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異世界転生なのです、お姉さん!  作者: 乃平 悠鼓
第3章
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第5部 理想郷の産業《3》

全体を通して、第5部は産業っぽくない話になってしまった。(>_<)


 雪降る季節が通りすぎ、うららかな春がやってきまさしたよ! 今年の冬は雪も少なく過ごしやすかった。おかげで、つつがなく復興が進んでいます♪

 新しくこのコーメンツ辺境伯領の一部となった村にも二階建てのプレハブが建ち、こちらから送った大工さんと出稼ぎの人達が仮設住宅(ミニログハウス)を造り、只今2×4(ツーバイフォー)のお家を建設中。

 地竜のチーちゃんに地下道を作ってもらい、ダンジョンの入り口から各ギルドの地下まで引く予定だったトロッコを全部村の方に回してもらい、必要な材料はトロッコを使って搬送。大きくてトロッコに乗せられない物は、黒竜のクロちゃんが空から搬送してくれています。

 しかも! クロちゃんがよそのダンジョンから美味しい和牛に似た魔物さんを三頭連れてきて “美味しいハンバーグが毎日食べられるぞー!” って言ってた。村人、びっくりだよ。


 クロちゃんが連れてきた和牛っぽい魔物さんは魔素がない地上でも生きて行ける適正があり、なおかつ殺伐(さつばつ)としたダンジョンじゃなく、のんびりと穏やかに暮らしたいと思っていた魔物さん達なんだって。親牛として、のんびり地上で暮らして行くらしい。

 村は白を基調としたお洒落な木材のフェンスで囲った。見た目はあっちの世界で見かける木製のフェンスだけど、高さをだして魔石を溶かした大河の水でコーティングした代物で、防犯機能つき! これで、美味しいお肉が食べれるね!


 お屋敷の仮設住宅(ミニログハウス)の近くにも、新たに二階建てのプレハブを幾つか造っています。これは学校です。私がテントで皆に教えていたのは、いわば趣味の講座だけど、こちらのプレハブは専門学校。

 今までは冒険者ギルドと商業ギルドしかなかった所に医療ギルドを作るので、医療関係の専門学校も作ります。私があっちの世界で買った薬や栄養ドリンク、化粧品や石鹸、書籍などを参考にダンジョンのドロップ品 “正常” を一滴でも使えば薬局での扱いになるので、医師はもちろんのこと薬剤師も専門学校で勉強してもらい免許制にするのだ。

 その他、役場も作るのでそれらの学校もあり、ローズウィンドウなどの工芸や農業関係、服飾関係や料理人なども専門分野を作り専門学校で勉強してもらう。免許取得が出来る分野では、専門学校を卒業すれば仮免許がもらえ、各場所で二年から三年働けば免許証がもらえ自分の店だって持てるようになる。その他は、卒業証書を出す予定だ。




 そんな中、私はお母様と一緒に初めて船に乗り隣国クンルダントにやって来ましたとも!


「ふぉぉぉぉ!!」


 目の前は見渡すかぎりの緑、そしてその中を駆ける回る馬、馬、馬。


「どんな馬がご要望でしょう。このクンルダント領の馬は、王都で行われる競馬や王宮の軍馬にも使われているのですよ」


 現クンルダント領主のアファーブラさんに牧場を案内してもらいながら、お馬さんを見て回っています。


「おだやかでやちゃちくて、ひとなちゅっこいおうましゃんでしゅ!」


 私は、ビシッとアファーブラさんに欲しいお馬さんを伝えましたとも! 私が欲しいのは、穏やかで優しい性格で人懐っこい仔なの!


「早く走れたり、スタミナや持久力はいいのかい」


 私はふるふると首を振る。


「ほーちゅちぇらぴーには、はやいもスタミナもじきゅうりょくもいりましぇん!」


 そう、私が欲しいのはホースセラピーに使うお馬さんなの。そう言うとアファーブラさんは私に目線を合わせ


「グルナちゃん、ホースセラピーってなにかな?」


 と、言った。


「う?」


 私はコテンと首を傾ける。あれ? この世界には、まだホースセラピーって言う考えがなかったのか! ホースセラピーは、馬を通じて精神や運動機能を向上させるリハビリの一つ。

