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異世界転生なのです、お姉さん!  作者: 乃平 悠鼓
第3章
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第6部 理想郷の街《1》

 今日もトコトコとクーちゃんに乗り、やってきましたとも! スタンピードから二年、グルナは5歳になりました! そして明日は、このコーメンツ辺境伯領の “街びらき” の日です!


 かつての領地の面影は、お屋敷と葡萄畑くらいしか無いかも知れません。街には同じ形のお家がいっぱい並んでいます。三角屋根と窓枠がさまざまな色で塗られ、窓辺には鉢植えの花も飾られていて、とっても可愛いです! 街並みだけでも観光地としてやっていけるよ、きっと!


「こんにちはー! じゅんびはどーですかー!」


 ぴょんと中に入って声をかければ


「あっ、お嬢様。お陰様で今日中には終わりそうですよ」


 と、フィーロさんの声が帰ってきた。ここは、噴水がある中央広場に面したこの領地の一等地にあるコルポールティス商会のお店です。この街の中では一番大きな店舗なのよ。

 領地の住宅は、基本二階建てに三角屋根の部分が屋根裏部屋になっているタイプ。店舗も、小さな店舗は住宅と同じ造りで、中間タイプは二階建ての住宅が二軒続いたような横幅があるタイプか、三階建てに屋根裏部屋があるタイプ。そして大きなお店は、三階建てに屋根裏部屋があるタイプの店舗が二軒か三軒横に繋がった形になる。

 コルポールティス商会コーメンツ辺境伯領支店は、三階建てに屋根裏部屋の大きさの店舗が横に三つ並んだ感じの大きさで、一階ではレジンなどのアクセサリーやニットやドレスなどの服飾品、ロゼットなどを販売する。二階ではローズウィンドウなどの工芸品や薬剤師を置いて化粧品と薬などを販売するの。三階部分と屋根裏部屋はフィーロさんのお家と、隣国から来ている従業員の寮になってます。

 従業員も、隣国からの見習いの数名を除けばこの領地の住民だし、このお店を通して隣国にも我が領地の特産品が販売されるので、我が領地の収入に多大な貢献をしてくれるのですよ! ちなみに、店長はフィーロさん。フィーディさんも、ほぼこちらにいるけどね!


「レジはつかえそう」


 私は、レジ打ちの練習中と思われる場所を見つめました。


「はい、レジの横に小さく書かれたマニュアルのコピーを置いてますし、明日は一台のレジに2名体制で望みますよ」


 レジは三日前に完成し、昨日全店舗に配られたの。私があっちの世界で買った、値段の安い基本的な機能しかついてないレジスターを、マージェさん達がこっちで使いやすいように改良したやつ。


「あしたもようすをみにくるから、なにかあったられんらくしてね!」

「はい。」


 私はクーちゃんと一緒に歩いて次の場所へ。もはやこの街では、私がクーちゃんと一緒にテクテク街中を歩いて店舗回り、住宅回りをするのは恒例なの! だって、あっちの世界基準の不備なんかがわかるのは私しかいないんだもん! できる5歳児は、頑張るのだ!


 同じく、中央広場に面した所にある一等地の大きなレストラン。三階建てに屋根裏部屋の店舗が二軒繋がったタイプのお店。一階の一部分が、パン屋さんになっています。


「クックちょー、きたよー!」

「いらっしゃいまし、お嬢様」


 この二年間で、お屋敷の中の人員はけっこうかわった。料理(クック)長はパンを極めたいとパン屋さんになり、息子さんのソールは料理長の下で二年修行してレストランを開いた。

 領民皆に美味しいご飯を食べて欲しい私と、パンを極めたくさんの人に食べさせたいと思う料理長の利害が一致して、私がこのお店を用意したの。

 一階の3分の2がレストランで残り3分の1がパン屋さん。中は壁で仕切られていて、入り口や厨房も別々で中から行き来はできない。二階は、レストランの個室が数部屋と物置。三階と屋根裏部屋が住宅スペースになっています。

 もちろん、奥さんのノワイエと娘さんのシエーヌも一緒に暮らしていますよ。シエーヌは、住宅街の近くに小さな自分のお店も持っているけどね! コルポールティス商会で服飾の勉強をしてきたから、洋服店を開いています。レストランでは、料理の専門学校を卒業した料理人達も働いていますよ。

 そして我がお屋敷の厨房では今、二年前は見習いだったピーノが料理長を勤めています。キッチンメイドの中から二人がお屋敷のメイドを卒業し、住宅街で和食専門店とドーナッツの専門店を開いています。私もよく買いに行くよ!

