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俺の女神は偽物だった!?  作者: カサゴ
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8.オリエンテーション 下編

「私が1番付き合いが長いだろうし。」


前川さんのその言葉がずっと心に残っていた、何かを忘れているようで、何かとても大事なことなような気がして、そうそれは前から感じていた、人とのコミュニケーションをとるのが苦手な筈なのに、何故か前川さんとなら普通に会話が出来た、そんな事は滅多になかった、今俺が普通に会話出来る人物は、数えても10人もいかないだろう…。

それぐらい俺はコミュニケーションがとるのが苦手なのだ…。


なのに、なのに、何故か会話が出来てしまう、あったばかりの筈なのに、一日目だぞ会って…。

俺は別にラノベみたいな鈍感系主人公では無いので、そう言うのに対してはしっかりしているつもりだ。

あれは少し可笑しいよな、なんであんなにもヒロインたちは猛アピールをしているのに全く気付かないなんて、感性を疑ってしまう。と少し話が逸れてしまったが、どう考えても、俺がこれだけ見知らぬ人と話せるのは可笑しいと言うことなのだ、だから余計にその言葉が気になってしまう。


さっき聞こうと思ったが邪魔が入ってしまったし、困ったものだ。

なんて事を考えていると


「綾瀬君準備は出来た?今家のクラスが1番みたいだよ?私たち凄く責任重大だね!」


前川さんがそんな事を言ってきた。

え?1番?ドベで1番って事だよね?と言葉を聞いて思ってしまった。

現実を受け止めたくないので、微かな希望を信じ、聞いておこう。


「え?ドベで1番ってことですよね?そうですよね?」


と。

そうすると前川さんは、


「そんな訳ないじゃん、ビリじゃなくて、その逆1番先頭にいるの!!」


「で、ですよね~。」


まぁ、分かりきっていた答えが返ってきた。


「凄く責任重大ですね、でも俺あんまり走れないかもですよ?」


なんて事を返した。

運動は苦手ではないが、得意でもない、その真ん中ら辺に位置しているので、保険として言っておいた。


「大丈夫大丈夫、私が綾瀬君をリードしてあげよう!!」


えっへんみたいな感じの顔をしながら言っていた。

なんか凄くお姉さんぶっていて可愛い。

なんて事を思ってしまった。

実際歳上なのだが…。


「そうですね、じゃあお願いします。」


ここは素直に頼らせて貰おうと思いお願いした。

すると、


「はい、任されました!」


とにこやかに言ってきた。

それとともに。


「絶対優勝しようね!」


とも言ってきた、それも満面の笑みでだ、その笑みで萌え死にしそうになりながらも、どこかでその笑みに引っ掛かりを覚えていた。だが、今は良いかとそれは気にせずにいてしまった。


「そうですね!精一杯頑張ります!」


ここでそれ以外言えるわけがない、もちろんそれは本心だ、こんな人とやれるなら、なんでも全力でやりたい。

たかが、オリエンテーションだろ?なんて事を思うかもしれないが、ぼっちにとってこんなにも人話せる機会など滅多になく、やれる事はやれる内にやっておきたいのだ…。

まだ、4月の下旬だけどね…。

早とちり過ぎとも思うかもしれない、けど行動に移すなら早い方がいいと言うしね…。

なんて事を考えていると。


「綾瀬君、会長次だから、スタートラインに立ってもらっても良いかな?」


委員長がそう声を掛けてきた。


「おっけーだよ、七瀬ちゃん!」


と前川さんは返していた、ちなみに七瀬とは委員長の事だ、詳しく説明していなかったので一応。

七瀬亜由美、ボブカットで、親しみやすい雰囲気を纏っている人だ、誰にでも分け隔てなく話しかけられ、クラスをまとめていく立場につくのに凄くあっている性格をしている。

とここら辺にしておいて。


「分かりました委員長、それじゃあ行きましょうか、前川さん。」


と前川さんに言うと。


「うん!行こうか綾瀬君!」


なんてやりとりが出来た。


スタートラインに向かう途中、こんな事を言ってきた。


「綾瀬君、綾瀬君」


「なんですか?前川さん?」


「私ね考えたの。」


と何時にもなく真剣な表情でこっちに投げかけてきた。

なので俺も緊張が走り。

少し噛んでしまったが


「な、何をですか?」


「この勝負に勝つ方法!」


と言ってきた。

若干、なんだそんな事かよと思ってしまったが。


「そうなんですか、それでどんな方法なんですか?」


と聞き返す。


「えっとね、この障害物ってネット潜りだったり、バランスだったり、定番みたいなやつでしょ。」


「そうですね。」


そうなのだ、この障害物はよくある障害物競走で使用されているようなものばかりだ。


「1人でやるならいいけど、ペアでやるならやっぱり、タイミングだったりが重要でしょ?」


と言ってきた。

確かに1人なら自分のペースで行けてしまう、だが、これはペアでやるものなので独りよがりな事をしてしまうと相手をおいて行ってしまったりすることがある。


「確かにそうですね。」


「でしょ!それでね私が考えたのはね、要所要所で声掛けをしながら進んで行こうって事なの。声掛けもあればタイミングとかわかりやすいでしょ?」


「そうですね、いいと思います。」


「だよねだよね、じゃあ掛け声は"いっせーのーで”、でいいよね?分かりやすいし。」


「はい、それで大丈夫です。」


「よし、じゃあそれでいこー!」


とそんな話をしていた、終わる頃には丁度スタートラインまできた。

すると。


「綾瀬君絶対1番とろうね!」


と言ってきたので。


「はい、絶対とりましょう!」


と返した、これは2番なんかはとれないな


「それじゃあ綾瀬君がんばろー!」


と言ってきたので。


「おー!」


と返した。やっぱり普段はこんな事出来ないはずなのに、前川さんとの時だけ、何故か出来てしまう。


「それじゃあ行くよ、いっせーのーで!!」


と言って二人同時に走り出した……

8話目です。どうだったでしょうか?やっと主人公達が走り出そうとしました(笑)

予定ではもっと早くやれるつもりだったのですが、書いていくうちにどんどん増えていってしまって、ここまできてしまいました。(笑)

これからも頑張っていきますので読んで頂けたら、嬉しいです。

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