 ホースセラピーは医療、教育、スポーツレクリエーションの三つの要素を併せ持ち、しかも心身両面への直接的セラピー効果が認められると言われているのだ。


「なるほど、馬にはそんなこともできるのか」

「あい! できましゅ!」


 私はその他に、クロスカントリーと障害馬術、ホースショーに使うお馬さんも欲しいのです! 競技としてではなく、お祭りの時の催し物の一つとして開催するので、こちらも早さとかスタミナとか持久力は要りません。

 あっちの世界では牧場や競馬場なんかに行かないとお馬さんはめったに見れない動物だけど、こっちの世界ではお馬さんは生活に欠かせない生き物。お馬さんは友達のレベルなのだ。

 だから人間に対して従順で、信頼関係がしっかりできるお馬さんだととっても嬉しいです。あと、少しばかりのジャンプ力があれば言うことなし。


「グルナちゃん。クロスカントリーとか障害馬術とかホースショーの説明もしてもらっていいかな」

「ふぉ!」


 アレ、またか!クロスカントリーとか障害馬術とかホースショーとか、へんだった? この世界にはない? あぁー、やっちゃった感が否めない。

 馬場馬術は自分でできる気がしないし、お馬さんに教えるのが難しそうだから、竹柵、生垣、水濠などの障害物がある起伏に富んだコースのクロスカントリーを催し物として開催したら盛り上がるかなって思ったんだよね。騎士団の皆さんが、障害くらいなら飛越(ひえつ)できるって言ってたし。

 設置されたさまざまな形状の障害物を決められた順番どおりに飛越し走行する障害馬術もいいかなって。ホースショーはね、実は簡単なのはクーちゃんも出来るんだよ! こんにちわ♪の挨拶とかバイバイとかも出来るんだ! クーちゃん優秀♪

 前世、旅行先の牧場で見たホースショーみたいなものができたら、子供達が喜ぶかなぁーと思って。


「グルナちゃんは、面白いことを考えるな」


 えぇー、私が競技を考えたわけじゃないよー。私は普通の3歳児です! あっ、そうだ! ダンジョンマスターにお話聞いたんですー。困った時はダンジョンマスターの名前を出せば、大概のことはかたがつくはず。たぶん……。


「グルナちゃん、こうしようか。今回の馬はプレゼントしよう。その代わり、うちの厩舎から何人かコーメンツ辺境伯領の牧場で数年雇って欲しい。そこで、クロスカントリーや障害馬術やホースショーについて学ばせてくれないかな。我が領地は馬で成り立っているから、馬の扱いは他のどの領地にも負けないつもりだ。厩舎の人間は皆、育成のプロ。競馬や軍馬、馬車馬や農耕馬以外にも馬を活用できれば、早さやスタミナや持久力のない我が領地ではあまり人気のない馬達にも、活躍の場ができるかも知れないからね」


 ふぉ! 需要がないお馬さんのたどる道を考えると、色々なお馬さんに需要があることはいいことなの! お馬さんの未来も広がるの! よし、その話乗った!


「難しい話は終わったかしら。グルナちゃん、お菓子食べない」

「おかち!」


 メイドさん達と一緒にやってきたのはクンルダント領主夫人のヴェルマさん。ヴェルマさんの首もとには私が作ったレジンのビーズのネックレスがつけられています。もちろんアファーブラさんの胸の所にも、お馬さんの形をしたモールドで作ったレジンのブローチがついていますよ。

 ヴェルマさんのネックレスの中央にはミール皿の上にレジンとラメパウダーを加え、上にお馬さんシールを貼ってレジンで硬化させた物がつけられている。アファーブラさんのブローチにもレジンとラメパウダーを使い、ライトストーンとネイル用のパールを使って飾り付けしているの。

 この国でレジンのアクセサリーは王妃様しか持っていない物だから、とっても喜ばれたよ。クンルダントさんの所では三日間お世話になって、お馬さんは後で厩舎の人と一緒に船で連れてきてもらうことになった。



「お嬢様、お帰りなさい。さっそくですけど、これ見て下さい」


 帰ってくるなり、専門学校の概要(がいよう)やら役所や保険など様々なチェックが待っていたよ。ふぇ、確かに私があっちの世界の制度を全面的にオススメしたけどさ。


「だんじょんまちゅたー!」


 私は助けを求めて、ダンジョンに走りましたとも!

一口メモ


エスペラント語 → 日本語


アファーブラ → 優しい

ヴェルマ → 温かい



次回投稿は18日か19日が目標です。投稿時間が遅れるかもしれません。

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