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異世界転生なのです、お姉さん!  作者: 乃平 悠鼓
第2章
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第6部 理想郷のお別れ《1》

「みゅ……」


 コロコロトン、コロコロトン。何かがぶつかってます。

 コロコロトン “きゅぴ!”、コロコロトン “ヴェー!”、私もコロコロ、コロコロしてみる。うん、朝だね。


「ふみゅ……、おはよー」

「きゅぴ!」

「ヴェー!」


 ここ最近の、朝の恒例(こうれい)行事ですよ! 朝、キャメリアかぺルルがくる5分くらい前の絶妙(ぜつみょう)な時間帯に、ベッドの上をコロコロトンして軽くぶつかって、私を起こしてくれるのです。

 えっ、誰がって? ダンジョンマスターがくれた、プチスライムと子羊だよ!

 おにぎりよりちょっと大きなプチスライムと、小型犬くらいの大きさの子羊は、いつも私のベッドの足元に置いてある三頭のユニコーンのぬいぐるみの間に陣取(じんど)って、スピスピと寝ています。

 ピンクとイエローのユニコーンの間に子羊、イエローとグリーンのユニコーンの間にプチスライム。ユニコーンの間で寝るのが、とても寝やすいらしい。


「うみゅ〜」


 私は、両手をぐう〜っと伸ばして起き上がると、ポフポフと足元のユニコーンのぬいぐるみまでハイハイしていき


「ちゅぃりー、ちゃふぉ、おはよーごじゃいましゅ!」


 と、その場に座りこみ挨拶するのです。するとプチスライムのスィリーと子羊のサフォが、“きゅぴ!“ ”ヴェー!” と鳴いて挨拶を返してくれるのですよ! 賢い!

 某出版社の幻想お名前辞典を見ながら考えた結果、プチスライムはエスペラント語でスライムのスィリーモからスィリーと名付け、子羊はエスペラント語で羊のサフォからサフォと名付けました。

 そのまんまじゃないか!って、そこは気にしちゃダメ!


「こちょう、うこん、きょいこう、おはよーごじゃいましゅ!」


 私は、三頭のユニコーンのぬいぐるみにも元気に御挨拶しましたとも! そうですよ、ぬいぐるみにも名前をつけちゃいました!

 三頭のユニコーンの色はピンク・イエロー・グリーン。お尻の所に花がついているから、桜の木から名前をとり、ピンク色の花を咲かせる胡蝶(こちょう)桜からコチョウ、黄色の花を咲かせる鬱金(うこん)桜からウコン、緑色の花を咲かせる御衣黄(ぎょいこう)桜からギョイコウです。


 そして、この部屋の見守り担当、くーちゃん!

  私のベッドは大人用だから、上り下りしやすい用にベッドの横にベッドの半分くらいの高さの木箱を置いてもらっています。そこから “スルスルと!” 、いや “よいちょよいちょと” 下りると、大きな大きなお馬のぬいぐるみがいます。そのぬいぐるみの前に立ち


「くーちゃん、おはよーごじゃいましゅ!」


 と、元気に御挨拶するのです! 私のマイポニー、クーちゃんとそっくりだから、名前もくーちゃんです!違いは、カタカナとひらがなだけだよ!

 そして、だいたいくーちゃんに朝の挨拶が終わった頃、キャメリアかぺルルがやってくるの。“コンコン” ほらね、ドアをノックする音がします。


「あい!」









 朝食後、(うまや)の下の方にある放牧地に行くと、マイポニーのクーちゃんとフリージアンのニーガ達が、朝の飼葉(かいば)を食べ終わり、放牧地を駆け回ったり、草をハムハムしたりしています。


「クーちゃん!」


 放牧地の(さく)の手前からクーちゃんを呼べば、クーちゃんだけでなくニーガ達も集まってきてくれますよ。


「みんな、おはよーごじゃいましゅ!」


 と頭を下げて挨拶すれば、大きなお馬達は

 “おはよー” と言うように、鼻先を柵の上から出して私の顔に近づけてくれるのです。

 せっかくなので、一頭一頭のプニプニの鼻にタッチして癒しタイム♪ 最後に、クーちゃんだけ外に出して


「あーい。みんなー、ちぇんこを、とりましゅ!」


 “点呼をとります!” と、大きな声で宣言し、目の前にスィリー・サフォ・クーちゃんを集め、名前を呼んでいきます。


「ちゅぃりー」

「きゅぴ!」

「ちゃふぉ」

「ヴェー!」

「クーちゃん」

「プルッ」

「あい。ちぇーいん、いましゅ!」


 と言えば、スィリー・サフォ・クーちゃんも “きゅぴ” “ヴェー” “プルッ” と鳴いてくれますよ。クーちゃんは、鼻を鳴らしてるだけだけど。


「じゃー、おしゃんぽに、しゅっぱーちゅ!」


 大きな声で “いくよー” と声をかければ “きゅぴ” “ヴェー” “プルッ” と、スィリーとサフォとクーちゃんがいいお返事を返してくれます。これもこのところの日課。