 中央広場の回りの大きなお店や冒険者ギルドや商業ギルドの回りの冒険者街みたいになった所は皆明日の “街びらき” に合わせ開店だけど、住宅街の方は三ヶ月前に住民達も引っ越しを終え店舗も営業を開始しているのだ。


「お嬢様、見てくれ」


 そう言って料理長が差し出したのは


「ふぉぉぉ!! メロンパンとクリームパン!!」


 私は思わず飛び上がり目をキラキラさせて、メロンパンとクリームパンを見つめましたとも! 仮設住宅(ミニログハウス)で皆が暮らしていた頃は、食パンか調理パンか惣菜パンがほとんどだった。

 今も住宅街のパン屋さんは食パンと調理パンや惣菜パンが支流。冒険者街の方は調理パンや惣菜パンを販売する予定だ。

 菓子パンは料理の専門学校の授業ではあったけど、まだそれほど浸透していない。


「食べて感想を聞かせてくれ」

「はーい!」


 私は片手をピシッと上げてからメロンパンを持ち、あむっと一口。

 

「ふぉ! ザクふわ! 」


 上のクッキー生地はザクザク、中はふわふわ。甘〜なの! うまうま〜♪ 次にクリームパン! あむっ。 あぁ〜ふわふわで柔らかな生地に、カスタードクリームが絶品!


「クックちょー、おいしーい!! あっちのせかいにまけてない! うまうま〜なの♪」

「そうか! 明日の街びらきの、特別限定品でだすか。お嬢様、これは持って帰ってくれ」


 わぁ〜い、箱に詰めたメロンパンとクリームパンをもらいましたー♪ お屋敷に持って帰って皆で食べるね。その後、ノワイエやシェーヌやレストランの人達とレジ操作の確認をして、皆にバイバイして次へ。


 ここは、中央広場の奥にある役所を道一本挟んだ反対側、冒険者ギルドや商業ギルドがあるところで宿屋や冒険者に必要な用具や食料を扱っている、冒険者街みたいになっているところ。

 一番大きな宿屋に行く。この領地には中央広場から住宅街に向かう場所にも幾つか宿屋はあるし、カプセルホテルも二軒ある。

 森に近い場所には、大小のコテージもあるんだよ。ちなみに、馬の育成牧場に近い大きなコテージはクンルダントさんが年間予約で使ってるし、中央広場に近い普通のコテージは隣国の冒険者アヴェントゥーロさん達が年間予約中。

 しかも! 中央広場から牧場に向かう途中にある大きな公園に近い、一番大きなコテージはこの国の王家が年間予約を入れるとか。なんでやねん! コテージだよ、()()()()。一番大きいって言ったって、王族から見たらものすごく小さいと思うよ! 慌ててコテージの両横にミニログハウスを造ったさ、使用人と護衛の寝泊まり用にね。はぁ〜。

 おっと、現実逃避しちゃった。


「こんにちはー。おかみさーん、レジはどうですかー!」

「まぁ、お嬢様自らいらしてくれたんですか!」


 ハイ、今日は皆忙しいの。お祖父様達も、頼りのマージェさん達も、最重要任務があるのです。この宿屋は四階建ての屋根裏部屋ありで、普通の住宅なら四軒は入りそうな大きさ。

 普通なら木造2×4(ツーバイフォー)で、四階建てとか屋根裏部屋とかどうなの?って思うでしょう。一応ダンジョンマスターに確認したら


「ダンジョンの魔石を溶かした大河の水の威力をなめるなよ。四階建てだろうが五階建てだろうが屋根裏部屋だろうが、強度には何の問題もない」


 って言ってた。マジかぁー。


「お嬢様、ちょっと味見をお願いできますか」

「はーい♪」


 わぁーい、宿屋のお料理の味見〜♪ ここではお料理の味見と従業員さん達とレジの使い方の確認をして、私はこの街で一番大きな公園へ。ここではね、マージェさん達が移動遊園地の最終確認をしているのだよ!

次回投稿は22日か23日が目標です。更新時間が遅れるかもしれません。

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