たのだ。

しかも、あんなに喜んでもらえるとは…。

本当は指輪を渡したかったのだが、何時も身につけていて欲しいと思い、ネックレスにした。指輪だと、恐らく色々聞かれた時にメグさんが困るだろう。それなら今日渡したネックレスに指輪を通せば良いのでは…?

それなら次は、指輪を渡して、もう一度プロポーズしよう。うん、そうしよう。


それにしても、まさかメグさんがあんな勘違いをしていたとは思わなかった…。美由紀は、誰に対しても人懐こい性格だし、まぁ、確かにスキンシップは多い方かもしれないが…。

ん………?えーっと…。メグさんは、私と美由紀が一緒に遊園地に行くと言ったら、"嫌なのっ"て言ってたよね…。えっ?ってことは…?

メグさん、もしかして嫉妬してくれていたのでは…??


え!?ちょっ!待て待て待て………私の彼女可愛すぎない??

ちょっ!今更だけれど、普通に考えて、あの時の不貞腐れてムッとした表情は、嫉妬だ!!

う"わぁーーー!!!もっとちゃんと嫉妬してる所見ておけば良かったー!!!


待てよ……。じゃあ、今日、私がソフトクリームを食べている時に顔を赤くしながら"私も食べたい"と言われたのも嫉妬なのでは…?

美由紀が私のソフトクリームを食べたから…?

えーーーなーにーそーれーーーかーわーいーいー!!!


ソファーでうつ伏せになり、クッションに顔を埋め、足をバタバタさせながら悶える私は、いつかキュン死にしてしまうかもしれない。


***


※ここから恵美さん視点です。


美緒ちゃんに自宅のマンションまで送ってもらい、本当はもう少し一緒にいたかったけれど、ずっと運転してくれていた美緒ちゃんは、きっと疲れているだろうから…マンションに着くと、そのまま直ぐに解散した。


玄関を開け中に入ると、私は直ぐに寝室へ向かいベッドに横になる。

首に着けたネックレスに触れ、ぎゅーっと握り締める。

「ずっと一緒……か…。ふふっ。」

観覧車で美緒ちゃんに言われた事を思い出し、思わず顔が綻ぶ。


美緒ちゃんが、私と同じ気持ちでいてくれたことに安堵し、幸福感に包まれた。

ただ、漠然とずっと一緒にいられたらと思っていた私とは違い、年を重ねておばあちゃんになっても一緒にいたいと言ってくれた彼女の言葉に、あぁ…美緒ちゃんの未来に、私が一緒に居ても良いのだと、心底安心している自分がいた。


安心すると、今まで我慢していた彼女を愛しく思う気持ちが溢れだし、どうしても美緒ちゃんに会いたくなった。

さっきまでずっと一緒にいたのに…我が儘かな…?


ピコンッとスマホの着信音が聞こえ、スマホを確認すると、美緒ちゃんからSNSメッセージが届いていた。

『メグさん、今日はありがとうございました!すっごく楽しかったです!またどこか、二人きりで遊びに行きましょうね!それじゃあ、お休みなさい!』

『こちらこそ、今日は誘ってもらえて嬉しかったよ。プレゼントも、本当に嬉しかった。ありがとう、美緒ちゃん。おやすみなさい。』


彼女から送られてきたメッセージに笑みが溢れ、スマホをきゅっと握り締め目を閉じる。

瞳を閉じると浮かぶ、彼女の眩しいくらいの笑顔に私は救われている。

彼女が私の事を必要としてくれている限り、私が私でいられる気がして…。


あの日、美緒ちゃんに声をかけられなかったら、私は今、こんなにも幸せな気持ちで居られたのだろうか。

明日が来るのも不安で眠れない日々が、貴女によって彩られていく世界に変わり、明日が来るのを待ちわびている私がいる。


今までずっと心にぽっかりと穴が空いている様に感じていたものが、貴女で満たされていく。

本当に、こんな何も持っていない私なんかで良いのだろうか…。

なんの取り柄もない私といて、彼女は本当に幸せなのだろうか…。


考えても仕方がないことなのに、貴女の事を想うと心の片隅で不安が燻る。

彼女の隣に堂々と居られるように、ネガティブになるのはやめようと決心した筈なのに…。


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