 この世界の朝は早いから、朝食を終えて次の昼食までの時間はけっこうあって、いろんなことができるの。だから、幼児一人とプチスライムと子羊とポニーでお散歩なのです。


「お嬢様、お散歩ですか」

「あい!」


 後ろにプチスライムを頭に乗せた子羊とポニーを連れて歩いていると、使用人さん達が行く先々で声をかけてくれます。

 皆が、小さなお嬢様が小さな動物達を連れて…と、微笑まし気に見守っているけど、そこは気にしないー。だって、3歳だからね!


「かぼちゃー♪」

「きゅぴ♪」

「ちゃちゅまいもー♪」

「ヴェー♪」

「なちゅー♪」

「プルッ♪」


 お屋敷の畑に美味しく育つお野菜をみながら、とてとてと適当な歌を歌い歩いていると、スィリーやサフォやクーちゃんが、絶妙(ぜっみょう)なタイミングで合いの手を入れてくれます。途中


「あ、きえいなはにゃー♪」


 綺麗な花を見つけ近寄っていけば、スィリーとサフォとクーちゃんは、その辺の食べてもいい草をハムハムハム。美味しそうに食べてますね! 何よりです!

 庭園や畑、使用人さん達の寮の周りを、皆でポテポテ歩いて朝のお散歩は終わり。クーちゃんを放牧地に戻し


「クーちゃん、また、あしたねー!」

「プルッ」


 と会話を交わしてから、お屋敷へ帰るのです。









 昼食後、お昼寝です! お昼寝の時間もだんだん短くなってきていますよ。一人と二匹で、ユニコーンにくっついてスピスピ。

 お昼寝の後には


「ちゅぃりー、ピンクっぽい、あかのれちん!」

「きゅぴ!」


 スィリーにピンクっぽい赤のレジンが欲しい! と言えば、スィリーが体の中でピンクっぽい赤のレジン液を作って出してくれます。スィリーが落とした雫形の魔石を手に持って、こんな色と頭の中で想像するだけでいいから、とっても便利なの。


「お嬢様、今日は何を作るんですか?」

「きょーは、ちゃくらんぽ、つくりましゅ!」


 スィリーが作り出してくれるレジンは、普通のレジン作品の製作時にありがちな、頭痛とか皮膚炎とかのアレルギーみたいなものが、まったく出ないことがわかったのです! スィリーすごい!

 とは言え、レジン作品を作る時には、マスクと薄手のゴム手袋は必ず着用してもらいますけどね。


 今日はぺルルと、サクランボのアクセサリーを作ります!

 最近は、使用人さん達の間ではレジン作りが流行(はや)りなの。なぜかと言えば、お屋敷の一階の一部屋に、レジンや編み物や洋裁関係の道具が一式おいてあって、全部あっちの世界の物や、錬金術の研究所があっちの世界の物を真似(まね)て作ってくれた物なんだけど、お屋敷の人は使いたい放題にしてあるの。

 だって、皆のお給料は安い! とっても安い! だから自分のアクセサリーなんて、もってないのです。でもこの部屋では、アクセサリーが作り放題です!

 とは言え、あっちの世界の物を使いこなせるのは私だけなんだけど……。


 先週開いた “レジンでリンゴのアクセサリーを作ろう♪” のレジン教室には、お休みのメイドさん数名と従者(ヴァレット)も参加。

 メイドさん達は自分用に、従者は彼女さんへのプレゼント用に作るようで、私は回らないお口と、まだまだ動かない不器用な両手を使い、一生懸命に指導しましたとも!

 助手にぺルルについてもらい頑張りましたよ。その結果、参加できなかった皆も、 “私も欲しい! 家族や彼女にプレゼントしたい!” となり、レジン作りが大流行。

 助手をしてもらってわかったけど、ぺルルはレジン作りがとっても上手。と言うわけで、私とぺルルが手分けしてレジン教室を開催することになったのです。

 だから、このところ毎日午後はぺルルと一緒にレジン作り。一緒に作って覚えた成果を、レジン教室で発揮してもらうのです! さぁ、今日も頑張って作るぞー!



次回投稿は11日か12日が目標です。

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