7.オリエンテーション 中編 下
競技が始まった。
先程までは、色々と会長と話したりしてたが、今は他の人達に囲まれている。
「それもそうだよな、だってこの学校の花見たいな人がまじかにいるもんな、そりゃみんな話しに行っちゃうよ。」
と気がついたら呟いていた。
「あれれ?綾瀬君1人なのですか?他の人達と応援をしたらどうですか?」
とほんわかとした声が後ろから聞こえたので振り返ってみると。
笹柳先生がいた、さっきのペア決めの時もいたのだが、基本的にこういう行事事では生徒に任せる主義なのだろう、委員長達の会話に入っていくところは見なかった。
「あっ、笹柳先生、いえ、自分は1人の方がいいので、気にして頂かなくても大丈夫ですよ。」
と、返した。
本音だしね、全然知らない人達と話しているよりかは、よっぽど1人でいた方が気楽で良いのだ、これでもし知らない人と話して会話が途切れてなにか気まずくなるあの瞬間が嫌いなのだ。
「そんな訳にもいきませんよ、先生は生徒を導く立場ですから、1人でいるよりお友達と話していた方が楽しいですよ。」
と言ってきた、顔をみるに本心で言っているのだろうが、そう言うのって友達と呼べるとのが誰一人としていないぼっちにとってはとてつもなくきつい言葉なのだ。
だから
「いえ、あまりそういうのはなれなくて…。」
「そうですか?では先生とお話しましょう!」
とにこやかに言ってきた。さっきので折れてくれるかなと思ったら、予想と違う答えが帰って来た。
「え、で、でも。」
「いいんですよ、人とのコミュニケーションが慣れないなら、慣れるよう練習していけばいいんです。まだクラスの子達よりかは良くないですか?」
と聞いてきた。
自分にとってはどちらもあまり嬉しくはないのだが、これで断ってクラスの人達と話してこいとしつこく言われるよりかは、先生と話していた方が、よっぽどいいような気がしたから。
「では、お願いします、先生。」
と言った。
「そうですね、、、」
と少し話題を考えていて少したったら。
「そう言えば、綾瀬君は最初の方学校に来れてませんでしたよね、クラスの子達とはお話出来てます?」
と痛い所をついてきた、一応さっきコミュニケーションをとるのは苦手だと遠回しに言っていたつもりなのだが、多分わかって言っているのだろう。
「いえ、俺が来ていた時にはもうグループが形成されていてしまって、元々人とのコミュニケーションをとるのがあまり得意ではなくて、、、ですから、クラスの人達とはあまり話せていませんね。」
と言うと。
先生はなにか考えている仕草をしていた。
「やっぱりそうですか、う~ん、そうですね、綾瀬君はきっと初対面の人と話すのが苦手ではないですか?ある程度話せればその人とは普通に喋れたり。」
「そ、、、」
「あ~や~せ~くん」
と、先生に喋りかけようとしていた所、前川さんが少し顔をしかめながらやってきた。
「どうしたんですか?」
と問いかけると
「どうしたんですか?じゃないよ、私綾瀬君と今ペアなんだよ!?ずっとお喋りができると思って待ってたのに全然こっちに来てくれないし、それで綾瀬君の方見たら先生と話く会話してるし!私は!?」
と少し怒り気味に言っていた。
「そう言われましても、会長の所に行こうにも周りに人が多すぎてそっちに行けなかったんですよ。」
とほんとの事を言うと。
「そうだけど、そうだけど、もう綾瀬君の意地悪。」
と今度は拗ねているような口調で言っていた。
何気に感情の切り替わりが多いな。なんて思ってしまった。
まぁどちらにせよ、顔を膨らませて少し怒っていたような会長も、拗ねている会長も可愛いなと思ってしまう。
「もう今のはこれでおしまいにして。先生とはなんの話をしていたの?」
「先生とですか?先生とは、、、」
と言いながら先生のいた所をみるといつの間にかいなくなっていた、あれ?どこいったんだろう?
なんて不思議に思っていると。
「先生とはなに?」
「あぁ、先生とはですね、俺がコミュニケーションが得意でその練習相手になってあげると言う話をしていたんですよ。」
「あぁ、なるほど、けどそれなら私に言ってくれれば良かったのに。」
と凄く嬉しいことを言って貰えた、もしお願いできるならしてもらいたい、何故ならその口実で前川さんと一緒にいれるからだ、最高。
「ほ、本当ですか!?それなら是非!」
とお願いした所。
「うん、いいよ、生徒会のお仕事とかあって、偶になっちゃうかもだけどね。」
なんて事を言われたが。
「いえ、それでも結構です!!」
と返す。
そりゃね、こう返すよね、まずなら大丈夫ですなんて断るやついないだろうしね。
「それと、綾瀬君と1番付き合いが長いのはきっと私だろうしね。」
なんて事を言ってきた。
1番付き合いが長い?確かに高校入学後に1番多く話したが、人生でカウントするとなると、流石の俺でも数人はいる。
だから疑問に思い。
「それってどういう?」
と聞くと。
「ん~、ないしょ」
いたずらっ子の笑みを浮かべながら言って、走っていってしまった。
少しデジャブを感じながらも、気になるので追いかけようとしたところ。
「綾瀬君、そろそろ準備お願いできるかな?」
と委員長が来たので、準備に向かうことになった。
だが、何故か前川さんのあの言葉がモヤモヤして心から消えなかった……。
7話目です。どうだったでしょうか?
本来もう主人公が競技をやる所まで書こうと思っていたのですが、予想以上に長くなってしまいました。
なので次回から入ります。
これからも頑張っていきますのでよろしくお願いしますm(_ _)m